♪ 神がいて戦争があり人が死に環境破壊の地球が回る
先日のウォーキングの途中。最近できた喫茶店に寄ってっ一休みする気になった。そんなことはめったにないというか、初めてのこと。高齢の男性が一人でやっている様子を見ていたので、ちょっと興味があった。
この店の以前も喫茶店で、いつの間にか閉店してしまっていた。路地の一画で人通りも多くはないし、場所も良くない。新しい経営者は何を持ってしてこんな場所で喫茶店をやる気になったのだろうか。ちょっと休憩がてら覗いてみるのもいいかなと。
店名が「幸福のしっぽ」という何だか意味深な名前が付けられている。
店の前のポップも気の利いた感じで、若い女主人がやっているような印象を受けた。横の扉を開けて店内へ。
入って直ぐに本棚があり、たくさんの単行本が並んでいる。ご自由にどうぞとある。雑誌や漫画なら分かるが堅苦しそうな本で、店主の趣味か心酔している関連本かなにかか。
「お一人ですか? お好きなところへお座りください」妙に慇懃で堅苦しい物言いのマスター。「奥があるのか・・」別室の様になっている奥の部屋に席を取った。座った真ん前に液晶のモニターがあり、何やら放映している。その隣には喫茶店には不似合いな何だか妙なものが置かれている。一体ここは・・?
注文を取りに来たのでホットコーヒーを所望。その時の対応もやけに堅苦しくて、とてもサービス業的じゃない感じ。客商売などやったことのない素人という感じ。
珈琲が来るまでの間、正面にあるモニターが嫌でも目に入る。
それは、あの今年の3月2日に66歳で亡くなった、大川隆法の「幸福の科学」のもの。彼の教義だか教えだかを、声と文字で流しているものだった。右横にあるのが教団のシンボルか何か。この部屋は、いかにもそれらの信者が集るための部屋のようだ。妙なところに座ってしまった。
私から見ると普段思っているようなことが、さも偉そうに有難い教えででもあるように、勿体ぶってナレーションされている。信者とあらば、一旦信じてしまえば “痘痕(あばた)も靨(えくぼ)” で、何を聞いても有難いお話に聞こえるようになるのだろう。
珈琲が旨ければ我慢もできるが、注文してから豆を挽いて淹れてくれた割りには旨くない。コクがなくて味が薄い。淹れ方が分かっていない感じだ。モニターの内容といい、コーヒーの味といい、ゆっくり寛げるような心持にはなれない。
そそくさと店を出ることに。支払いをする間に本棚の本をよく見ると、大川隆法の本ばかりだった。教団の関係者、それもそこそこのポストにいる人が仲間との交流の場として設けたものだろうか。維持管理のための収入源として、喫茶店を開いているという風にも見えた。
客は、おばさんが一人いて、お連れを待っているらしかった。間もなくやって来たおばさんとの会話は、どこにでもある日常の不平不満を吐き出しているような感じ。教団関係者でもなさそうで、近所の駄弁り場としての役目は果たしているのだろう。
☆
どうでもいいけど、死んでしまってはどうにもならない。幸福の科学については、以前にも未認可の学校について2015年3月7日に書いている。
教団は教祖の死後、内部では「肉体的には亡くなった」として「復活の祈り」が
行われていたらしい。死亡届が出されたのは1カ月以上後の4月8日だったとか。
大川氏が霊を降ろして語る「霊言」が有名で、一般向け書籍としての新作発表が1991年を最後に止まり、再び幸福実現党結成に合わせるように多数が出されている。
2009年以降に発刊された霊言書籍は昨年までで611冊に及ぶという。呼び出された819人の霊のうち3割を超える259人が存命人物の「守護霊」らしい。次いで、宇宙人の霊で79人。神・霊・悪魔・鬼・天使が計76人。
政治家:211人(25.8%) 宇宙人:75人(9.2%) 宗教家:65人(7.9%) 芸能人:63人(7.7%) 神:61人(7.4%)
圧倒的に政治家の霊が多く、教団の政治活動と連動していることがわかるという。
霊言は、教団に批判的な人物や敵対する人物への非難にも用いられた。
その矛先になったのが、2012年に離婚が成立した、きょう子氏、離婚騒動に際して暴露記事を掲載した『週刊文春』『週刊新潮』の編集長や発行元社長、『週刊新潮』誌上で幸福の科学学園の教育実態についてリポートした筆者(藤倉善郎)、離反した元職員、幸福の科学大学を不認可とした当時の下村博文・文部科学相や大学設置・学校法人審議会メンバー、教団から離脱しYouTubeで教団批判を繰り返す、大川氏の長男・宏洋氏など。(東洋経済OALINE)
最近は信者の数も減っていたらしいし、教祖の後を誰が継ぐのかも問題だろう。オウム真理教の後も名前を変えて存続しているのをみると、教祖が死んでも信者はそう簡単に離散したりはしないらしい。
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