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  ねむい

  う・・・眠い。今日は実験してました。それなりに早起きしたので、すげえ眠いです。デスノートの映画やってましたね。面白くない事も無いですが、個人的にもっと暗い感じで進めて行った方が好みだったかもしれません。あと、演技的な面で原作とは結構異なる感じが・・・。やはり、漫画やらアニメをドラマにするとどうしても違和感が出ますね。結末は中々良い感じでした。特に本当の最後が切ないです。ここの演出は原作並でした。・・・眠いので寝ます。何時もよりとても早いお休み時間です。この調子でどんどん早寝にしていきたいですね。なんか良く分からない絵になった・・・。

  Feb 9, 2008

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  たい

  今日は晴れでした。明日も晴れでしょう。たぶん。何かタイに行った夢を見ました。行った事も無ければ想像するのも難しい場所です。かなり日本が入ってました。どうやって行ったのかは分かりませんが、すでにタイでした。そこで色々有りました。何か高速で動くゾンビみたいな奴と戦ってました。そこで刀・・・というより匕首・・・いえ、脇差くらいですかね。そのくらいの長さの、白い刀身をした伝説の武器か何かが折れてしまって、最終的に強度的には劣るけど戦闘のバリエーションが増える２刀型になってました。問題は帰りです。何故か漁船な船で帰国する事に。ドライビングテクニックが凄すぎるタイの方が運転手でした。あれは凄かった・・・。さて、luneさんの所からバトンを頂いてきました。絵描きバトン。1.下書きをするとき、先ず何から描き始めますか？下書き・・・・・・。顔なら眼から。全身像ならば、体を先に描いて顔は後です。2.線は一本で描く？短い線を何度も描いて消してく?下書きは線を重ねます。ペン入れ時は基本一本、線にトーンを付ける時は当然同じ場所をなぞります・・・て、何か微妙に答えになっていないような。3.一人の下書きを完成させるのに時間はどれくらいかかりますか？下書きなら１０分くらいですかね。というか、線画を描きながら綺麗に下書きしてる感があります。4.一番最後に描くのはどこ？顔なら耳。全身像なら下へ行く毎に後になります。5.主線は何で入れますか？ペンです。アナログはGペン、デジタルは使うツールのペンツールです。主線無しで頑張りたい今日この頃。6.ペン入れの特徴またはコツを教えて下さい。Gペンは勢いと慎重さ。ペンタブなら始点と終点に狙いを定めて力を入れずに一気に引きます。7.主線はどの部位から入れますか？眼です。8.ペン入れはどの位時間がかかりますか？背景が有ると結構かかります。いや・・・あれは結局下書きに時間がかかってるから、ペン入れ自体はどんなに多くてもそんなにかからないのか？人物だけなら１時間くらいです。9.色を塗るときは何を使いますか？アナログは百均の色鉛筆。アナログはペンツールです。10.塗り始めはどこから？眼です。基本的に眼から始まります。11.影はいつつけますか？肌なら肌を塗った時に髪なら髪を塗った時につけます。12.塗り方の自分なりの特徴、またはコツを。色は難しくて良く分かりません。でも楽しいので頑張って塗ります。13.最後に塗る部分はどこですか？眼→肌→髪→服→背景　みたいな感じです。14.背景はいつつけますか？下書きの時点で全部描く・・・と思いますが。15.どんな背景が多いですか？基本的に色で誤魔化してます。たまに普通の背景を描きます。16.得意な構図または描きやすい構図は何ですか？そんなものが有ればもっと上手いはずです。17.では苦手な構図は？難しい構図です。18.描きやすいジャンルは？漫画的な絵です。19.描きにくいジャンルは？獣人。合宿でのトラウマです。他意は有りません。内輪ネタですが。一体どんな会話で・・・いや、普通に使うか？理系だと結構出てきそうな言葉。

