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驚愕の書「ウルグアイ ジェノサイド」(ムカイダイス著・ハート出版)=人類は過ちを繰り返して止まず (はんぺん)
人類の歴史は、いろんな見方があるが・・・知性の進歩の歴史、科学技術の発展の歴史、民主主義・人権の歴史・・・と言われる一方、戦争の歴史、殺戮の歴史・・・というのもある。
あの始皇帝や西太后の所業もあるが、スターリンの粛清や文化大革命における殺し合いの歴史・・・も・・・負の歴史だろう・・・ この「ウイグルジェノサイド」は、現代の・・・現在進行形の事実だ!!
「ウイグル問題」は、間違いなく、中国の全体主義にとっての巨大な汚点として残るだろうと思う。それは、人類の汚点でもある。歴史から学べない人類は、過ちを繰り返すことしかできないのだろう。 ――――――――――――――――――――――――――――
中国政府は、一貫して(強制収容所)の存在を否定している。彼らは「再教育センターにおいて、過激なテロ思想に染まったウイグル人を正しい道に導くために教育している・・・」と言ってきた。
2016年に、ようやく(強制収容所)の存在が明るみに出されるまでは、その実態は、ほとんど(闇)の中にあった。ようやく、この(地獄)の実態を明らかにした証人が、次々と現れる・・・
ウメル・ベカリ(48歳)の証言(131ページ) 「2017年3月、実家にやってきた5人の警官に、1枚の書類も無く連行された。最初に、彼にかけられた容疑は、「テロリストであることを隠している。テロ活動とテロを扇動することを企てた」ことだった。」
「彼は、手錠をかけられ、頭に黒い頭巾を被せられ「カラマイ市技術研修センタ-」という名の収容所に送られた。送られた先では、まず病院で、頭に頭巾を被せられたまま、身体検査と採血が行われたという。彼が送られた「カラマイ市技術研修センタ-」には、その当時(2017年3月頃)、約1,000人近くが収容されていて、その8割が、ウイグル人で、2割がカザフスタン人だったという。」
「この証人のウメル・ベカリ氏が、頭巾を取られたのは、彼の手と足に鉄の枷(かせ)が、付けられてからで、他の人も同じように、手と足に鉄の枷がつけられていた・・・」
彼は、地下室で尋問を受けたのち、留置所に入れられた。
「その後(再教育施設)に移され、朝から晩まで「共産党が一番、共産党が無ければ、新中国も無い」「社会主義は良い」という歌やスローガンを中国語で暗唱し、毎回の食事の前に、習近平への感謝の言葉「習主席に感謝し、党に感謝し、国に感謝し、習主席の健康と長寿を祈る」と唱えさせられた。」
「毎日の生活は、思想改造的な共産党への感謝以外に、2時間ほどの軍事訓練が、日課だった。毎朝の国旗掲揚に参加し、行進、気をつけの号令、伏せ・・・などの訓練が行われた。少しでも、命令に不服従の態度を示せば、棍棒をもって待機していた武装警官に殴打された。」
「小さな部屋に20数名の年齢層が異なる男性がいて、教師、弁護士、政府職員、医師など正規の職業を持つ人が多く、中には一家で収容された人もいた。20数名の男性が、狭い一室で、食事もトイレもすませた。毎日行われた(洗脳教育)に対するテストが必ずあり、不合格の人は食事を与えられず、夜眠る時に手足を縛られた状態でヘッドホンより大音量の音楽を流され、眠ることが許されないなどの罰が与えられた・・・」
「私が入れられた収容所の一部が女性の刑務所らしく、夜遅くに女性たちの悲鳴がいつも聞こえていた。女性たちが、はっきりと「私を殺して、そのほうがまし」と泣き叫ぶ声も聞いた。彼女らの声がもっともつらい経験で、耐え難かった。レイプか拷問されているのではと推測した。(自分たちは)手も足も動かせない状況だったが・・・」 ―――――――――――――――――――――――――――― これは、共産主義=全体主義の蛮行に、見て見ぬふりを決め込む日本のリベラルの人々にこそ、読んでほしい本だ。
(注)「ウルグアイ ジェノサイド」(ムカイダイス著・ハート出版 2021/3月発行) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.09.06 03:54:29
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