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カテゴリ:田舎の中心で正義を叫ぶ!
農民Aさんの裁判は、地方自治体の不法行為を問題にしたもの。
やや専門的には、国家賠償事件。 一般には、「地方自治体が相手なのに国家賠償なの?」と思うけれど、地方自治体に損害賠償請求する根拠となるのが国家賠償法なのだ。 国家賠償法2条1項は、「道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責めに任ずる。」と。 民事裁判では、書類が行き交う。 テレビドラマの法廷シーンのような場面もあるにはあるが、原告被告の主張は予め書面にしたためて、裁判所に提出するのが通常。 当事者が裁判で主張を戦わせることを法律用語では、“口頭弁論”というのだけれど、口頭での詳細な遣り取りが行われることは少ないのが実際のところ。 限られた時間の中で当事者双方が主張を戦わせる場合、漏れなく正確に主張を行うことは、物理的にもムリ。 なので、証拠や要点を整頓した書面(準備書面)を口頭弁論期日前に裁判所へ提出しておくことによって、裁判官も相手方も準備することができるというわけ。 農民Aさんもまた、公共工事の結果もたらされた被害について裁判官にわかるように現場の写真や入手した証拠書類を付けて、準備書面を裁判所へ提出した。 これによって、裁判官は原告Aさんの主張を予め知って訴訟を指揮するし、被告地方自治体も反論を準備する。かくして法廷における理性的な裁判が進行することになるのだ。 裁判が始まって間もない頃、Aさんの妻は、たまたま出くわした地元選出議員から、威圧的な調子でこう言われた。 「写真ばっかり撮って、あんたとこは、恐い家風やのお。わしは腹立っとるんや。」と。 “家風”とは古めかしい言い方だが、つまり、原告AさんのみならずAさんを助けて書類の準備などしている息子のBさんや家族全員を指して、お前の家族はお上に楯突く無法者だと言わんばかりである。 戦後60年も経って、家制度でもなかろうに、お上に楯突くAさんも家族もいっしょくたにケシカランというのか? なんかヘン。 論理は、滅茶苦茶の三階建て。。。 前述したとおり、Aさんが裁判所に提出した証拠写真は、予め被告である地方自治体に渡る。 行政機関に届いた準備書面がどのような正当な権限で、一議員の知るところとなったのかAさんには分からない。 ともかくも地方自治体に届いた訴状や証拠、準備書面等を見る立場となった地元選出議員は、Aさんから裁判所に提出された書類を見て、あろうことか原告Aさんに圧力をかけてきたのは事実である。 行政、すなわち、自治体の長の意向を受けての行為としか思えない。 アンフェアー。 いうまでもないが、準備書面が予め被告側に渡るのは訴訟外で原告に圧力をかけたり攻撃するためではない。首長の司法制度に対する認識のお粗末さは、ヤクザと同じなのかとAさんには思えてしまう。 しかも、選挙で選ばれた地方公務員特別職である議会議員が、裁判を受ける権利を抑圧しにかかるとは言語道断だとAさんは思う。 訴訟妨害。 Aさんは、ふと大好きなプロレスの場外乱闘を思い浮かべるが、そんな牧歌的な事態ではない。 地方公務員特別職たる議員を使って、権力が国民の基本的人権を蹂躙しているのだ。 住民が自治体の公共工事によって、権利侵害されたと裁判までしているというのに、本来住民の主張に耳を傾け行政を監視する立場の議会議員が一顧だにしないどころか、逆に被告の担当建設課に代わって住民を攻撃するとはどういう神経をしているのだとも思う。 憲法99条。「公務員は、この憲法を遵守し擁護する義務を負う。」とある。 田舎の公務員には適用されないのか。 この後、さらにトンデモ公務員が現れた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/03/24 05:01:18 PM
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