いのちの実り
早期(プロ)老化症(ジェリア)の少女 アシュリーが紡ぐ 感動のことばたち 「早期老化症(ルビ:プロジェリア)じゃなければいいのに、なんて思わないわ。わたしは、わたしという人間であることが幸せだもの」 「おい、見てみろよ。エイリアンがいる」って言われたり、ジロジロ見られたりすることはあるけど、わたしは、そんなこと気にしないわ。だって、彼らがわたしをからかおうと思ってやっているんじゃないことはわかっているもの。彼らは、プロジェリアという病気を知らないだけなの。彼らはわたしが誰だか知らないし、プロジェリアが何かも知らない。でも、それは彼らのせいじゃない。そんなの、みんなが知っているわけじゃないもの。小さい時からよくからかわれたし、いまもからかわれるってことはあるけど、そういうときは、「あなたにも同じ血管があるのよ」って説明するの。それでもからかうようなら、もう放っておくの。それはわたしの問題じゃなくて、彼らの問題だから。プロジェリアじゃなければいいのに、なんて思わないわ。わたしは、わたしという人間であることが幸せだし、神様がわたしをこうお創りになったのには、きっと理由があるはずだもの。もしかしたら神様は、"わたしはプロジェリアだけど、こう生きている"ということを人にみせなさいって、その機会をお与えになったのかもしれないって思うの。この病気をとおして、人を助けなさいということかもしれないって思うの。 わたしのことをかわいそうだって言う人がいるわ。でも、その人たちはわたしじゃない。だから、そう言うんだと思う。だってわたし、自分のこと、かわいそうだって、ちっとも思わないもの。(I don't feel sorry for myself.)*****わたしは、人の前で悲しい顔はしたくない。笑顔でいると、みんながハッピーになるでしょ。(A smile makes everyone happy.)*****ハッピーでいられる自分が好き。(I like that I can be happy.)悪口を言われたときでも、誰かがわたしに怒ったときでも、相手に対して怒らないでいられる自分が好き。*****嫌いなところはひとつもないわ。たまにはね、イラついちゃうときがあって、ちょっと嫌いになりそうになるけど、そういうときは、なぜ、わたしは怒っているんだろうって考えて、気持ちを落ち着けるようにしているの。そうすると、こんなことで怒るなんて意味がない、バカみたいだって思えてくるの。で、それで終わりにするの。*****わたしはいつも前向きでいたい。(I'd like to be positive all the time.)前向きになれないときがこれまで1回か2回はあったかも。でも、ほとんどないな。*****自信を失ったこともないわよ。だって、自信を失わされるようなことが(That's because nothing has ever happend)起こったことなんてないもの。(to make me lose my confidence.)*****人はこうなのに、自分はこうだとか、誰かと自分を比べて、どうこう考えたりしない。誰だって完璧じゃないもの。(No one is perfect.)*****ひどいことを言われて相手に怒りを感じたときは、その人に怒り返さないように、自分に待ったをかけるの。そこにいたらきっと言い返してしまうから、「ちょっと失礼」って別の場所に行って、一拍置くようにしているの。一拍置いて、いま起きたことを考えてみると、(If I take a moment and think about what really happened,)憤りが相手にそういわせたんだってことが見えてきて、自分の中の怒りや悲しみが消えていくの。人が怒っているとき、相手に対して、本心から思っているんじゃないようなことまで勢いで言ってしまったりすることがあると思うの。言い争いをするとときって、売り言葉に買い言葉になっちゃうでしょ。そんな怒りのシーソーゲームを続けていても、なんにもならないじゃない?(That never gets anyone anywhere.)だから、こうしようって決めたの。(That's why I decided to act the way I do.)もしも、わたしが誰かからあなたにはあと24時間の命しかありませんよ、と言われたとしても、それで困ったりはしないわ。