小説「ホリえもん」(第2話)
※この小説はフィクションです。実際の人物・場所・企業とは関係ありません。<第1話のあらすじ>突如起こった「猛牛鉄道と青波鉄道の合併」。ふる太率いる選手たちが慌てる中、1体のロボットがイット(IT)の世界からやってきた。その名も「ホリえもん」。ホリえもんはふる太からの相談を受け、猛牛鉄道の買収を発表する。しかし、買収は簡単に行かなかった。<第2話>~ホリえもんVS経営者&刺客ロボット~「選手の皆さん、我々選手を無視して勝手に合併しようとしている。」ふる太は12企業の野球選手を集めて、こう話し始めた。「合併なんてしたら、我々の働き場所はなくなってしまう。そこで我々はあるモノとタックを組もうと思う。」ふる太の話を聞いていた選手たちはいっせいにざわつき始めた。「それではそのパートナーを紹介します。どうぞ!」そう言われると、ふる太が話していた舞台の袖からロボットが現れたではないか。ホリえもんだ。選手たちは現れたロボットを見て、またざわついた。「このロボット・ホリえもんとともに将来の野球を守ろうではないか!」選手たちはふる太の言葉に、思わずびっくりしてしまった。一方、企業を経営する人たちはホリえもんを好きになれなかった。経営者たち同士で集まり会議を開いたところ、ほとんどの経営者が「ホリえもんを認めない」と言い放った。獅子鉄道のツツーミ社長は「ホリえもんなんか無視。それどころか太平洋リーグを4チームにまとめて、中央リーグと合併する。」と、さらにリーグの合併まで発表した。猛牛鉄道と青波商事はともに「ホリえもんに会社を売る気はまったくない」。極めつけは最大権力をもつ大兎(おおうさぎ)新聞のナベ・ジャイアン・ツネオ会長だった。「オレの知らないモノを入れるわけにはいかない。だいたいふる太の分際で何ができる?たかが選手が・・・」「たかが選手が」この言葉にふる太はブチギレた。「なにが「たかが選手が」だ!アイツらが戦うならば、こっちだって徹底抗戦だ!」ホリえもんは何をしてたかというと、猛牛ファンの前で「この会社買い取るぞ!」と叫びまくってた。猛牛ファンは「いいぞ!ホリえもん!」「ホリえもんマンセー!」と、全面的にホリえもんを歓迎していた。まるでどこかの独裁国家の総書記と国民のように---。しだいにホリえもんは猛牛ファンどころか野球ファンの人気をえることになった。そして野球ファンたちは元気付けられ、ふる太率いる選手たちとホリえもんを支持し、ファン自らもあちこちで合併阻止への署名活動も大々的に行った。「合併反対・ふる太&ホリえもん万歳」さすがに世の中の流れを読んだか、経営者たちは再び会議を開いた。青波商事のミヤウー社長は「なんとか合併をしたい。しかし、このままだとファンからの反感も強い。」と言った。「しょうがない。リーグの合併は止めて、2リーグ12球団制を維持させましょう。」とツツーミ社長。「やむを得ない。だったら、ホリえもんに対抗してこっちもロボットを送り込んでもらおう。」とナベ・ジャイアン・ツネオ社長。他の経営者たちも同じ意見だった。「ホリえもん。合併は避けられないかもしれない。どうする?」ふる太は話し掛けた。「うーん。こっちも手ごたえがない。こうなったら、次の作戦を始めよう。」ホリえもんは答えた。「こっちも最悪の場合、「ストライキ」という武器があるからね。これからも頼むよ。」そう言って、ふる太とホリえもんは硬い握手をした。経営者たちの答えが出た。「猛牛鉄道と青波商事の合併を認める。ただし来年以降の新球団の参入を認め、2リーグ12球団制を守る。」この答えに対して、ふる太は「新球団の参入を来年からだ!はっきりしなければ、ストライキだ!」ついに、ふる太たちは最終手段をとった。ストライキだった。このストライキに関しては、ついに経営者たちもお手上げだった。「来年からの新球団の参入を認める。」ひとまずの解決となった。「ホリえもん。選手たちも大きな犠牲を払ったけど、なんとか経営者に勝つことができたよ。協力してくれてありがとう。」ふる太はホリえもんに礼を述べた。「いやいや、こちらは何もしてないよ。それにボクはここから大変になるんだから。」とホリえもん。「そうだよね。ところでどうするの、球団名とかは?」とふる太。「球団名は「不死鳥軍団」というチーム名で、本拠地は今まで球団がなかったセンダイ・シティにするよ。」「きっとできるよ、ホリえもんなら。」2人は楽しそうに言葉を交わした。だが、経営者たちは「刺客」をホリえもんへ送り込んだ・・・ロボットにはロボットを、そう考えた経営者たちはホリえもんと同じイットの世界からロボットを呼んだ。そのロボットの名は「ミキティ」。イットの世界では架空ショッピングモールを立ち上げている強力なつわものだ。そう、経営者たちはホリえもんに球団経営をさせたくなかったのである---。ミキティはホリえもんと同じセンダイ・シティに本拠地を置き、チーム名を「北東・犬鷲軍」と発表した。「ワタシの方が球団を持つのにふさわしい。ワタシの方がホリえもんよりも優秀なロボットだ!」ミキティはこう訴えかけた。一方、ホリえもんは「ミキティは3年連続で欠陥続きなんですよ。そんなロボットに任せていいんですか?」。野球協会はホリえもんとミキティのどちらかが球団を持つのにふさわしいか審査することになった。しかし、この審査は不公正さが際立ってたといわれる---。同じような質問をホリえもんには何度も何度もたずねてくるが、ミキティには1度か2度程度で終わった。結局、決め手になったのは単にロボットの大きさや機能の違いだった。「新規参入はミキティ率いる「北東・犬鷲軍」に決まりました。」野球協会からそう発表された時、ホリえもんはセンダイ・シティのホテルにいた。そのホテルで開いた記者会見では、開口一番にこう言った。「センダイ・シティに新球団誕生おめでとうございます。ボクは草葉の陰から見守りたい。」そして、ホリえもんはセンダイ・シティ名物牛タンを食べながら、一晩飲みつづけたという---。-------------------------------------「ホリえもん」小説第2話をお送りしました。第1話・第2話と野球参入編となりましたが、だいたいの予想通り今後はメディア参入・政界参入、そしてホリえもんの落日・・・果たして、この内容をあと3話でまとめられるんでしょうか?もしかしたら、5話から延びる可能性もあるので・・・では、第3話をお楽しみに。感想は自由にコメント欄にお書きください。