798796 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ひよきちわーるど

ひよきちわーるど

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2007.04.07
XML
カテゴリ:万葉の花


昨日久方ぶりに万葉の森公園に足を運びました。
本当にどれくらいぶりでしょう。

体力も未だ戻りきっていない中 無理して出掛けましたのは
森の樹々に報告したいことがあったからなのです。




数年前の日記「春になりにけるかも」にも書きましたように
この敷地に広がる静かな森は私の心の依所でもあります。

何かあります度に私はこの公園に足を運び
独りで時間を過ごしています。






・・・ネットでのお付き合いの長い人でしたら御存知のこととは思いますけれども
丁度4年前の今頃、私自身精神的にとても辛いことがありまして
そのことをきっかけとして夜眠れなくなり 食事も摂れなくなってしまいました。

その頃のことについて この日記にて書くことなどもう致しませんが
それでも時折 当時の日記を読み返し物思いに沈むこともあります。

「朝を迎えて」という日記に
その時の自分の気持ちを素直に書き綴ったこともございました。



・・・その文中にも出て参りますが
人間という者はここまで悲しむものなのか、と
これほどまでに苦しむものだったのかと思いました。

そう、悲しみのきっかけとなったものは本当にちょっとしたことだったのです。
ほんの些細なことでした。

けれど、当時の私にとりましては致命的ともいえるものであり、アキレス腱でもありました。
そのアキレス腱を見事にやられてしまったわけです。






・・・馬鹿ですね。
数ヶ月で体重を10キロ近くも落としてしまいました。
本当に食事が喉を通らなくなってしまったのです。

「食事が喉を通らない」という言葉自体は見知っておりましたが
そのようなことが実際に起こり得ることを 恥ずかしながらこの時になって初めて知ったわけです。


それでも日常生活の中におきましては仕事もこなし
他の方々の前では普段と全く変わらぬ態度で生活しておりました。

それでもどうしようもなくなりますと
夫の膝に座り そのぬくもりに包まれながら少しずつ元気を取り戻していたのです。






幼い頃より 自然に包まれた中で育ってきたものですから
どうしても海や山が恋しくてならないのですね。

けれど 今住む土地では美しい海を望むこともできませず
そしてまた緑豊かな山も近くにはありませず
そんな中 ようやく辿り着きましたのが稲美町・万葉の森公園だったのです。



その公園には身を隠す森がありました。
なるほど手入れはさほど行き届いてはおりません。
季節によりましては草茫々で こ、ここは本当に公園なのか?と思う時さえあります(笑)。

けれど、自然のまま、というのが嬉しい。
何処かよそいき顔のきれいに整えられた公園・・・そのような公園でないのが何より嬉しいのです。




上を見上げますと 森の樹々は広く豊かな枝を広げ
地にある者を包んでくれます。

樹々の葉のさやぐ音を聴きながら
私は独り目を瞑り そこに佇みます。

夏や冬の時期には 長時間公園内におりますと体力を消耗したり風邪をひきますので
長くとも30分から40分程度でしょうか。

秋や春の時期には気候も丁度良い頃ですし
もう少し長い時間、公園内にとどまることもできます。






4年前の今頃の時期、私はこの森にまで車を飛ばし
森の樹々に自分の悲しみを伝えておりました。

何か言葉で伝えるわけではなく 悲しみは悲しみのまま
ただじっと森の中に身を置き、森を吹く風の音を聴いていたのです。






万葉サイトである「万葉人」を作成し始めましたのも丁度この頃のことです。
なんとか元気になろう、がんばろうと思い
いわば自分を奮い立たせるためのサイト構築でありました。

そのサイトを開設しまして早くも3年経過。
今では更新もほとんどしなくなっておりまして休止状態となっております。







万葉の森公園に足を運ばなくなり、そして「万葉人」を更新しなくなりまして
かなりの時間が経過してしまいました。

しかし見方を変えるならば 
いつしか数年前の心の傷も癒え ほぼ完全に立ち直ってきたことの証ではないのだろうかと。




・・・その思いに至りました時、私の中におきまして
万葉の森、そして万葉サイトが別の意味合いを持って存在し始めるようになったのです。

傷付いた自分を守ってくれる森としてではなく
今度は私自身が深く愛してゆくべき森として

そして 自身を奮い立たせるために必要だったサイトではなく
万葉集を今まで以上に愛してゆく為のサイトとして私の中に存在するようになったのでした。







・・・上手く言えないのですけれども
言葉にできぬ様々な想いを胸に 森の樹々に逢いに行きたくなったのです。

そして昨日久しぶりに 森へ足を運んだのでした。





鳥の声 風の音。
漏れてくる陽の光。

光を浴びる若葉。
そのみどりの美しさ。

真冬に聴いた松風の音はいつしか途絶え
柔らかな葉擦れの音が聴こえていました。




ひんやりとした風が頬を過ぎてゆきます。

森の暗がりでは「つぎね」が仄白い花を咲かせています。









万葉の森は いつもと変わらぬ姿で私を迎えてくれました。


おかえり、という声が聴こえてきそうでした。














お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015.06.04 13:20:18
コメント(0) | コメントを書く
[万葉の花] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X