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ヘンリーの国際関係学

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April 28, 2006
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世界大戦で、日本の占領を経験したフィリピン。
しかし、いま、なぜフィリピンでは日本がそんなに良いイメージなのか。



・・・・・・ってことを考えるところから後編は始まる。


だが、そんな風に銘打ってみたものの、正解がないというのが本当のところだ。
原因なんて、様々なものが複合的に絡み合っているものである。

(そして何よりその前提であるはずの「フィリピン人が日本を好き」という考え方を否定するのも不可能ではないだろう。
「嫌いって言ってる奴に会ったよ」という人だってゼロのはずがない。
ただ、割合的には「日本好き」率が高そうな実感はあるので、その前提で話を進める。)

だから、「こういう理由なんだ!」っていう正解を語るだなんてことはするつもりはない。
ただ、僕が実際に聞いた話だけを述べるだけだ。
そういう前提で、これからの話を読んでいただきたい。

前置きがすっかり長くなってしまった。
そろそろ本題に入ろう。


僕が思うフィリピン人が日本(人)を好きな理由を知るキーワードは「発展」「支援」である。

「発展」というのは前回にも書いたことである。

前回にも書いたように、占領軍であるはずの日本軍を見て、当時の少女はその技術力に感心をしたという話も聞いた。

「アメリカンドリーム」のような夢や憧れを持って、日本で働きたいと言うフィリピン人と出会ったのは数回どころではない。
日本は「発展していて」「進んでいて」「まともな社会」だと、耳がタコになる位に聞いた。

そういった「成功例」である夢の国「日本」。
だから好きだ。
そういった理由もどこかにある。
僕は、ただ、そう感じた。


だが、それだけで理由がつくとは到底思えない。
もうひとつの理由に思い当たったのは、漁村ペレーズでインタビューをした老婦(73歳)の声を聞いた時である。

彼女は、日本軍の占領下の村に居た。
強制労働を強いられ、収奪が行なわれ、村の子供が虐殺されたこともある。
隣の町では皆殺しを受けていた。

そんな彼女に、日本から来た我々を見てどう思うか聞いた。
彼女の答えは、

「あなたたちに出会えて、とても嬉しいと思うわ」

というものだった。

「若い世代は過去とは違うものよ」
そう言って、彼女は笑った。

そして、
「それに、私たちの村や近くの村も、日本の人たちの支援を受けているわ。
現代の日本の人々は、私たちにとてもよくしてくれるの」


そう、「支援」がもうひとつのキーワードだ。
僕はそう感じて、老婆の顔を見て微笑んだ。
彼女が返した楽しそうな微笑みは、とても可愛らしかった。
記念写真を撮るときには肩を組みに来てくれた。



「だから、支援したまえ」なんて言うつもりは毛頭ない。
ただ、僕が感じたことを、そのままに書いただけだ。




もし僕の言葉が本当か知りたいなら、フィリピンに行ってみることを勧める。

悲しくて、
わからなくて、
嬉しくて、
楽しい。

そして、「このまま何もしなくてもいいのかな」と不安になると思う。




そんな副作用を恐れないのなら。








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Last updated  May 27, 2006 11:59:54 AM
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