私の人生、遠回りをしてばかりである。
私は現在、会社員であるが、今、再び学生に戻ることを
検討中だ。
実は、デザインの勉強を、したいと思っているのである。
全く、実に無駄な時間ばかり過ごしてしまったと、いつも
思っていた。
大学の専攻選び、そして会社選び。
いつもいつも、入ってから「何でここを選んだんだろう?」と
後悔してばかり。
ただ、先見性や自己分析が足りなかっただけか。
しかし、最近、とある専門学校を見学してきたのである。
正直、久しぶりに肌で感じた、そのあまりの「学生っぽさ」に
面食らってしまった。
講師と学生の、実にフランクな会話。
そこにいる人の服装。若さ。
我慢もしがらみもない。好きなことを、学んでいるのだという
自由な雰囲気。
「お~い、そんなラフでいいのかっ!敬語も礼儀も、なっとら~ん!
まるで学生だなおい...」
...学生なのである。
どうやら、嫌だ嫌だといいつつも、社会人として、「会社」という枠に
どっぷり浸かっているようである(^^;)
そこで初めて、気づいたのだった。
社会人としての経験は、単なる遠回りではない。
これは私の「強み」になると。
一度の迷いもなく、高卒で専門学校へあがる人の決して
身につけることのない、「社会経験」が、私にはあるのである。
そして、この選択に至るまで、実に大きな「葛藤」を越えているのだ。
...これは、面白い人生ではないか!!
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思えば、失敗ばかりの今までの人生でも、もっともっと
その時々の場所で、何かを掴んでくればよかったのだ。
大学の専攻は、ナント「生物学」であったが(オタクと呼ばないで~(^^;) )
興味が持てないことに気づいてからは、とにかく避けて通ってきた。
お陰で、ただ単に通り過ぎただけ。
4年間を終え、何一つ、この手に持っていないではないか。
しかし、もし興味がないなりに、何か一つでも掴もうと勉強していたら
今頃は
「なぜか生態学にめちゃめちゃ詳しい、物流会社の会社員」
になっていたはずである。
そして、今いる会社。
同じく業務内容に興味が持てず、他の理由からも、とにかく
早く辞めたいと思っていた。
しかし、この際残りの時間、何か一つでも掴んでやろうと取り組んだら
仮に来年専門学校へ入ったとして、その頃には
「なぜか生態学にめちゃめちゃ詳しく、国際物流もわかる
デザイン専門学生」
になれるではないか。
...こんな奴が将来「本気で」デザイナーになったら
ストレートな人生を歩んできた人よりも、よっぽど面白いものを
作りそうではないか。
遠回りをしても、選択に失敗しても、ただ失望するだけでなく
そこで何かを掴んでくれば
「遠回りの数だけ専門分野を持った、面白い人生」
にできるんだ。
そして「なぜ、その組み合わせ!?」という不思議な知識を揃えた
「面白い大人」に、なれるんだ。
だから、私は、ただ自分の選択を後悔したり、現状に
文句を言っているだけの人間であることを、やめたいと思う。
そして、今いるどんな場所でも、宝物を探して、掴んで次に行き
失敗の数だけ知識を抱えた、面白い大人になっていきたいと思う。