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カテゴリ:教育
先日娘と話していて考え込んでしまったことがある。
彼女の友達に少々エキセントリックな子がいる。 中学になるまでは養護学校のようなところに通っていたらしい。 娘が言うには軽い自閉症かもしれないということだ。 話を聞いていると、社会性があまりなかったりするわりに成績はずば抜けているところから、たぶん高機能自閉症だと思う。 彼女は建築家になるのが夢で大学もそっち方面への進学を希望している。 娘とはデザイングラフィックの授業が同じで、よく彼女のことが話題にあがる。 娘の話では、彼女は絵が上手に書けない。でもルーラーやコンパスなど道具を使って作品を作ることはものすごく得意で、かなり緻密な製図などは得意中の得意としているのだ。だから建築家を目指している。 しかし、ルーラーなどを使うこと無しに絵が描けないため、大学に提出するポートフォリオ(今までやってきた作品をまとめたもの)を見ていると四角い物しかないそうだ。 普通の絵は四角いものに比べて極端に稚拙で子供っぽいということだ。 ところが、彼女はGCSEでもASでもきちんとAをとっている。 日頃から絵を描くのが好きだとか、コンピューターソフトで思いっきりおもしろい作品を作る娘の成績はパッとしない。 「どうしてEちゃんは四角しか描けないのにAを取れて、絵が好きだと公言しているあんたは成績が悪いの?」と聞いてみた。 そしたらこんなことを言うのだ。 「Eは自分のできることしかやらないからやん。自分が100%できることだけをコースワークのテーマに選ぶから失敗がないねん。でも私はせっかく勉強できるんやから新しいこと、興味のあることをテーマに選びたいねん。」 なるほどとは思ったけれど、結局その成績が大学進学の時に評価されるわけだから、興味のあることがあったとしても、絶対に失敗のない自分ができる事をやっておく方が無難に決まっている。それで成績が良ければそれにこしたことはない。 そう娘に言うと、 「たった2年間しか勉強できへんねんから、自分がやりたいこと、おもしろいと思うことをしたいやん。それがちょっと無理かもしれんなと思ってもやりたいねん。簡単にできることをしてもおもしろないやん。」 それでも今年は忙しいのもあって、最初に考えたことよりもずっと簡単なものを選んだそうだけれど、それでも楽しみながらやっていることには違いない。 でも、成績を優先して得意分野でやるように教師は指導してくれないのかな? たぶん生徒の意思を尊重する環境だから無理強いはしないだろうな。 というわけで、今年の成績もあまり期待できないかもしれないなと思うと少々ブルーになってしまった。 そんな私に3Dソフトで作った、バーに置くような背の高い椅子のデザインをMSNで送ってきたりする。すごくPOPなデザインでおもしろい。 やっぱりあの子は私の子供やから、遊びの発想から極端に離れたことはできないのかもしれんな。 まあどんな結果になっても自分で納得してやっているんだから、ガミガミ言わずにだまって見守っておこうと思った。 結果が出たときからやり直しだってできるもんね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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