〇 耳鼻咽喉科の続きのつづき(正中頚嚢胞又は甲状舌管嚢胞)
♪ 院内の案内板に映りおるしょせん弱者のホモサピエンス‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 総合病院を紹介されてCTを撮ったのが4月7日。担当の医師(中年男性)は、CT画像を見ながら説明をほとんどせず、白血球は増えていないので化膿したりはしていないようだと言うだけで、診断の内容を全く言わない。 「何が考えられますか?」と聞いても、「エコーを撮って、病理検査をしないと分からない。」と言うだけで病名らしきものを口にしない。 「何だこいつ、藪医者か」。断定は出来なくてもおおよその見当は付くはずなのに、それさえ言わないのは不親切だ。慎重な性格で、曖昧なことを言って余計な詮索をさせたくないのか?会計をしたら6,230円もかかった。 エコー検査の予約をして、その医師の診察は終わり。 今の総合病院は経営が大変で、人手不足でもあり何かと信頼性に欠ける印象があるので不信感ばかりが後を引いていた。 地元のクリニックと合わせて1万円以上かかって、病名すら分からないなんて・・・ そして昨日(4月10日)、そのエコー検査を受けに行って来た。予約が8時45分という早い時間だったが、結局エコー室に呼ばれたのが9時20分頃。担当の医師は女性で、ハキハキとして口調で感じが良い。前回の先生が「エコー検査には慣れている先生ですよ。」と言っていたのを思い出す。 じっくり観察し終わってから、病理検査のために液を注射器で採取され、二つ隣の診察室へ。 CT画像を見ながら、「先生は何と言ってました?」と聞くので、「全く何にも。見当ぐらいつくでしょうと言っても、なんにも。」 ちょっと間があって、画像を動かしながら詳しく説明をし始めた。 この白いのが舌下骨で、ここに袋状に水が溜まっていて、ここと繋がっているんです。これは「正中頚のう胞、甲状舌管のう胞」というものです。 「ガマ腫ですか?」と私。違います、と言いながらその出来るメカニズムを説明し始めた。赤ちゃんの時に無くなるのが普通で、まれに残ってしまうことがあって、そこに水が溜まって出来る云々・・。 分かった様で分からないが、悪質なものではないらしいことは分かった。まれにガン化することがあるので念のために病理検査をするのだという。 「手術で取ることもあるんですか?」 「出来ますが、首を切らなくてはならないし骨も少し削るので、大きくなったり時々炎症を起こしたりしなければ手術はしなくても良いでしょう。」 「しばらく様子をみてればいいという事ですね。」 至極明瞭な診察で、質問にもちゃんと答えてくれるし説明も丁寧で、前回の不信感と不安が消えていった。病名を紙に書いて渡してもくれた。マスクで顔が良く分からないが、若いのにしっかりした先生で、なかなかいい顔をしている。 「医師の名前がたくさんあって、常勤が2名で他は非常勤なんですね?」。「そう、名大から来てるんですよ。」「私も、こちらは非常勤で隣の常勤なんですよ。」 「隣の常勤」の意味が分からなかったがスルーしてしまった。 火曜日に受けたのが曽根三千彦先生。義母がめまいで受診した時の医者も態度がぞんざいで酷い扱いだったと、カミさんが言っていた。この先生だったかどうかは分からないが・・ この日は横井紗矢香先生。あの卓球の平野早矢香と一字違いの今風の名前で、自分といかにも世代が離れていることを改めて実感。 「検査の結果が分かるときにもう一度来て下さい。」で、一週間後の同じ時間を予約。この日は2,350円で済んだ。「正中頚嚢胞(あるいは胎生期の器官名から甲状舌管嚢胞)」 魚類では成熟すると鰓(エラ)と呼ばれている器官を形づくる鰓(サイ)性器官(鰓弓、咽頭嚢、鰓溝と呼ばれる場所)から発生すると考えられている。人間では、ほほ、あごからくびの大部分の構造はほとんどこの鰓弓と咽頭嚢からできてくると言われており、これらの発生(お母さんのお腹の中での成長)の過程で体の中に閉じ込められ、取り残された細胞が元になって袋(風船)状のできものができることがある。 これら首の先天性頚部腫瘤は症状などによりいくつかの病名で区別されていて、首の正中にできるものは正中頚嚢胞(あるいは胎生期の器官名から甲状舌管嚢胞)と呼ばれている。 この正中頚嚢胞は先天性頚部腫瘤の約70%を占める。舌のつけ根から鎖骨の上端中央部までのいろいろな場所にできると言われていて、アゴと首の境目付近で首の真中の辺りにできるものがもっとも多いとされている。多くは舌骨部に発生、甲状舌管は左寄りが一般的なので左側に多い。 外見上目立たない場合、何も症状がない場合は経過観察でも良いが、1~3%に癌が発生するので確定診断には摘出した腫瘤の組織診断(顕微鏡で細胞を調べる検査)を必要とする。(注射器の吸引などで採取した細胞の一部を用いて病理検査。) 曽根三千彦先生は、なんと「名古屋大学医学部耳鼻咽喉科学教室」の教授であることが判明。 横井紗矢香先生はそこの医員の一人で、「社会人大学院生」とあり、土井・東浦先生も同じ仲間のようだ。 それで納得。曽根先生が診断を下さず、医師の免許を持っていながら、大学院生として学んでいる?横井先生に判断を委ねたわけが・・。 しかし、だからといって患者を蔑ろにしてはイケナイ。先生はあくまでも患者の側に立った対応をすべきだ。とかく権威にしがみついて横柄な態度をとる傾向にある医局の長。その片鱗がチラリと見えてしまった感がある。 患者を利用しているという印象を与えるような、不遜な態度は慎んでもらいたいものだが・・・。