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昼ドラHolic ~美しい罠~

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November 12, 2006
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カテゴリ:昼ドラ
地下室の部屋に戻ると、俺は類子へと電話を掛けた。
呼び出し音が鳴り出してすぐ、電話の向こうから軽やかな声が聞こえてきた。
類子「はい」
槐「機嫌が良さそうですね」
類子「いい事が分かったのよ。電話じゃちょっと憚れるから、後で言うわね」
槐「では、今夜。ちょっとご案内したいところがありまして。
夕食後、8時に裏庭で待ち合わせをしましょう」
類子「分かったわ」
電話を切ると、俺はデスクの引き出しの奥から、
秘密の小部屋の鍵を取り出して上着の内ポケットへと入れた。

待ち合わせの時間通りに裏庭に行くと、既に類子は薄暗い木の陰で佇んでいた。
俺の姿に気付き、笑顔を見せて類子は言う。
「早く来てくれて良かったわ。足を蚊に刺されでもしたら妙に生活感が出て、
不破を誘惑するどころじゃなくなるもの」
槐「では、早く行きましょう。さあ、こちらへ」
懐中電灯で先を照らしながら、俺は裏庭の奥へと類子を導いた。
歩きながら俺は聞く。
「ところで、いい事というのは?」
類子「ああ、その事ね。不破と加奈子は毎日ボート遊びに出掛けているけれど、
まだ子供が出来る心配はなさそうよ。
なんでも、ボートの上で加奈子が不破に無理矢理抱きつこうとして
湖に放り出されたことがあったとか」
槐「そうでしょうね。実際、あの加奈子という女は知性には乏しい女です。
本来なら不破は、あんな女には目もくれません。
でも何故ああやって傍に置いておくかというと・・・」
類子「私への当て付け、でしょ」
槐「そう」
その時、ふと類子が立ち止まって言った。
「ねえ、槐。不破って、前の奥さんを金で買って虐待したって言ってたわね」
俺も足を止めて振り返る。
槐「敬吾さんはそう言ってますが」
類子「貴方から見て、どうだった?不破は前の奥さんを愛してたとは思わない?」
槐「・・・さあ」
類子は俺の瞳を見て言う。
「前の奥さんを悲しませた罪滅ぼしとして、その妹のレイさんに我侭を許して
レイさんの連れてきた加奈子に付き合ってあげてるってこと、ないかしら?」
俺は振り返り、歩き出して言った。
「そんな事には興味ありません。もっとも、その事がゲームの行方に関係があるなら気にしますが。
・・・さあ、着きましたよ」
俺は足元の、叢に隠れた扉を懐中電灯で照らした。
上着の内ポケットから鍵を取り出し、その扉の鍵を開ける。
類子が目を丸くして言った。「まさか、ここは・・・」

薄暗い地下階段を懐中電灯で照らしながら、俺達は静かに階下へと降りた。
俺はすっかり慣れきっているこの黴臭さに、類子は眉を寄せて歩き続けた。
槐「少々分かりにくいが、今のが外の出入り口です」
部屋の電気を点けると、目の前に広がった秘密の小部屋を見てさらに類子が目を丸くした。
俺はそんな類子に鍵を手渡す。
槐「また誰かの目に付いていもまずい。今後大事な話があるときは、ここで落ち合うことにしよう。
何しろ、貴方はいずれだんな様の婚約者になる人だ。
秘書の私とこそこそ会っていると噂になっては困りますからね」
類子「そうね。用心にこしたことはないわね。
でも、この部屋のことは敬吾も知ってるんでしょう。もし、彼がここにきたらどうするの」
槐「ご心配なく。そう思って、外の鍵は取り替えました。
新しい鍵を持っているのは、私と貴女の二人だけ。いざとなれば、ここの出入り口も利用できる」
俺は自分の部屋との隠し扉を開けて見せた。
槐「前にも言った通り、彼はこの扉の存在を知りませんからね」
類子「まさしく、秘密の部屋ってわけね。で、早速何の相談?」
槐「実はレイさんのことです。夕べ彼女に誘われましてね」
類子「・・・えっ?」
槐「と言っても、色っぽい話ではない。
それどころか、加奈子が不破の妻になれるよう私に手を貸せという実に生臭い話でした」
類子「でも、どうやって?」

俺はレイさんとの会話を類子に告げた。
槐「・・・そして、彼女は私にこれだけの報酬をくれると言いました」
人差し指を立てた俺に、類子が言う。「・・・1億?」
俺は怒り気味に言った。「とんでもない!1千万です」
類子が笑う。「それはまた、貴方も安く見られたもんね」
槐「所詮あの人たちにとって、私はその程度の価値しかないということです」
類子「言ってやればよかったのに。
こっちは少なくとも、一人当たり2,30億は手にするつもりだって」
槐「だがこれで、向こうが何を企んでるか分かった。あとはこっちがどう出るかです」
類子「面白いわ。いっそそれを逆手に取って、
今度こそレイさんと加奈子を一緒に追い出すのってどう?」
槐「あなたならきっと、そう言うと思ってた」
さすが類子だ。俺と類子は、顔を見合わせて微笑んだ。

類子「それで?もう貴方の頭の中に計画はあるんでしょ。聞かせて」
槐「加奈子は金目当てで不破に抱かれようと懸命だが、その実若い男の肉体をも求めている。
だから、子種を仕込む男に惚れさせて、不破への戦意を失わせる。
そうすればあの演技の下手な加奈子のことだ、すぐに不破に見破られてそれで終わり」
類子がクスクスと笑う。
「大した自信ね。貴方の魅力で加奈子を籠絡するの?」
槐「いえ。私に執心されても後が面倒ですし、
それに、使い心地の悪そうな安い歯ブラシは使わない。それが私の主義です」
類子「ひどいわ。・・・でも、分からないでもない。それで?」
槐「加奈子を喜んで抱く若い肉体の持ち主。彼を私の身代わりにします」
類子「・・・あ!」
類子はその相手が誰だかすぐに理解し、再び笑い出した。
俺もつられて笑みを浮かべる。
こんな風に、類子と笑う回数が最近増えてきた気がする。

槐「では、計画をいつ実行するかは後日改めて」
類子「ええ、楽しみだわ」
その時、俺の部屋の外からバタバタと人の足音が聞こえてきた。
俺は慌てて類子を隠し部屋に残し、自分の部屋へと入って隠し扉を閉じた。

部屋に飛び込んできたのは岩田さんだった。
岩田さんは大きく息をつきながら、その顔をひどく歪ませて言う。
「槐さん!大変だ、だんな様が。とにかく、早く」
岩田さんのただならない様子に、俺は不破の身の危険を瞬時に察した。
隠し部屋の中できっと類子も驚いているはずだ。

部屋を飛び出し、階段を駆け上がり・・・俺は焦燥を感じずにはいられなかった。

不破に何が起こった?
・・・まさか、俺達のゲームはこんなに早く終わりを迎えてしまうのか?


(ひとこと)
またまた日を空けてしまってすみません(汗)





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Last updated  November 12, 2006 04:30:21 PM
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王様@ 潮 吹 きジェットw サチにバ イ ブ突っ込んだ状態でジェット…
ボーボー侍@ 脇コキって言うねんな(爆笑) 前に言うてた奥さんな、オレのズボン脱が…
リナ@ 今日は苺ぱんちゅ http://kuri.backblack.net/-6jv9of/ 今…
しおん@ ヤホヤホぉ★ こっちゎ今2人なんだけどぉ アッチの話…
アゲチン@ ありがとうな!!!! http://bite.bnpnstore.com/ogwmxps/ ア…

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