♪ 哲学の道などなくて詩歌的風情も遠い玉ねぎロード
歌会始のための歌を詠もうとしても、寝不足で頭が働かない。夜中に、アランが2階の窓から入ろうと網戸にしがみついて「開けて~!」と鳴いて、起こされちまったせいだ。雨が降ってきて慌てて戻って来たらしい。下の猫窓から入ってくればいいものを、近道とばかりに、車から屋根に上がって寝室の窓のところにやってくるのだ。アランは困ったもんだ。
気分転換に海に沈む夕日の見えるところへ行って歌のアイデアでも考えようと、ウォーキングを兼ねて出かけることに。カミさんはいない日なので鍵を閉めて出るが、その肝心の鍵がない。無ければ出られない。落とすはずはないので、どこかに置き忘れたか? ズボンを探ったり引き出しを調べたり、あちこち探してもみつからない。
使ったとしたら何時か? そうだっ! 先週の木曜日に息子の家に板を取りに行った日、カミさんが卓球の練習に行くので鍵を持って行った。という事は、卓球のカバンの中だ。やっぱりっ! 有った。ずいぶん時間を無駄にした。
そう遠くはなく歩いて30分ぐらいだから、まだ日が沈むには間がある。途中のコンビニで缶ビールなんか買ったりして・・。
グーグルマップで距離測定 2.9㎞と出た。
半分ほど行くと、周りは早生の玉ねぎ畑ばかりになる。
着いたのが17:27。横須賀港だから岸壁があり、正面が真西になる。天気さえ良ければ夕日がよく見える。
船を係留する「ボラート(というらしい)」に腰かけてっと。さっそく缶ビールに手が伸びる。
雲が多くすっきちしない空だが、水平線近くには幸い雲がない。
日本有数の海運を誇る伊勢湾だけあって、貨物船が通ってゆく。もう間もなく雲の下から夕陽が顔を出すはずだ。
ビールもなくなったことだし、場所を移動してみる。何やらうずたかく積まれているものが何なのかが知りたくなっている。
地図にあるように「愛知太平洋建販 東海営業所」があって、砂利などの運搬をしているらしい。砂利や砕石など色々積み上げられている。もう仕事は終わっているのか、辺りに人影はない。
コマセ釣りをしているらしき人が数人いたが、日が傾いたので一人だけになった。カタクチイワシあたりが釣れるのだろう。ちょっと風が強いので条件は悪そうだが・・。
そろそろ夕日が見えるころだろう。
来た来た、ここまで来ないと見られない夕陽だ。
知多市は海に面しているのに、臨海部を埋め立ててしまったので、工業地帯へ入らないと海は全く見えなくなってしまった。
ああぁ、あっという間に沈んじまった。時速約1700㎞で回転しているんだから、そりゃあ早いわ。短歌なんか詠んでる場合じゃない。
そうか、ここに来た目的をすっかり忘れてた。場所なんか移動してるもんだから、思考回路が別の方に繋がってしまってる。アルコールがそそのかしの手助けをしている。
日が落ちてしまってはもう用はない。6時40分にお釜のスイッチを入れなきゃならないことを思いだした。帰らな。
で、短歌はどうなったかって?
過去の思い出を詠んでみようとひらめいた。2首ばかりアウトラインをメモることが出来た。それだけでも来たかいがあるというもの。気分転換には場所を変えるのが一番。哲学者じゃなくても、歩いて血の巡りをよくすることは悪いことじゃない。
上を通っている産業道路をくぐり、およそ3キロの道を戻る。行に立ち寄ったローソンにゴミを捨てにいく。
行にマナカカードに5000円チャージしてある。急にワインが飲みたくなり、チリの赤ワインを衝動買い。
チリワインは、安くてそこそこ美味しいので気楽に買ってしまう。買えば2日でなくなる。
確か、休肝日にしようと思っていたはずなのにこのざまだ。15日に住民健診があるが、今年は随分飲んだからなぁ、どんな結果がでるのだろう。
歳をとるにつれて酒量が増えていくなんて、詰まった水路に水を流すようなもの。どんな結果が出ても驚きはしない。
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* ウクライナ応援の思いを込めて、背景を国旗の色にしています。