happy birthday
5月15日。 おめでとう、あなた。 あなたが生きていればね、 もういくつになってしまったと、 苦笑いしながら真夜中に二人でワイングラスでも傾けているんでしょうか。 あなたのお誕生日に初めて私がチーズケーキを作った時。 私よりとっても長生きしているはずのあなたが 『こんなに心のこもったお祝い初めてや』 と、薄ら涙を浮かべ、言いました。 私は大きかったあなたが 急に 臆病で、小さな小さな少年に思えて、 嬉しさと寂しさと切なさとで胸がつぶれてしまいそうになり、あなたを包み込むように抱きしめながら、 この先あなたを微力な私の全力で守っていこうと思ったものです。 あたふたとつまらない日常に追われ私は今年、あなたのお誕生日に心を全て傾ける事が出来ませんでした。 ごめんね。 だけれども、あなたを微塵も忘れたわけではないし、 むしろさらに私の中にあなたは色濃く根付いて、残っています。 それは涙を流したり 形式的にお供えをしたりという事ではなく、 私の 考え方や生き方に、いつの間にかあなたは浸透していて、 私の眼、 私の耳、 私の唇、 私の鼻、 私の肌で 感じるもの全てが あなたを通して感じているし、 私の心は いつの間にやら あなたのように 純粋に信念を持ったようです。 それはあなたのように 孤独で辛く長い道のりの始まりなのかもしれないけれど、 私はそれをやめようとはこれっぽっちも思わないし、 この感覚を私のものとできたことを光栄だと思い、あなたとの辛い別れを踏まえてでも、 それでもやっぱりあなたと出会い、あなたと時間を過ごし、あなたに愛された事、 今でも感謝しています。 ありがとう、ボス。 生まれてくれて、 本当にありがとう。 そして おめでとう。 あなたへ続くために 私は 何度でも起き上がり、 這い上がり、 あなたが信じたように 人間を信じ、自分を信じ、可能性を信じ、希望を信じて 生きてみます。 だから、 何処かで見ていて下さい。 私の道が 孤独で長く果てしない道が、 いつか必ず、 あなたの元へたどり着くまで・・・ そしていつか抱きしめてください。 よく来たね、って。