♪ 寒の月まだ明るさの残る身の内に流れるものの音聞く
恒例の文人画家のアトリエでの一品持ち寄りの宴。年に一度だったものが、今年はなんと3回目。7月と10月に12名の参加があり、3月には豪州からの客を連れて悦子女史が訪問したのに同席したので、私と他数人はこれで4回目となる。
歳を重ねていくごとに人恋しさが増すものなのか、嬉々としてはせ参じたるもの7名の、極月半ばの無制限一本勝負の始まりだ。
時間とともに記憶の隅へと雲散霧消するに決まっているので、乾杯の前に証拠の写真を撮っておく。腕自慢の料理をこさえ、おでん迄仕込んで持ち込んでくれる美女史二人のお蔭で、ただ喰って呑むだけの我ら男たちは優雅な気分に浸っていられる。僥倖である。
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老境に流れる水は色を帯び酒になお増しとめどを知らず |
老木の薄墨さくらなお美し。
境界(きょうがい)の
にごりの中を
流れゆく。
れんり(連理)のうちに華ありて
るてん(流転)の中に夢を見る
水の行方は
はるか(遥)にて
色も香もある
を(男)め(女)なれば
帯同浮世の風なかを
びぜん(靡然)に添いてゆくばかり
洒落て諧謔
にこにこと
なんに憂いのあるものか。
お前百まで生きるとぞ
増して意欲の
しみじみと
といた(説)言葉の
めぐりゆく。
どこに命の果てあるを
をめおめ
知らず生き恥の
らんる(襤褸)なるまで、いやさ、
ずず、ずいーと。
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どんな経緯で人生の基幹となる仕事に就いたのかを、改めて披歴する会となり、各々がその生い立ちと共に回顧をもってその生き越しの経歴がじっくりと語られた。いつになく、とても落ち着いた雰囲気のうちに有意義な時間を共有できた。
持参したワインを結局、一人で空けてしまったわりには深酔いもせず、終始心地の良い状態で過ごせたのは幸甚の極みであり、今年最後の宴に感謝。
ここで、御大加藤不譲氏より、重大な発表があった。大阪万博の会場で1000mの絵を描く構想があり、その準備を進めているというのです。山水画を揮毫実演するもので、関係者や来場者1万人に一筆入れてもらいその線を生かした山水画を、会期中の半年間で仕上げるというもの。
100mは既にナゴヤドームで描き上げた実績があり、1000mは世界的にも空前絶後の大事業になります。7年後は85歳になるものの、その意欲はナゴヤドーム当時(16年前)に勝るとも劣らない。
諸々の伝手を頼りに、実現に向けて活動を開始したところです。皆様のご協力を是非、お願いしたところであります。
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