♪ パソコンに「いかり」と打てば錨の文字そう、いつまでも離れずにいる
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先日、カミさんと喧嘩になり話をする気が失せて全く口を利きたくない。何を言われても反応するのが癪で意地になって無視している。脳内にストレスホルモン「コルチゾール」が溜まってしまい、どうにもそこから抜け出せない。脳のモードが完全に切り替わって不機嫌のスパイラルに陥ったようで、容易に気分を変えられない日が続いていた。
一週間ほど続いている間に徐々にストレスホルモンも自然減して元の状態に戻っていく。一体何に腹を立てていたのかさえ忘れている有様で、困ったもんだと思うが、心ではコントロールできないのだから始末が悪い。
怒りん坊 オスロのヴィーゲラン公園 怒りは、脳内の「大脳辺縁系」で生まれ、サルやイヌ、トカゲなどの下等動物にもある原始的な本能だとか。動物が生きていく上で無くてはならないものらしい。怒りが発生するとアドレナリンやノルアドレナリンが大量に分泌されて、ブドウ糖や酸素を全身に送ろうと脈拍を速くし、血流を増やして火事場の馬鹿力的能力を発揮する様になっている。
それを抑える働きをするのが「前頭葉」で、人間やサルのような高等動物はそれが発達しているらしい。怒りをコントロールするほか、「理性的な判断」や「理論的な思考」の役割を担っている。
人の脳内では動物の本能として備わっている「怒り」が大脳辺縁系で生じ、それを「知性」や「理性」を司る前頭葉で「抑制」するという仕組みになっているわけだ。
ところが、瞬間的に発生する怒りに対して、前頭葉が働くまでには少し時間がかかる。実験から、怒りが生まれてから前頭葉が活発に働き始めるまで、「4~6秒」のタイムラグがあるらしい。
怒りをコントロールするために「カッとなったら6秒待ちましょう」という。これにはそういう根拠があるわけだ。
「怒っている人は傷ついている人」なのだと、脳科学者の黒川伊保子は言う。自分を傷つけた相手に譲歩的な態度を示した場合、対人葛藤につながるコルチゾールが低下したことが確認されている。人を許すことは、脳にとっても重要みたいです。ただ、その際はちゃんと怒りを解き放ったほうが良さそうだ。また、恨みや怒りといった感情を抱いたまま過ごしていると攻撃的になり、まったく関係のない人たちにも害を及ぼすことが分かっている。最近、そういう人が様々な場で問題を起こしている。
「Rage Room」
怒りを抱えたままいる事からくる弊害を解消する、す究極のストレス解消法がある。金属バッドで室内のものを破壊しまくれるサービス「Rage Room(レイジルーム)」というのがカナダのトロントにあるらしい。
この「怒りの部屋」は、ワンルームマンションほどの広さで、最低19.99カナダドル(約1600円)払えば、この部屋に籠って45分間、好きなだけ金属バットやバールを振り回してモノを叩き壊すことが出来る。ため込んだ怒りを発散できるるわけだ。
今、最低でも毎月200人がやって来るという人気で、週末は予約で埋まる。アメリカから車を飛ばして来る人もいて、上海やワシントンにも系列店が出来るほど。
店には廃棄プリンターやパソコン、モニターが用意され、40ドルで購入してそれをぶっ壊すことも出来る。オーナーは、「何か面白い事をしたかっただけなのに、ここまで流行るとは思わなかった」といい、4年前に面白半分で始めたものがちゃんとビジネスになっていることに驚いているとか。
利用することができるのは「18歳以上」で「つま先がカバーされていない靴はダメ」ということになっていて、全身が保護されたスーツを着用し胴体を保護するプロテクターを装着、顔全体を覆うゴーグル着用という完全防備で部屋に入る。
叩いた時に手を痛めないために、古着の塊が用意されている。頑強なものを壊す場合はその上に乗せて、全身を使いまくって、様々な理由で生まれた怒りを叩き壊して鬱憤を晴らしていく。さぞかし気分のいいことだろう。
他にもアルゼンチンやイタリア、オーストラリアなどなど、怒りの部屋は世界中に広がっている様子。
しかし、専門家は「この行為は、実は人によっては怒りや攻撃性をより増加させてしまう場合があります。問題の解決にはならないのです」と警告しているとか。
破壊することでストレスを発散させるのはあまり勧められないと言うが、溜め込んで怨念となるぐらいなら発散してしまった方がいいに決まっている。
日本では、「破壊セラピー」としてDVの加害者に接する機会があって思いついき「怒りを人に向ける代わりにモノを壊して発散してはどうか」と考えて始めたのがきっかけで出来た「八つ当たりどころ」がある。2008年に東京都多摩市にオープンしていて、出張イベントをしていて人気だとか。
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