  Feb 8, 2008

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  G・E・R

  今日は水曜日でしたね。ああ、もう日が変わってるので木曜日か。いえ、私的今日日記を書いてるので水曜日で良いのです。人生とは重力の様なものですね。引き付け、引き付けられ、落ちて、飛んで、重くなり、軽くなり。常に何かに干渉したりされたりしながら、引力と斥力を放射し続けています。引力と斥力という言葉に放射という表現が正しいのかは分かりませんが。まあ、それは置いといて。人は己の価値基準で行動する生き物で有ると同時に、他人の価値基準で行動する事も容易な人間ですよね。それはスイーツ（笑）の例を見るまでもありません。流行という言葉が人の眼をいとも簡単に曇らせるのです。では、他人の価値基準で行動する時の心理とは一体どのようなものでしょうか。なんとなく推察されますが、これは少数派になる事への恐れやら色々、まあそういう類の心理が関わっているんじゃ無いかと。傾いた皿の上のビー玉の様に、人は転がり落ちて行きますね。それもまた重力なのでしょう。流行という名の重力に正しく落ちているのです。自分の人生が、自分以外の重力に振り回されている事を意識しないままに。それは決して悪い事では有りませんよね。そうした方が無難に生きる事が出来るのですから。ただ、まあ何となく私は面白くない。それがただ単に天邪鬼的なもので有るとしても、私はなるべく自分の重力で周りを動かして行きたいなあと思います。強すぎる重力は身を滅ぼしますがね。だから、ほどほどに世間に逆らって生きたいなあ。とかいう事をハルヒのゲームをやりながら思いました。軽くゴールド・エクスペリエンス・レクイエム状態です。ハルヒがスタンド使いだとは知りませんでした。スタンド温泉にでも行けよ。ノイトラです。久保さんが笑わせるノイトラが好きです。

  Feb 7, 2008

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  あきらさん

  ああ、今日は微妙に暖かい一日でした。さて、昨日書けなかったブリーチへの想いを。ノイトラを剣八が圧倒。現時点での強さの関係です。剣八＜ノイトラ（未解放状態）＜グリムジョー（未解放状態）＜＜＜＜＜＜＜越えられない壁＜＜＜＜＜＜＜卍解した一護＜＜＜＜＜＜＜＜越えられない壁＜＜＜＜＜＜＜ドン・観音寺。一護弱いなあ。剣八はノイトラの虚閃を片手で弾いてましたからね。ちなみに、卍解した一護の月牙天衝はグリムジョーの虚閃に、いとも簡単に打ち負けてました。一護弱いなあ。昨日はようやっと、ここに乗せてた小説を描き終えたわけですが。なんというか、本当に行き当たりばったりで自分の実力を知る良い機会でした。構成は滅茶苦茶、焦点が今一定まらない、オリジナリティの欠如等、様々な欠陥を抱えておりましたね。まあ、描いてて楽しかったですが。色々勉強になったと思います。思い返せば、第一話を描いた時点では続る気はありませんでした。次に、何かブログで小説を描きたくなって、じゃあ以前描いたもので短編でもだらだら描こうかと考えました。それから数話描いて、終わらせてみたくなりました。終わらせてみたくなった時点で、大体どんな話にして何処で伏線を立てて・・・というのは頭に有ったのですが、上手く表現出来ません。構成を眼に見える形で描いておかなかった事が災いしてました。まあ、ちゃんとプロット立てたからと言って、ちゃんと面白いものが出来るかどうかはまた別の話ですが。次はARIAのパロ短編描こうかなあ。ARIA５話のクオリティが驚くほど高かったので思わず。誰だこれはと怒られそうですが、一応、晃さんです。

