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おにいやんの日記

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2008/03/23
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“裁判を受ける権利”が憲法によって保障されているのは常識で、知らない人は少ないと言えるでしょう。これを規定したのが憲法32条。「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われない。」と。
自分が、身に覚えのない罪で突然逮捕され、誰も自分の主張に耳を貸さなかったとしても、最後は裁判所がある。冤罪なら、必ずや裁判所の法廷で真実が白日の下明らかになる。国民はそう思うのです。
このように刑事事件の場合切実です。でも、刑事事件に限らず、民事事件でも保障される。これが、裁判を受ける権利という国民の基本的人権なのです。

まさに農民Aさんの訴訟は、民事における基本的人権としての裁判を受ける権利について、考えさせられることが多かったのです。
今回は、判決についてです。

地裁3階の2号法廷。午後1時10分。判決言い渡し期日です。
裁判所に出向くと、法廷の外の掲示板には、同じ時刻に判決言い渡しが予定されている事件が11件も記載されていました。
同じ時刻、同じ法廷、同じ裁判官による判決言い渡し?!

時刻に少し遅れて裁判官が入廷し、判決書を読み上げる。
判決理由等は後日、判決書を裁判当事者に送付する仕組みになっているので、「主文のみ」つまり結論だけ読み上げる。
11の事件を、同じ時刻に判決するとなれば、そう成らざるをえないが・・・。
農民Aさんには、塀に立たせた11人の標的に向かって得意満面拳銃を撃ちまくる、西部劇のガンマンを連想させる光景でした。

裁判を受ける権利は、それ自体、憲法に宣言されただけでは無力。
同時に、市民社会の正義を実現するシステムとしての最後の砦である裁判は、様々な援護を受けて成り立つことができる。
そのひとつが、“裁判の公開”。
憲法82条1項には、「裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行う。」と。
たしかに、Aさんの裁判も公開されていたし、判決も公開されていた。
だが、11の事件。当事者は最低でも22人。関係者を含めると更に倍以上になるかもしれない。

傍聴は自由であるから、判決当日にならなければ、裁判の傍聴者が何人になるかは分からないはず。傍聴人がわんさと押し寄せたら、事実上公開の原則は反故にされてしまう。
11件もの判決を、同裁判官が同法廷で同時刻に行うことは、公開裁判を保障する憲法の精神に反しないのか?

若い女性書記官は言った。
裁判官が来月転勤するので、3月中に判決したいと。
裁判所の常識は、世間の非常識なのか?

当事者として、一生に一度あるかないかの裁判を闘った農民Aさん。
民事調停から始まり足かけ5年、老体に鞭打って出廷した18回の裁判の結末がこれだったとは。
裁判官のやっつけ仕事に思えてしかたのない判決当日でした。


判決から遡り、農民Aさんの裁判をなぞってブログにしたいと思います。







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Last updated  2008/03/23 04:17:01 PM
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