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カテゴリ:万葉の花
萩の異名は多くあるようである。 秋知草(あきしりぐさ) 紅染草(こぞめぐさ) 月見草(つきみぐさ) 天竺花(てんじくか) 野守草(のもりぐさ) 萩の語源としては 枯れてしまった中からまた新しく生えてくるので 「生芽・はえぎ」とする説が一般的である。 正直に書けば 語源そのものについてはさほど興味はない。 どちらかと言えば その花の名を実際に口にして その言葉の響きがどのようなものかに興味がある。 「はぎ」と口にしてみると 最初の「は」は誠に明るい調子であり、 その明るさは ひとつの株から枝が放射状に生え 可憐な花を見事に咲かせるそのイメージにつながる。 そして次に続く「ぎ」。 少し鼻にかかる鼻濁音。 明るい調子の「は」から一転して 微かに、内に籠もるような印象。 萩を見た最初の瞬間はその華やかさに目を奪われるのだけれど 近付いてよく見てみれば 何と慎ましやかな 可憐な花なのだろうと思うのだ。 夕月のかげかと見しは白萩の 露ににほへるしづ枝なりけり 村田春海 しだれ咲く萩のむらさき穏しくて 名もなき路地の秋深くなる 山田あき ゆふ風に萩むらの萩咲き出せば わがたましひの通りみち見ゆ 前川佐美雄 夕暮れ 何とはなしに萩を眺めるのが好きだった。 初秋の風に微かに揺れる萩の花。 あなたたちは 一体いつ咲くのだろうと思った。 萩が静かに花開くのを見てみたいと思っていた。 萩むらを眺めるとき この空間だけは 昔と少しも変わっていないのだと思う。 萩の花咲くほとりには 静かな 懐かしい時間が流れている。 まるで千年の昔に帰ったかのように。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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