♪ 急速に変化してゆく空蝉の今ぞ限りとクマゼミの鳴く
中日新聞販売会社からの営業が、1年間だけ取ってくれと言ってきた。今までは、朝日新聞を取っているというだけで勝ち目はない思い、そそくさと帰っていったものだが、最近は様子が違うらしい。
朝日は5月から値上げとなり、据え置きを宣言した読売に歩を合わせている中日も値上げを控えている。そのため600円の差が出ている。
今まで頑なに朝日を取り続けていた人も、背に腹は代えられずに鞍替えする人が出てきているという。それで、5月以降、全エリアを対象に絨毯営業をしているらしい。数人がチームとなってエリアごとに分かれ、営業活動をしているらしいのだ。一人5件のノルマがあって、あと2つだとかなんとか・・。
最近の中日新聞は以前とは変わって来ていて、朝日新聞に近い「左寄り」のものになっているという。“ええ!まさか” の新情報。朝日購読の男性読者用のPRコメントか?
「読んでみないと分からないので、サンプル紙を読ませてくれると有難いんだけど」そこまではしていないという。朝日も昔と比べてずいぶん質が落ちている。天声人語の内容もしかり。Web版にシフトしているためか、中身がどんどん薄っぺらくなっていく。見開き全面広告も時々あってガッカリする。
文字を大きくして中身が少なくなってもいるが、中日は以前から、大きくなった朝日のものと同じ大きさだという。紙面は5ページ多いらしい。
“たまに「声」欄に投稿したりもする” と言うと、採用される確率は全国紙とは違うのでより高くなるという。“そりゃそうだけど、謝礼の金額が確か1000円違うからねぇ”。
玄関先でずいぶん長いこと粘っている。こっちも “獲物を待っている蜘蛛のごとく”、話し相手が出来たのに乗じて、ついつい長話になる。3、40分にはなるだろう。
1年契約で最初の2カ月は無料にするので、計14カ月になるという。朝日は、5月の値上げから「朝日新聞離れ」への対応で、引き戻すために2カ月分の謝礼を出すという強硬な手段を取っているという。それで、1年ごとに契約の破棄と新規契約を繰り返している人がいるらしい。
そんなえげつないことは私には出来ないが、この際、目先を変え「認知バイアス」の検証としても替えてみるのもいいのかも。
40年ほど前になるか、試しに中日新聞を購読しことがある。その頃はとても記事内容が浅くて軽く読む気がしなかった。地元の販売店と喧嘩したこともあって、それ以来、もう中日は絶対に取らないと決めていた。そりゃあ40年も経てば、世の中も変われば新聞だって変わって当然だ。
惰性や単なる習慣として繰り返していることは多い。ここらで古井戸から出て、外界を眺めるのも悪くない。今年は私にとって、新しい何かが起こる年なのかもしれない。
長年の習慣にくさびを打つ気分で、契約することにした。
朝日の販売店に電話すると、理由も聞かれず引き留められることもなく、すんなりと受理された。たぶん、「新聞販売会社」の方から何か言ってくるのだろう。そういえば、彼の営業マンが、「早ければ2か月後ぐらいから、朝日が勧誘に動いてくるでしょう」と言っていたっけ。
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