テーマ:福祉医療関係(1061)
カテゴリ:ヘルパー日記
ディサービスの送りだしに訪問すると、なんだか不穏な空気。 前にも登場のDさん 「 ばあさんと揉めてな~。」 と座るやいなやの告白。 なのでいつもは奥さんも交えてお話をするが、早めに外に出る。 外のベンチでいきさつを聞くと、たわいのないことで怒ったと反省しきり。 「 言わんでもええことで怒ってまうんや。 申し訳ないことした。」 あとは長生きするもんじゃないとか、自分で死のうと思うこともあると言いだす。 私の歳で、人生の先輩に下手な慰めなんかは言えない。 「 そんな死にたいなんて言ったらダメですよ。」 なんて軽々しく言えない。 でも吐きだしてもらうことで、少しは気が晴れてもらえたら。。。なのだ。 ただ伝えたのは 「 こうしてお話ができるのも何かも縁だと思っています。 縁が合ってこうして隣に座ってお話ができていると思います。 この縁を大事にしたいです。」 だから死にたいなんて言わないでくださいの気持ちもこめて。 本心でそう思うのだ。
このお宅はご家族と同居だけど、お孫さん達とは話もしていないようだ。 家族がいても、まるで老夫婦だけで生活をしているみたいだ。 お孫さんは私とすれ違っても無視だ。 それっておじいさんに関わる人間は自分には関係ないと拒否されている気もする。 この老夫婦の家族の中での存在が伺いしれて、なんだかやるせなくなる。 奥さんも80を越えているが、全部ご自分で切り盛りされている。 食事も家族とは別かもしれない。 Dさんの空間は自室が全て。 訪問当初は奥さんは私には距離感を持って接していた。 挨拶をすると早々に部屋から出てしまう。 今は私の横に座って話に加わる。 ディの送りの後は愚痴も話すようになって来た。 良いことだ。 歳がいくと人間関係が極端に狭くなる。 ちょっとした愚痴の吐き出し場所なんてなくなってくる。 家族とも会話がないようだし、わたしでよければいくらでも聞く。 ただ、奥さんが話しだすと、Dさんが黙ってしまうのが気になる。 なのでDさんに話をふり、常に3人で話をするように気を配るのだが、これが案外大変だ。 Dさんがディサービスの送迎車が来たときに言った一言 「 今日も頑張ってくるわ。」 だった。 そうなのだ。 本当は行きたくないのだ。 奥さんが行って欲しいのが判っているから仕方なく行っているのだ。 本人は公園に行ったり自由気ままにしていたいのだ。 奥さんには、「 Dさん、言わなくてもいいことを言ったと反省していましたよ。」 と言うと、「 ほんまにそう思っているんやろか~。」 と言いながらも笑っていた。 戦争を経験して、子育てに頑張ってきて、歳がいったら安泰なんて人生は、ごく少数の人間しかしていないだろう。 ほとんどの人は、思い通りにならない体と格闘し、人との付き合いも減っていき、なんのために生きているのだろうと思いながら日々を過ごしているのかもしれない。 わたしはそんな人たちの日常に、ちょっとした風を送れたらと思っているのだ。
そしてわが身を振り返って思うこと。。。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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