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2024.09.28
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カテゴリ:差別問題

「差別」の頂点に立つのは「天皇」。差別をなくすためには(天皇制)の廃止を。そして 社会の各種不平等を無くす(人権)の取り組みを!  2024-9-28  はんぺん

 この福本まり子は、看護士で、入院中の患者から、結婚を申し込まれた。帰宅して、相談した両親から、自分が被差別部落民であることを初めて知らされて、驚く18歳。

前年のS36年3月に、大阪、貝塚市の准看護学院を卒業し、准看護師として、そこの病院で勤務を始めるが、人間関係などの悩みが多かったという。その後、奈良県の病院に転院したが、前の病院時代の患者の一人から、求婚されていた。

 

父親は、奈良県五條市の共産党の市会議員。父親の勧めで、気分転換を図るためにも・・・という事で、地元の民青(民主青年同盟)に加盟して、(活動)を始める。 

福本まり子は、 もう一人の幼馴染との淡い付き合いもあったというが、彼も、次第に距離を置き始める。そして、実の母親が駆け落ちして行方不明。父親の再婚・・・・うつ病を患い、精神的に追い詰められて・・・

​​​ 「 部落という言葉はたくさんです。だれも心から部落の人間の気持ちがわかるものか。『可哀そうに!!』 同情と言葉でしか現わせないんだろう。解放運動をしようとしかいえないんだろう。誰にこの気持ちがわかるものか (​福本まり子の​日記から)​​​

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僕の学生時代、大学では、文科系、体育会系など、多くのサークル(クラブ、同好会など)があった。学生運動の盛んな大阪市大では、当時は、かなりのサークルは、それぞれ学生運動の各セクトが、主導して、囲い込みで、新入生などを勧誘して、(社会科学関係などの)学習をさせて、運動への関りを深めさせていく(流れ)が、あった。

 部落問題研究会、社会科学研究会、文学論研究会、市大平和委員会などは、僕が関係していた民学同(民主主義学生同盟=DSL)が、 セツルメント政治法律研究会などは、日共=民青が・・・といった具合・・・

部落問題研究会は、全国的には、日本共産党が主導権を握っていて、日共系で無い(反日共系)は、全国的には、各大学、各県などは、(部落解放研究会)を名乗っていた。

ただ、大阪市大では、戦後、大阪市大:部落問題研究会の中心だった活動家(日共党員)が、日共系の(全国)部落問題研究会の「方針」とは異なる考え方を 同和対策審議会答申1965811日に出された政府審議会の答申は、部落差別の解消は「国民的な課題」であり、「国の責務である」と明記)の頃から採用して、独自の運動を大阪の部落解放同盟と一緒に、研究・実践活動に取り組んできた。

そして、部落解放同盟のリーダーを多く輩出してきた。それで、歴史ある(部落問題研究会)の名前を堂々とその後も、名乗ってきた経過があった。(少し前に、呼称変更をしたとかいう情報も)

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自殺した福本まり子さんの父親は、皮肉なことに(差別は、無くなってきた・・・)と主張して(国民融合論)を唱えてきた日本共産党の市会議員だった・・・・

部落差別は、単なる封建遺制ではなく、差別構造自体を 他の様々な差別同様に近代社会の統治者が、支配確立のために必要としてきた・・・という現実に向き合うべきだった・・・そこから(あらゆる差別)との闘いの共同作業が、提起されていく・・・

 

皆さんは、どう思われるか?   はんぺん

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"悲涛 : 差別に死の抗議した愛と悲しみの記録 福本まり子遺著"

福本まり子著  集英社  出版年月 1966

福本まり子という若い女性の遺稿集で「悲濤」

悩み苦しんだ末に自ら命を絶った福本まり子という若い看護婦の日記や手紙などをまとめた本・・・・ なぜ彼女は自ら命を絶つにいたったか。

  彼女は関西地方(奈良県だったか?)の被差別に生まれ育った「民」でした。彼女はそんな意識は全くなく、普通の明るい女の子として看護婦の道に進み、恋もして、結婚の約束をするところまで進んだのですが、突然破談になってしまいます。理由は彼女が「出身者」だからという理不尽なものでした。

 悲嘆にくれた彼女は、結果的に自殺をしたのです。(京都の山中で白骨死体となって、発見された)

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アマゾンのカスタマーレビューから

柳生聡・・・切ない慟哭なくして読み切ることのできない遺稿

著者福本まり子さんは、1963年暮に亡くなったと思われます。19歳でした。

このように切なくも慟哭(どうこく)なくして読み切ることのできない遺稿を拝見したことは、かつてありません。

 著者は奈良県の小都市で生まれ中学卒業後、准看護学校を経て准看護師となり懸命に生きました。しかし使命と挫折の狭間で身もだえ、真摯に生きようと葛藤したものの、自ら死に憑りつかれて逝った様子がよく伝わってきます。

