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三十一万九千九百九十八石だけ、余分な苦労をする 一ぜん飯屋では、目明しの梅右衛門が一晩帰ってこなかったと甚左衛門が、嘘をついていた、誰が糸路の兄を誰が斬ったか、何故斬ったか知っている、と四郎吉やお光に打ち明けていました。 そして、江戸城中の一部屋に、黄門光圀、光貞、綱条が顔を揃えています。 光貞は、黄門光圀に、綱条が一命を投げ出して二ヵ条を上様に直言、「上様御嘉納荒せましたぞ」 そのとき、綱条がすかさず、「いや、それは・・・」といったのに対し、光貞がその先いわんとすることを止めます。
光貞「黄門殿、よき御敬称を得られて上々」 黄門様「それは、誠でござるか」 光貞「天下の副将軍として、申し分なき御器量、・・光貞、お羨ましき限りと存じ まするぞ」 それを聞いていた黄門光圀は、下を向き感慨無量の様子に、そして隣りにいる綱条に席を外すように合図をします。 綱条が出て行くと、黄門光圀は、目頭を押さえ、 黄門様「光貞殿、光圀の取り乱しよう・・・お許しください」 光圀、うれしゅうござる、うれしゅうござる」 涙声で、光貞に礼をいう黄門様に、 光貞「さこそ・・・この光貞も、・・・共に・・・うれし泣き・・・」 顔を覆い黄門様とうれし泣きするのです。 一ぜん飯屋に、黄門様が戻ってきました。そのとき、甚左衛門宛てに大原健之助からの書状が届きます。短冊に書かれた短歌の中の言葉から、材木問屋の近くにあるすか川に架かっているうづら橋ということがわかり、黄門様が「それだ」と。 そのうづら橋にある材木問屋には金井将監、由井隼人はじめ大勢の浪人が集まっていました。 勅使柳原大納言を党首としてかつぎ上げることに失敗したため、次の手を考えていたのですが、同志の中に裏切者が・・・といい、連れて来られたのは糸路です。兄の優柔不断のため、町方という者の追跡まで受けた、・・・糸路は、集まった浪人の中から不審な者を見つけ出せといわれます。糸路は、甚左衛門がいるのが分かったが知らない人ばかりだというと、「それはいかん」と甚左衛門が立ちあがり名乗ったため浪人達が刀を抜いてかかってきます。甚左衛門がこの家の周りは取り囲まれてるといったので、確認した番頭が囲まれているのはウソ、たった三人それも一人は老いぼれだ、と聞いた滝川は表に出て黄門様にかかっていきます。浪人どもを助さん、格さんが、滝川と由井は黄門様に斬られます。二人が斬られたので逃げようとした浪人達は、やって来た御用提灯に囲まれます。材木問屋の主人岸屋信右衛門は、家の周りを役人に囲まれたてしまったため、隠してあった火薬に火をつけます。火の回る中での大立回り、火消し離れ駒も火事現場に急ぎます。
火事の半鐘が鳴り響きます。出向く支度をしていた綱条は、半鐘が鳴るのを聞いて、 綱条「やはり、火をかけたのう。・・・備前、中屋敷の件は、そちが指揮をとれ」 中山「殿、いずれへ」 綱条「知れたこと、父上の御助成じゃ」 そういうと、馬を走らせます。中山は、「行け」と朝比奈に、綱条について行きます。 綱条と朝比奈も浪人達をたたきのめします。 一ぜん飯屋に、みんなが集まり甚左衛門の唄でにぎやかにしています。黄門様の楽しそうな様子を、そっと見ている綱条の表情もほころんでいます。 黄門様は、甚左衛門に浪人生活をしていてはもったいないと、黄門様「どうでしょう、わしの国の殿様、中将綱条さんへ、召し抱えてもらうように頼んであげましょうか」と言いますと、甚左衛門は、今さら仕官をするのはまっぴらごめんだ゜、と断ります。 黄門様が、二百石で・・・というが、父親は熊本の五十三万石の家中だったが、主君と共に他国へ流され苦労の日々を送った・・・・・話をしたうえで、甚左衛門はいまの暮らしで楽しいと、一年に食べる米は二石もあれば・・・二百石もらって残りの百九十八石はどうしよう。人間は余分なものを持つから余分な苦労をする。可哀想に水戸三十二万石の綱条様は、三十一万九千九百九十八石だけ、余分な苦労をするに違いない、と甚左衛門がいうことが、外にいた綱条の心を打ちます。 甚左衛門のいうことに、「よくわかりました」といい、甚左右門の唄のお礼にお国ぶりを披露するという黄門様にびっくりした様子の綱条、中山達もびっくりした様子。黄門様の唄声が聞こえてくると、息子としての温かいまなざしでみつめ、民衆の中で楽し気な黄門様を心に留め安心して立ち去って行ったのです。
(完)
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