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カテゴリ:万葉の花
椿の花が好きになったのはいつのことだったろうと思うのです。 最初は染色関連で椿の葉がどうしても必要でしたので 山の中に入るたびに椿の樹を探していたものでした。 不思議なものでそういう生活を数年続けておりますと どんなに遠くからでも 周りにどんなに多くの木々があったとしましても 椿の木をすぐに見分けられるようになってくるのです。 椿の葉は艶々と日に照り映えます。 一説によれば「艶葉木」から「椿」へと変化していったとか。 (ただし諸説あり) その他「強葉木」「厚葉木」 また韓国語の「冬柏(ツンバク)」からとの説も。 「椿のあるばむ」というページに時折お邪魔して 美しい椿の花々を拝見しております。 その花の美しさもさることながら その名のなんとゆかしいこと。 朝露 飛鳥五色 月光 銀の指輪 古戦場 衣通姫 月の都 武士椿 若武者 一体どのような方が命名なさったのだろうと思うのです。 一昨年12月に稲美町万葉の森公園に参りましたところ 園内には数多くの椿の花が咲いておりまして その凛とした雰囲気に心惹かれました。 吹く風はとても冷たく 気温も低く 他の植物たちはほとんどお休み状態だと言いますのに 椿だけは背筋をしゃんと伸ばして咲いていたのです。 寒さに身を縮こませ 「こんなに寒い中でも咲いているのか・・・」と思う私に 「寒いからこそ こうして咲くのです」と 今にも返事をしてくれそうな花たちでした。 いよいよ花を開かせるとき 外は殊の外寒く 風も冷たいということを知った上で 彼女たちは咲いているのかなと思うのです。 私はこの椿の散り方が殊の外好きなのです。 確かに江戸時代におきましては 殊に武家において好まれなかったと伺っておりますし また出家、得度の際にも活けられることはなかったとのこと。 けれど椿は古くから花材としても使われてきましたし 結び柳、紅椿を入れた利休の掛花が 婚礼の席の花として記録に残されています。 その樹齢の長さを尊ばれて 本来は慶事に活けられていたとも伝え聞きます。 樹上においては私たちの目を楽しませてくれ 散り際もまことに見事。 散ったあとにも 木の根本を明るく華やいだものにしてくれます。 樹上で咲き終え 散ったあとにも その表情は少しも変わらないのです。 まるで冬の貴婦人を思わせます。 個人の好みにもよるものでしょうけれど 椿本来の美しさを引き立たせる色は 白そして薄紅色ではないだろうかと。 照り映える葉の陰に うつむき加減に咲く彼女を見つけ 「ここに咲いていたの」と声をかけたくなるほど。 不思議なもので 冬から早春にかけて咲く花々はいずれも 先に白い花が咲くのですね。 梅も そして山茶花も。 山茶花の花びら染めをしようと思い立ち 山の中を歩いて山茶花の花びらを摘むのですが この季節 何処を見渡しましても 白い山茶花の姿を見つけることはもう出来ないのです。 盛りを迎えているのは紅い山茶花。 近所を歩きましても そして公園内を歩いてみましても もはや白い椿を目にすることもありません。 その白さ そして薄紅色のその淡さ故に 咲くときも短く 季節の移りとともにその姿をひそませ また巡り来る早春を待たなければ 再び可憐な姿を目にすることはないのだろうかと思うのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.12.08 01:50:59
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