  Feb 6, 2008

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• エピローグ　～夕陽の向こうにミエルモノ～

  疲れた。 すでに空の青は赤へと変遷しており、夕方と呼ぶに相応しい時間帯になっていた。時間にして、２時間ほどは空を見上げ続けて、ぼ～っとしていた事になるだろうか。 だが、疲れた理由は、空を見上げ続けていた事には無い。 精神的な疲労が強いのだと思う。「ああ…………」　意味も無く声を出してみる。意味も無く出した声は意味も無く大気へと拡散し、意味も無く己の心をさらに空虚にした。 どうして葉月さんは死んだのか。 そんな事ばかりを考えて。しかし、答えが出るはずも無く。それを考えまいとする努力はした。だが、どうしても考えてしまうのだ。そして気がついたら、職員室から鍵を拝借して屋上に居て。 彼女が飛び降りた場所に居れば、何かが分る気がして。 しかし、やはり分かるはずも無く。 ここから離れる気も起きず。 このまま夜を迎えるのだろうか？　そうなれば、見回りに来た誰かに見つかって…………かなり怒られるだろう。　だが、そんな事はどうでも良いような気がした。例えこっぴどく怒られる事になろうとも、今はここから離れたくない。「もう…………なにがなんだか」　何をしたら良いのか。 どうすれば良いのか。 自分はどうすべきなのか。そうした事が全く分からない。 このままで良いとは思っていない。何時かは立ち直らなければならない。 だが。 そもそも、自分は一体どの様な人間だっただろうか？　 普段どの様に振舞って、どの様に笑っていただろうか。立ち直るとは、一体どの様な状態に戻る事を言うのだろうか？ それを思い返そうとすると。 思い浮かぶのは、何時もとなりに居た彼女の事ばかりで。「私ってどんな人間だったかなぁ…………」　とっくに枯れ果てたと思っていた涙が、語尾を濁らせて視界を歪曲させる。 つくづく、今までの自分が如月葉月という人間に依存していた事を思い知らされた。「自分がどの様な人間かなど、考慮に値しない事だと思うがね。もちろん、それを考える事は非常に有意義な事では有るが」「っぃきゃあ！?」　隣から突然聞こえてきた声に、クルミは思い切り体を揺らせて驚いた。 何時の間にか、幽鬼の様に突然と己の隣に男が出現していた。いや、自分が気がつかなかっただけで、普通の扉を開けて屋上へと来たのだろう。当然の事だが。「こ、こ、公爵君…………？」　浮かんでいた涙を慌てて拭いながら、その男の名を呼んだ。「どうしてここに」「なに。開いているはずの無い扉が開いていたのでね。気になった」「そ、そう…………」　何故クルミがここに居るのか。その理由を、彼は聞かなかった。 理由など分かりきって居たからだろう。クルミが傷心で有る事も分かりきっているだろうし、傷口を敢えて抉り返す様な男では無い。「あの、さっきの事だけど…………」「さっきの、とは？」「あの、考慮に値しないって…………」「ああ………………」　彼は壁から背を離すと、屋上の真ん中辺りへとゆっくり歩いていった。歩く姿を意識しているのだろうか？　彼の歩く姿はとても偉そうに見える。だが、嫌味には決して見えないのだ。 そして立ち止まると、こちらを振り返った。その姿も妙にさまになっている。「別に大した事では無い。誰もが己の本当の所など、把握していないのだからな。それを考慮している者は、考慮していない者よりも人間的に上だと思うか？　実はそんな事など全く関係が無い。考慮している者は自分の事をある程度把握したと考えている愚か者か、それともさらに深みにはまっていく愚か者かの２種類に分かれ、考慮していない者は己の事をまるで考えた事も無い愚か者だ。結局、この世の中には自分の事をまるで把握していない馬鹿ばかりになる」　なんだか、何処かで聞いた様な理屈で、胸がうずく。