テーマ:福祉医療関係(1061)
カテゴリ:ヘルパー日記
重篤なBさん。女性の方。完治する見込みはないとのこと。 気管切開されているので話すことができない。筋力がどんどん衰えていくので、顔の表情もほとんどない。唯一の意思表示は目の動きだけ。 胃にはチューブ、気管、尿のカテーテル。ご自分では見動き一つできない。 私の仕事は、全身清拭、着替え、気管(これは本当は医療行為)と痰吸引、おむつ交換、口腔ケア、ご家族の食事作り、掃除に洗濯を取り込んでたたんでなおす。他にもモロモロ。。。 この全身清拭と衣類の着脱が大変だった。体重があるので重いのです。 それにカテーテルがつながってあるので、体位交換のときにカテーテルが潰れたり、はずれないように細心の注意をはらわないといけない。 エアコンは入ってあるけど汗だくになる。 そしておむつ交換も腰を上げてもらえないので、全体重を持ち上げないといけない。 重いのだ。このときも尿のカテーテルが抜けないか注意しないといけない。 気管吸引も傷をつけたら大変なので、正直恐い。 これは医療行為だから本当はヘルパーがしてはいけない。 でもね、家族さんは夜昼関係なしの介護をされていて、ヘルパーが入るときが唯一外出できる時間なのよね。 そしてその間、気管吸引をしないわけにはいかないのです。 痰吸引はやっとヘルパーができるように認められたけど、気管吸引はまだ認められていない。でも現実問題、理屈での線引きは難しいよね。 爪切りもヘルパーはできないけれど、頼まれたら「これはヘルパーはできないのです」なんてこと言えない。 コミュニケーションがとれない人の介護は気を使う。 痛くはないのか、きつくはないのか、ご自分で意思表示ができないから判断がつきにくい。 でもこのBさん、頭はしっかりとされている。ただ意思表示ができないだけ。よけいに辛いだろうな。 なので、清拭も恥ずかしいだろうと思うのでタオルで隠しながら、返事はないけど、常に声かけを心がけていた。 「今日は天気が良いですよ」 「ここの乾燥、少し良くなってきましたね」 「お湯は熱くはないですか?」 「次は右足を拭きますね」 などと。。。
残念ながらBさんは、亡くなられた。 家族の方の献身的な介護には頭が下がる思いだった。そして私は果たしてBさんが満足できる介護ができたかのか・・・。 でもそのときにできることは精一杯させてもらったつもりだけど、どうなのかな~。 これからターミナルケアがどんどん増えてくるよね。もっと勉強しないといけないですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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