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歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2024.10.14
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カテゴリ:残念なこと

♪ 肚の底に 蟻が蠢く真夜中を 窓にかがやく月を見ている


忍野富士

気温9度くらいで、朝もやが麓を覆っている。

 最近のアランはカミさんのベッドで寝るのがお決まりのようになっている。それが夕べは、私の就寝時から朝までずっと(途中いなくなったが再びやって来た)一緒に寝ていた。
 カミさんが言うには、「こんばんはね、爺の方で寝てやってね」と言ったのを聞いてそうしているんだと。



 昨日は、外出時以外は私のそばに寄って来て甘えていたことを考えると、ちょっと違うと。しかし、“自分の言っていることがちゃんと通じるんだ” と思い込んでいるカミさんは、耳を貸そうとしない。まあいいけど・・。

 最近の若い人が建てた家はどの家も申し合わせたように庭がない。車に生活を占拠されていてもっとも重要な位置にあり、その他のものは駆逐されてしまっているという感じがする。

 アランは、「昔はこんな風じゃなかったのになあ」と、アスファルトの道路に出るたびに嘆いているように見える。

建築中の家2軒

庭の側溝との境目。
決まったようにレンガが敷き詰められている。ハウスメーカーが違っても、開発業者の意向に沿って統一されているようだ。



玄関前

隣の家も同じような設えになるのだろう。

 都会はアスファルト・ジャングルとか言われるが、この小さなエリアもそんな感じがしてしょうがない。


 この土の部分すべてに家が建ち、微生物の宝庫である「土」という有機的なものが「皆無」になってしまった。
 
 “本当の豊かとは何か” を考える余裕もその暇もなく、あくせくとして日々が過ぎていく。機械文明は機械が主人であるかのようにその位置を占め、人間は機械に奉仕しているように見える。

 便利を享受するためには金が必要で、その金を稼ぐために、便利で得たはずの時間を費やしている。ご時世と言ってしまえばそれまでだが、生活の基盤に等価交換するものも無くその余地もない。
 便利で快適であることが最大の価値基準であって、或るもののために我慢をするという発想の余地も余裕もない現代人。
 複雑になり過ぎた社会を、正直にまじめに生きていくだけで精魂を使い果たしてしまう。

「ぽつんと一軒家」が未だに続いていることを意外に思う。そう思っている人は多いんじゃないでしょうか。
 驚きと憧れ、特別視と諦めとが複雑に絡み合いながら、ついつい観入ってしまう。
 依存しないで生きられるというところに魅力を感じるし、これ以上の贅沢はないですからね。





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最終更新日  2024.10.14 09:55:20
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
◆2019年6月6日より 「歌とこころと心のさんぽ」に改題しました。
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