今年の山鉾巡行見物は籤改め所。
ここ10日間ほど家の中のフローリングが湿気で歩くと足の裏にへばりつくような嫌な感覚、それだけではない5年ほど被っているパナマ帽、5年も被るとパナマが汗を吸っていて、染込んでしまっている、乾燥している時にはなんともないのだが、これだけ湿気が多いと濡れたように変色していた、それが昨日あたりからフローリングの床も乾き、パナマの帽子も陰干しすると乾きだしてきた、暴れ梅雨もどうやら終焉で、祇園祭の山鉾の巡行に合わせたように梅雨明け、今朝は休みの日に珍しく早起き、午前9時頃の四条堺町の籤改めで祇園祭の見物に出かける、さすがに今日の天気と土曜日という事もあって、午前8時30分頃に阪急西院駅から阪急電車に乗って烏丸まで、ついた電車は満員で、ドアーが開くと数人が車外にはじき出されてくる、通勤の時にはこれだけ満員の電車ならパスするところだが、駅前のコンビニで黒酢にんにくを飲んで気合を入れているだけあって、斜め横を向きながら、グイッと入り込む、右足は床についているが、左足は浮いたママの不自然な姿勢、やがて電車が走り出すと、左足を床に下ろすスペースが出来て、ようやく自然な姿勢。 烏丸駅につくと、ごっそりと電車から吐き出されるように降りる人、人、人、去年は河原町で辻回しを見ている、その時に比べると人出はかなり多く、大丸横のエスカレーターはまだ動いていない、階段を昇っていく、地上へ出ても凄い人出の予想は付く、普段は滅多に歩かない地下を東へ向かい、堺町の出口の階段を登る、地上に出ると紅白の幕が張られている、丁度、籤改めの真後ろ、東へいこうか西へいこうかと迷いながらも西へでる事に、来賓席の横に一般の有料席が設けられており、紅白の幕が切れたところはかなり西の方、信号を渡って四条通の南側の方が良さそうと思いそこへ向かうが、もうそこは5、6重の人垣、もう少し人の少ないところを求めて東へ向かう、ようやく3重くらいの人垣の場所へ、午前8時50分、先頭の長刀鉾が来るまでまだ後、約10分余り、柳の馬場通を綾小路まで下がって、ここへ来ると路上喫煙禁止区域外、暫くタバコ吸えないので、ユックリとタバコを一服、ジャーに入れた冷えたお茶を飲んで、そして四条通へ戻る、カメラを構えてズームを一杯、シャッター優先で500分の1、天気が良いから絞りも充分絞れる、右手カメラを持ち上げる、液晶モニターが360度回転出来る、こういう姿勢でもモニターが見られる、これは精神衛生上良い事だ、手前の人のはげ頭もよけることが出来る、後は携帯電話だけ、携帯電話で写している人を少しよけて、これで準備完了、長刀鉾が大丸の前を通り過ぎてくる、いよいよ、その時に、籤改めの少し東のところへ、報道の腕章をつけた、脚立持参のカメラマンが四条通の端から端まで横一列に並んでカメラを構える、報道の腕章をつければ何でも許されるのか、7月5日の日、長刀鉾の吉符入り、それが済んでから長刀鉾の会所の2階で、お稚児さんが始めて人前での稚児舞の披露、午後3時半から、オレは午後の3時頃からそこの前でスタンバイ、通りがかりの人も、「何があるのですか?」、説明をすると、立ち止まってにわかカメラマン、人がどんどん増えてくる、始まる少し前に報道の腕章をつけて、脚立を持ったカメラマン、オレの前の人は場所を譲る、オレは場所を譲らない、するとオレの前で脚立を立てて、脚立の上に乗ってカメラを2階に向ける、オレのカメラには汗ばんだ彼の背中だけしか写らない。 そこで彼の背中をこんこん、脚立の上からなんだという顔つき、「報道の腕章をつけているから報道関係の人でしょう、という事は一応プロでしょう」、声を出さずに頷く、「最近は素人のカメラマンのマナーも悪いが、報道関係のカメラマンも、良い場所で写すのは当然という思い上がりがないですか、こういう写真は報道というよりも観光写真でしょう、30分以上も前から来て待っている人の前で、挨拶無しに脚立を立てる、それはないでしょう、後ろの車道は開いていますよ」、周りの素人カメラマンも、「そうだ、そうだ、どこの新聞社や」、という事になって、「すみませんでした」、脚立をたたんで、車道へ出てそこでまた脚立を立て直す、そういう事があった後だけに、いくらなんでも横着過ぎる、そう思っていたところ、何時間も前から席取をして、三脚をたてて待ち構えていた人辺りから、「こら報道陣、邪魔やァ、どけェ~」、暫く怒声が飛び交っていた、報道陣がたとえ1時間でも、30分でも前から、良い場所でスタンバイしているのなら、彼らも仕事と大目に見るが、ギリギリにやってきて、人の邪魔になるのも平気で一番良い場所で撮影、これには思いを同じくする人も多いことだと思う。 暑くて、タバコも吸えない、3分の1ほど観終わって、阪急電車に乗るために、西へ向かう、これは極少数派、東へ向かう人が殆んどで、先頭の長刀鉾は河原町通で辻回しを終えて、北へ向かっている時刻、この人たちは人の多い四条通を東へ行き、河原町通を北へ追いかけるつもりだろうか、オレならこの時刻なら迂回して河原町御池に先回りをするだろう、山鉾巡行の見物、時刻も関係無しに、兎に角、四条烏丸へ、そういう観光の人が随分と多かった、ご苦労さん。■「今日の言葉」■ 「 素直に聴く心がないと人は 本当のことを言ってくれない 」 (自然社・平成22年・新生活標語より)