死に至る心の葛藤を記録したまり子さんの日記や書簡、遺書などをお父様の協力で編集し世に問うた作品です。

  記録は昭和19年生まれの彼女15(昭和34)、中学を終わるころから書き起こされています。16歳、17歳、18歳、そして19歳のクリスマス直後に勤務先の病院の寮から失踪し、おそらくはその日のうちに服毒死したであろうその直前までの、彼女の血を吐くような心の叫びが綴られているのです。

 

まり子さんが勤務先病院の寮に遺書を残して失踪したのは、昭和38年の12271年以上行方不明のままでしたが、同じ奈良県内、生まれ故郷にある名刹の裏山で白骨化した遺体が発見されたのは、昭和401のことでした。

  まり子さんのお父さんは熱心に社会主義運動に取り組む共産党市議。家庭を顧みる時間もないほど社会のために奔走していたようです。そういう父の背中を見て育ったまり子さんも、「共産党の子」という冷たい視線の中で、孤独に耐えながらも父親を誇りに思っていたようすが作品中の書簡からうかがわれます。

  転機となったのは、18歳の4月のこと。勤務先に入院していた元患者と恋に落ち求婚されたことで、まり子さん自身が被差別部落出身者であることを初めて父親に明かされます。

その衝撃たるや、想像を超えるものだったろう。青ざめ、全人格をひっくり返され、踏みにじられるほどの苦しみもがき…。

  案の定、求婚した男性は、自分はともかく姉妹が離縁されるだの結婚できなくなるだのと言い訳して手の平を返すように別れを告げました。

 

まり子さんには東京へ就職した幼馴染の彼がいました。日記には二人の男性との間で恋に揺れ動く乙女心がいじらしいほど綴られています。

懸命に働くことで、差別ゆえの失恋から立ち直りを図ったのでしょうが、党関係者の病院に勤めていたこともあり、共産党の青年活動に心のよりどころを求めて没頭していきます。

  東京の彼もそんなまり子さんと距離を置き始める。また同時期にまり子さんの実の母親が妻子ある男と駆け落ちして行方不明になります。

父も再婚し、まり子さんは苦悩を抱え込んだまま相談する相手もなく、それでも家族、社会の支えになろうと懸命に生きようとする。

  ご本人も書いているが、例年秋から冬にかかるころ、まり子さんはうつ病的な精神状態に支配される。自分の前向き、ひたむきにやってきたことがつまずき始めたと感じると、自分の責任だと、自身を追い込むほうへ思考の堂々巡りを始め、負のスパイラルから抜けられなくなっていったようです。

  「精神病院に入るくらいなら死を選びたい」。逃げ場を失った人間の最後の心の慟哭(どうこく)でしょう。

死の直前まで家族や周囲の友人・同僚を思い、細やかな心遣いを見せている彼女のいったいどこに、死神が憑りついたことを見抜ける知己がいたでしょうか。

  「 部落という言葉はたくさんです。だれも心から部落の人間の気持ちがわかるものか。『可哀そうに!!』 同情と言葉でしか現わせないんだろう。解放運動をしようとしかいえないんだろう。誰にこの気持ちがわかるものか (日記から)

 

私事ですが、私も17歳の息子を精神的ないじめで失くしました。まり子さんのように社会に貢献することもないままではあったが、追い込まれ誰にも打ち明けられぬままに、その苦しさから命を絶った我が子の心情をまり子さんの苦悩に重ねてみる。

  同和問題で恋人と別れ、あるいは婚約破棄をされた知己の苦悩にもずいぶん触れてきた。みな血を吐く思いであったろう。

現代の若者たちに「命を粗末にしない」という教育をする以前の、もっと大切なことがあります。

  「他人に痛み、苦しみを与えない」人格へと若者たちを導くことが教育だと感じます。そしてそのことが、差別やいじめで追い詰められて自ら命を絶った人々の苦しみを慰める私たちの使命であるとあらためてかみしめました。

  出版が古く手に入りにくく古書となっていますが、同和問題そして精神的ないじめ問題についても、何の解説書にもまして、核心を突いた著作でありましょう。ここに資料を提供され「遺著」として出版することに協力されたご遺族に敬意を表し、まり子さんのご冥福を祈りたいと思います。()​​​​






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最終更新日  2024.10.01 09:50:45
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