カテゴリ:大好き度120%!!
さみしくて、心細くて、でもしゃんとしなくちゃいけなくて…そんな狭間に生まれてくる 何処か自分を俯瞰した目で見つめる感情を描き出すのがうまいなあ…と思う。 負の感情やそこから衝動的に吐き出される暴力、劣等感が描かれていても 島本さん独自のスタンスが貫かれているのがすごい。 「大きな熊が来る前に、おやすみ」を読んでいると、ざわりと肌があわ立つような 場面があったりするんだけどそれをしんとした目で見据えようとする主人公の 描写を読んでいると、それに押し切られてしまう感じがする。 「強いな、」と思う。 その先にどんな展開が待っているのかはわからないけど今のその気持ちは 受け止めてあげたいなあと感じてしまうのです。 三編収録されてる中で(どれも好きだけど)一番好きなのは 「猫と君のとなり」です。 唯一ハッピーエンドを感じさせてくれるからでしょうか☆ 久々に島本さんの小説を読んだら、「もっと文章が味わえる小説が読みたい!」って 気持ちがふつふつ湧いてきました。 未読で積んでる本が山となってるけど、島本さんの『一千一秒の日々』を 再び読み返したりしています。 島本さんの目で世の中の出来事を見てみたい、と切に思います。 どんな視点なんだろう、 どんな風景が見えてるんだろう、 そうしたらどんな感情が湧いてくるんだろう…。 比喩の一つ一つに「あ、」と思わせてくれる作家さんってそう多くないです。 島本さんの言葉は…シンプルなんだけどとても新鮮で瑞々しいという印象です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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