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ひよきちわーるど

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2010.03.01
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カテゴリ:万葉集

万葉集を愛するひとりとして
どのような点に惹かれましたか?と問われれば
迷うことなく 
防人の歌、そして東歌が収録されていたからと答えるだろう。

確かに万葉集中、名だたる歌人はたくさんいるのだけれど
それでも、防人の歌や東歌には理屈抜きに惹かれてしまう。




しかし、いくら愛する万葉集とはいえど
どうしても腑に落ちない点はいくつかある(笑)。

天平勝宝7年、朝臣人主、防人部領使守が防人の歌を進上したけれども
家持曰く「そのうちの、稚拙な歌は省いた」と。




正直言って・・・かなり落胆してしまった。

何が稚拙で何がそうでないのか
それは家持ひとりが決められることなのか?と。

確かに家持のおかげで防人の歌は現代にまで残っているのであるし
その点、深く感謝している。


しかし、ひとりの人が万感の思いをこめ詠いあげたものを
単に「稚拙である」と断言する権利など、誰にもない。

もしも、文法に誤りがあったのならば
そしてその点が稚拙であるというのであれば
直しておけばよいではないか。

その人の「こころ」を
どうして後世に残そうとしなかったのだろう。

その点が本当に悔やまれる。




・・・歌の価値というものは
言葉をどれほど多く知っているか、巧みに使いこなすか、知識があるか
・・・そんなものでは決してはかることなどできない。

その歌に触れたひとの心を
どれほど揺り動かしたのか、生きる希望を贈ったかではないだろうか。






稚拙であるというのであれば

本当の意味において稚拙な歌・・・
もっと言うならば、怒りさえこみ上げてくる歌がある。



   香塗れる塔にな寄りそ

       川隈の屎鮒食めるいたき女奴

 
                 万葉  巻16 3828



身分の低い女性を卑しんで詠う歌。

戯笑歌であるのだから、もしかしたら
「やれやれ、こんな歌作ってしようがないわねぇ」などと
苦笑いするだけにとどめるべきかもしれないけれど
とても、そんなことは出来ない。

身分が低いと言うだけで 
他人を侮るその心が救いがたい。






自身の想いを詠いあげるという一点において
生まれ出る歌は 皆等しく美しい。

巧みであるか否か
身分が高いのかそうでないのか
そういうことなど全く関係のないことである。





・・・・願いを書くとすれば

庶民の歌、歴史に名を残すことのなかった人々の歌を
もう少し、多く取り上げて欲しかった。

ひとりの人の歌を
何十首も何百首も収録するのではなく。















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Last updated  2015.03.13 21:46:54
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