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ひよきちわーるど

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2005.09.19
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カテゴリ:万葉の花


先日 万葉の森公園に行って参りました。

車で30分ほどの所ですので
ふと思い立った時に行くことができます。

いつも平日に参りますので人影もまばら。
ほとんど貸し切り(?)状態です。




その貸し切り状態であるのをいいことに
私、わりと好き勝手なこと(笑)をしておりますので

その好き勝手なことをしておりますときに
他の方とばったり出会ったりしますと

その、何と申しましょうか
非常に気まずい状況になるわけですね。








春先には枝垂れ桜や枝垂れ梅の中に入り込み
それでも飽きたらず 山吹の繁みに潜り込み

早蕨の小さな芽を写真におさめようと
地面に這っていたり



夏には「思い草」を求めて
薄の根元を見つめ続け

その根元にうずくまっていたりするわけなんですね。








非常に怪しい行動を
繰り返しているわけなんです。










合歓の花を間近で撮りたいと思い
精一杯背伸びしてみたり

桃が完熟したときのために
木に目印のリボンをくくりつけたり(嘘です)




川底に沈む紅葉の葉、
小川のすぐそばに咲く忘れ草の花。

それらをデジカメにて捉えようと
小川に近付きすぎてそのままその中に落ちてみたり。




そして
たっぷりと冷たい水を含んだ靴と靴下とを抱え
途方に暮れるわけなんです。



小川に落ちるときの悲鳴を
誰かに聞かれやしなかったかと
気に病んでみたりもするわけですね。





結構 忙しかったりするわけです。











・・・今回 公園内で
初めて「思い草」に逢うことができました。

私にとりまして幻の花でもありました。


数年前から
この花を求めて薄の根元を見て参りました。





万葉の森公園だからと言って どの薄の根元にもあるわけではなく
今回 池のすぐそばの薄の元にだけありました。

葉緑素はもっていないとのことでしたが
本当に「緑」とは縁遠い植物なのですね。

ほんのり紫色なんです。





緑色の薄の根元に生えている「思い草」。

その姿を初めてみましたとき
何だか痛ましいものを見たように思いました。




彼女たちは自力では生きられないのです。

萱や薄の根元、ものの本に因りますと
ミョウガ、サトウキビ、稲などの根にも寄生することがあるとのこと。








緑色をした薄の根元に
ひっそりと咲く薄紫の花。


緑の植物の根元に紫の花、ですから
意外に目立つものなのですね。




目立つのだけれど
本来植物のもっているべき葉緑素を持たない頼りなさと言いましょうか

他の植物に寄り添ってでなければ生きられない心細さ
いじらしさを感じました。











道の辺の 尾花が下の思い草

   今さらさらに何をか思はむ

        

           万葉集 巻11・2270








この歌、大好きなのです。

ほんの少し伏し目がちにしている・・そんな女性を思わせます。




そしてこの歌も 
自分の想いを相手に訴えると言うよりは
1人の時にふと呟くような そんな印象を受けます。






幼い頃から 薄というと
風に吹かれ揺れているもの・・・という印象がありました。

秋の初め、薄の穂が出始めたばかりの頃には
その穂もつややかで しなやかなんですよね。

葉も緑色でしゃんとしていて
不用意に握ったりしますと 手のひらを切ってしまう。







幼い頃など
よく空き地でかくれんぼをしておりましてね。

薄の株は 自分の身を隠すのに
丁度よい大きさだったわけです。







薄のかげに隠れておりますと
殊の外、葉の揺れに敏感になるのですね。

葉があまりに揺れると 自分が見つかってしまうから。

じっと息を潜め
祈るような気持ちで薄を見上げておりました。




かたさを残した薄の葉が風に揺れ
まるで さらさらと音を立てているようも思えました。










この歌は 想いを遂げ恋が成就したときのものとも
そして逆に 自分の恋を諦めたときのものとも言われています。

どちらが本当なのか分かりません。







この歌をメモに書き付け、
万葉の森公園に出向き

そしてようやっと この「思い草」に出逢ったわけです。





公園に参りますときには 必ず自分の好きな歌をメモに書き
それをもって出掛けるように致します。

実際に自分の目で花を見
手元の歌を読みます。






この歌のメモを手に 思い草に出逢いましたとき

「何をか思はむ」の言葉が胸に深く残りました。







この歌を詠った人は
1人の人のことを ずっと思い続けてきたのだろうなと思いました。

「さらさらに」の繰り返しに
今までの時の流れをも感じました。











人を想うと言うことは
あらゆる感情を
自分の胸に秘めることでもあると思うのです。




手放しで 好きと思う気持ちも
愛しさも

苦しい嫉妬も
諦めも


自然の美しさを目にし
それをあなたに伝えたいという気持ち


あなたのことを知りたいという想い

ためらう気持ち











恋とは なんと多くの感情を
もたらしてくれるものでしょう。







今までも そしてこれからも様々な感情を呼び覚まされ
そのたびごとに傷つき戸惑うのでしょうね。










けれど 1人の人を想うのであれば

その人にとって
恥ずかしくない自分でありたいと思います。

少しずつでも成長を続ける自分でありたい。



飾らず 気負わず
ありのままの自分でいたい。











あなたに逢えて 
本当によかった。














あなたのことを想う分だけ

幸せが

あなたの肩に降り積もればいい

















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Last updated  2016.01.01 23:45:41
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