死は誰にでも訪れるもの。(Everyone has her own time.)恐れるなんて、意味がないことだと思う。(I know I don't need to be afraid of dying.)なぜ、ここにいるのか、それはわからない。でも、わたしたちがここにいるのには、何か目的があるはずだと思うの。(We are here for a reason.)わたしはハッピーに生きたい。(I'd like to live happily.)ほかの人たちを勇気づけられるように生きたい。(I'd like to encourage others.)生きるチャンスを与えられているんだもの。(Gods gives us chance to live.)わたしは、自分の定められた時間がくるまで、すこやかに生きていきたいと思っているわ。わたしたちの祈っていることに対して、神様がそうしたいとお思いになったときは、必ずかなえてくださるんだと思っているわ。いまは、特別な夢ってないの。家族がずっとずっと健康で幸せでいてくれたら、それでいい。自分がいま得ているもので十分幸せだと思うから、(I'm happy with what I've got,)それ以上、ほかに思いつかないわ。 遺伝子の病「プロジェリア」を患っていたアシュリー・ヘギさん、17歳で亡くなる 「プロジェリア」という遺伝子の病にかかり、通常の10倍もの速さで老いていくカナダの少女、アシュリー・ヘギさん(17)が、21日朝に亡くなった。通常の10倍近い速さで老いていくという難病「プロジェリア」を患いながらも、その過酷な運命を懸命に生き抜いたアシュリーさんが、21日午前9時、母・ロリーさんにみとられて短い人生の幕を下ろした。アシュリーさんは「うまく言えないけど、死ぬのは悲しいことだけど、必ず訪れるものだと思うの」と話していた。アシュリーさんが生まれたのは1991年5月23日。母・ロリーさんが、17歳で産んだ元気な赤ちゃんだった。しかし、生後9カ月の時にプロジェリアと診断された。遺伝子の異常によって、普通の10倍近いスピードで年老いていくこの病気は、800万人に1人という難病で、平均寿命はわずか13歳。そんなアシュリーさんを支えたのが、同じ病を持つジョン・タケット君(16)だった。アシュリーさんは、ジョン君に淡い恋心を抱いていた。アシュリーさんは「ジョンとは同じ病気で運命をともにしてきた、唯一の存在なの」と話していた。アシュリーさんは、ジョン君の住むアメリカ・ミシガン州まで、12時間かけて会いに行った。ジョン君は、ドラマーになるという夢をかなえるため、懸命に練習を重ねていた。ジョン君は「人生はどう生きるかなんだ。長さは重要じゃない」と話した。アシュリーさんとジョン君は、2人きりで楽しい時間を過ごした。しかし、別れの時は近づいていた。プロジェリアという運命が結びつけた2人。ある日、アシュリーさんは「明日、メールしてね」とジョン君と別れたが、この別れが永遠の別れとなった。ジョン君は16歳でその短い生涯を閉じた。アシュリーさんは「プロジェリアという病気をどう思っているかは、昔と変わってないわ。わたしがプロジェリアだということには、ちゃんとした理由があるの。神様が与えてくれたものだから、すてきなことなのよ。だから、わたしは大丈夫」と話していた。アシュリーさんは高校に通いながら、大好きな動物の世話をするために、ペットショップでアルバイトをしていた。4月17日から体調を崩し入院していたアシュリーさんは、21日午前9時、17歳という若さでこの世を去った。母・ロリーさんのブログには、「けさ9時に娘を見送り、神の元に召されました。永遠に愛しています」と、娘・アシュリーさんへの思いがつづられていた。アシュリーさんは 「痛みは必ず消えるって知ってるから大丈夫。もし消えなかったら、天国に召される時」と話していた。痛みと闘いながらも、前向きに短い人生を生き抜いたアシュリーさんは、母・ロリーさんにみとられながら天国へと旅立った。 (04/22 18:38) FNNニュースより 彼女の生き方そのものから流れてくるいのちに深い感動を覚えています。 「私は私という人間であることが幸せ・・」 彼女が残した言葉は、多くの実りとなってこれからも結び続けることでしょう。