カテゴリ:大好き度120%!!
あまりに有名な作品過ぎて、あらすじを読んだだけで知った気になってしまい そのまま…という本が結構あります。これもそんな一冊でした。 実はあらすじのイメージから、柊はこの小説を夜な夜な屋敷の中を うろつく先妻レベッカの霊に苛まれる幽霊小説だと思い込んでました。 思い込みって怖い(笑) 新訳版が刊行され、表紙の装丁も綺麗だったので手にとってみました。 ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た― この文学史に残る神秘的な一文で始まる、ゴシックロマンの金字塔、待望の新訳。 海難事故で妻を亡くした貴族のマキシムに出会い、後妻に迎えられたわたし。 だが彼の優雅な邸宅マンダレーには、美貌の先妻レベッカの存在感が 色濃く遺されていた。彼女を慕う家政婦頭には敵意の視線を向けられ、 わたしは不安と嫉妬に苛まれるようになり…。 【内容情報】(「BOOK」データベースより) すごく、すごくすごく面白かったです。 勝手なイメージを作り上げて、読み損ねていたかもと思うと「ああ危なかったっ!」と思います。 語り手の「わたし」が夫となる男性に出会い、結婚を決めるまでの初々しい描写。 それが一転してマンダレーでの、先妻レベッカのあまりの存在感に不安に苛まれる描写へ…。 後半の展開を知らずに読んでいた前半は語り手の「わたし」の被害妄想といっても 過言ではない消極性にイライラし、「せっかくのイギリスの田園生活を満喫したらいいのに!」と 憤慨したりしてたのですが(満喫されていたらお話が続かないのだけど) ことの真相が明らかになってからも更に二転三転する展開にはもう、 一字一句丁寧に読むのももどかしくページを繰ってしまい、ラストの一行には ほっとするとも呆然とするとも異なるような…ぽっかりとした空虚な気持ちがありました。 読み終えてしまって残念…というのももちろんだけど、その後の展開が 気になるような(でも、想像もつくような)感傷的な気持ちが湧いたからだと思います。 サスペンス的な展開が読みどころではありますが、それを彩るマンダレーという地所、 いかにもイギリスらしい庭園を彷彿とさせてくれる描写が美しい。 緑の芝生、色とりどりの薔薇、白い石の海岸へ続く道に咲いている花、その香り…。 庭に咲いている花を家の花瓶に飾る、そんな日常生活。 午後のお茶、繰り返される日課、その一つ一つが自分がイギリスという国に抱いている 憧れに重なってきてどきどきしました。 だからこそ「先妻の影だとか意地悪な使用人に怯えて生活するなんてもったいない!」なんて 思っちゃったんですが、それもまた後半の展開への布石に過ぎなかったんですね。 著者にいいように誘導されていたんだなあ…なんて思います。 「レベッカ」…なんて印象的な名前でありタイトルだろうと思います。 直接対峙することはなくても、「先妻」対「後妻」の争いは凄まじいかも。 ヒッチコックにより映画化されているのですが、柊は未見です。 訳者のあとがきによると原作とはかなり異なる展開になっているようなので 今しばらくは「観たい」という気持ちは起きなさそうです。 原作どおりの展開で、リメイクされたらどうだろうー「レベッカ」と「わたし」。 どんな配役だったらぞくぞくするかなあ…なんてつい考えてしまう柊です☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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