「はぁ…………」　と、答えるほか無いクルミだったが、「…………と、葉月が言っていた」「えっ？」　葉月の名前を出されて、思わず立ち上がった。ずっと座っていたからだろうか。妙に体のあちこちが軋む。背を預けていた壁が無くなったために、背中の辺りが妙に冷たい。 何処かで聞いた様な理屈だと思った。それはそのまま葉月の言葉だったのだ。 なんというか、なんとも複雑な気分だった。「さて、これで君が馬鹿だという事が判明したわけだが、どんな気分だね？」「いや……そんな、私は別に…………」　心に引っかかるものは有るが、何とも言えない。「おや、そうか」　彼はこちらへと向けて再び歩き出した。そして、数歩先で止まる。夕焼けの逆光で少し眩しい。「私は葉月にそう言われた時、何と言うか、気が楽になったよ」「気が…………楽に？」「世界に馬鹿しか存在し無いのだとしたら、上を目指すためにはちょっと優秀な馬鹿であれば良いだけなのだからな。まあ、馬鹿の意味合いは少し違うのかもしれないが」「はぁ…………」　なんだか、先ほどとリアクションが同じだなあと思いながらも、同じリアクションしか出来ない。「しかし、なんだろうね？」　言いながら、彼はクルミの横を通り抜けて、出入り口へ向かう。「考慮しても考慮しなくても愚か者で有るならば、自分の本当の所とは、一体どうやって把握すればいいのだろうかね。もし、行動する以外に無いのだとすれば、それはとてもしんどい事なのだろうな。それ以外に無いというのも、また事実なのかもしれないがね」「……………………」　早く帰るようにと言い残し、この学校の前生徒会長は姿を消した。未だに彼が生徒会長で有るという錯覚を起こしている者は多々居るが。　再び一人になって、再び空虚な空気が辺りを漂い始めた。 しかし、確実に変わったものが有る。「馬鹿…………か」　彼の言いたい事は分かった。なんとも回りくどい励ましの言葉だったが。　きっと、葉月が居ても同じ様に言っただろう。いや、もっと優しく言ってくれたかもしれない。 まあ、どちらにせよ意味は同じだが。 空に覆う赤色の空は、あの日見た青空と変わらぬくらいに美しく。 その夕焼けの空気を漏らさず吸い込むかのように、大きく深呼吸をした。 …………まだ立ち直るには時間がかかるかもしれないけど。 取りあえず、精一杯生きてみよう。　辛い現実が眼の前にあるけれど。 葉月に恥じない生き方をしてみよう。 「私は私の成れないものに成りたいのよ」「それはどんな言葉遊びだ？」　夕焼けが世界を支配する時間帯。 葉月とアッシュの２人は、場末に有る平凡な高層ビルの屋上に居た。その内部が平凡で無い事を知る物は限られているが。 ここはすでに、葉月が今まで居た土地からはかなり離れている。自分を死んだ事にしてあの土地を離れたのだ。同じ場所に留まって居る事は得策ではない。「そうね。有る意味言葉遊びだわ。自分に成れないものなのだから、それは決して成れるはずのないものよね」 夕焼けは、短波長光線が入射角の関係で障害物に衝突する頻度が増し、吸収されやすくなるために、長波長光線が代わって散乱される事から起こる現象である。　…………夕陽は超然としてそこに存在し、見る者を圧倒し続ける。魅了という名を冠する、圧倒の代表格だ。そこには、あらゆる理論を超越した美しさが確かに存在した。 だが、普通の人間が考えるのはそこまでだ。 夕陽の向こうに有るものを、誰も考えようとはしない。「でも、果たして本当にそうかしら？」「どういう意味だ？」「救いが無い、という意味よ」　ふと、屋上から見えるこの夕陽を、あの少女は見ているのだろうか？　と葉月は考えた。 早峰クルミは、見ているのだろうかと。 クルミは、葉月にとって唯一とも言える、手放しで心が許せる存在だった。 それは、クルミの体質に起因する。 彼女は葉月の能力を受け付けない。 