読書/『語学の天才まで1億光年』。
本日より「登拝」関係本以外の本が少し続けます(笑)。かれこれ20年以上前、著者は大学に入学して探検部に所属。そして、謎の怪獣「ムベンベ」を探しに行くことになる、アフリカのコンゴへ。それは、著者の世界の国々の言語獲得の旅にもなります。このムベンベから20代に訪ねた国々の言語について書かれたのが『語学の天才まで1億光年 』。言語的な話題がもちろん中心なのですが、これを探検譚として読んでも楽しいですし、青春記として捉えても良いと言う多角的な内容です。エッセイではないはずなのですが、ほぼエッセイ(笑)。でも、言語の獲得をどのようにしていくか、英語とか、フランス語などという学校でも第2外国語で取ることのできるようなものはともかくとして、少数民族が発話する言語というのは、どこからの語学学校で学ぶという事は不可能です。しかし、現地に探検のため潜り込むということはそこの人々が会話する言語で話さなければ、目的のものにたどり着く可能性は果てしなく少なくなります。しかも、読んでいって分かるのですが、その集落の人々が話す言語が1つではなくとても複雑に絡み合っていることもあります。それをほぼ言語マニアになってきた著者が奮闘していくわけです。使わなければ忘れてしまいますが、著者は現在までに25以上の言語を取得したようです。ここでは少数の人しか話さない言葉はもちろんですが、身近に見聞きする「中国語」に関しても実はイメージとは異なる複雑さがあることが書かれていました。また、言語に関して系統図を使って説明もしています。どの言語同士が近くて、どの言語が全く他の言語とは異なる性質をもっているかというものです。全く異なる言語のように見えて、実は近しい言語だったということもあるようです。多角的に本書は読めて、なかなか堪能させてもらいました。大麻を栽培する目的で言語を学ぶ話は、なかなか驚かせてくれますが、筆者ならではの好奇心と探求心のなせる業だと思いました(笑)。にほんブログ村