マグロの一本釣りを観て
夜、青森の大間でマグロの一本釣りに命をかける漁師たちをテーマにしたTV番組がやっていた。日本近海・それも大間で獲れるマグロというのは、大変価値があり、セリで1本500万円を付けるほどであることから、地元のマグロ漁師たちはまさに命を賭けて、マグロの1本釣りに挑んでいる。マグロ漁はその難しさゆえに、まさに超ハイリスク・ハイリターンのギャンブルといわれるが、とにかく想像を絶するような修羅場を彼らは生きている。その中で1ヶ月に23本ものマグロを獲った実績の持ち主の名人は、マイホーム資金に貯めていた3,500万円を最新鋭のソナーや機器等を備えた船の購入に充て、マグロ漁に挑むことで、それなりの成果をあげている反面、ここ数年、マグロが獲れず、家賃3,500円もの町営住宅で苦しい生活を余儀なくされている漁師等、その光と影の厳しい現実は、自分自身、身をつまされる思いで観てました。結局、近海マグロが少ない現在、マグロの1本釣りは魚群ソナー等のハイテク機器の装備の有無で勝負が決まってしまうのが歴然としており、やりきれない思いでした。もちろん、マグロ以外の魚をとっていれば生活は楽になるのならそうしているでしょうが、漁師として、男としてのプライドやロマンもあるでしょうが、おそらく、一画千金を狙えるマグロでないと生活は楽ではないという現実がそうさせているのだと思いました。我々が日頃、口にするこれらの食材も彼らのこういった苦労があって成り立っているという感謝の気持ちだけは忘れないようにしなければって感じました。