絶対の強制力で人の可能性をより良い方向へと導くという、葉月自身も制御不可の能力を受け付ないのだ。 クルミと出会う以前、葉月は己の存在に疲れ果てていた。他人の人生をいとも簡単に左右してしまう己の存在に辟易していたのだ。 より良い方向へ変化させると言っても、その影響力は微々たるもの。結局、後はその人間次第なのだ。それはつまり、葉月が言葉をかけたせいで人生を破綻させてしまう可能性をも孕んでいた。 極めて理屈的にその事を理解していた葉月は、それでも見えてしまう『他人をより良い方向へ帰る言葉』に疲れていたのだ。 そんな時に、葉月はクルミと出合った。 それは救いだった。なんの気兼ねも無く付き合える相手。そんな存在は親も含めて、人生で初めてだったから。 葉月は、クルミに依存してそれからの日々を生きていた。「私はね、中途半端なのよ」　防護柵に身を預けて、葉月は言う。「異能力者なのに、能力が使えない。でも、普通の人間では無いのよ。これほど中途半端な存在はそう滅多に居るものでは無いわ」「少なくとも、私はお前以外に見た事が無いな」　何の気遣いも無いアッシュの言葉。この男には人の心の流れを完全に無視して、一人超然と存在している印象があった。「中途半端な存在。私はそれが我慢なら無いわ」　クルミはあの時言った。 自分が変われたのは、葉月のお陰だと。 だが、そんな事は決して無いのだ。クルミは葉月の能力を受け付け無いのだから。 クルミは葉月を完璧な存在と信じて疑わないだろう。 だが、それは違うのだ。自分ほど中途半端な存在も居ない。クルミの向けてくる、信頼の眼差しは、嬉しさと同時に胸の痛みを運んできた。こんな中途半端な自分を完璧と信じさせている事が申し訳なかった。 葉月には、それが我慢ならなかった。「グレー…………彼女は、とても生きていたわ。己の存在理由を求めて、不確かな世界へ飛び込んでいった」「…………奴はあまりに刹那的だったがな」「そうね。私には真似出来ないわ」　しかし、だ。グレーは確かに生きていた。 自分など比較するにもおこがましい程に、全力で生を駆け抜けていた。持てる力の全てを出し切っていた。その先に何が見えるでも無いだろうに。 それに比べ、自分はどうだろうか？ 己の能力に辟易し、クルミという心許せる人物の元で、中途半端な自分を完璧という欺瞞で覆い隠していた。 クルミと出合った事を否定してはいない。クルミに出会っていなければ、確実に自分は何処か壊れた人間になっていただろう。 もちろん、それとこれとは別の話だ。 葉月は、グレーという人間を殺した事で、その人生全てを根こそぎ破壊してしまった事で、自分の生き方が恥ずかしくなったのだ。「私は、中途半端な自分を変えるわ」「異能力を使える様にする、という事か？　不可能に近いぞ」　その可能性が限りなく低い事は自覚している。脳に生まれつき欠陥が有る様なものなのだから。 だが、背水の陣を敷いてしまったのだ。クルミという安心材料を放棄する事で。もう、後戻りは出来ない。「私は、私の成れないものに成るわ」　言葉に出して、己の決意をもう一度確認する。 夕陽の美しさに魅了されて、その先を見ない者には決して分からないだろう。 眼に見える夕陽の先に広がっているのは、真空の世界と灼熱の太陽という現実だ。 現実を見るという事は苦痛を伴う作業でしかない。だが、その中に真理が含まれているのもまた事実。 また、あの少女と。 クルミと出会うために。 中途半端な自分から脱し。クルミの望む完璧な自分となり。再び彼女と出会うという現実を手にするために。　その時、クルミは何を思うだろうか。 激しく怒るだろうか？ それでも構わない。 その時は、許してくれるまで謝ろう。 …………夕陽の向こうにミエルモノに向かって。 葉月はゆっくりと、手を伸ばした。--------------終りです。ちょっとどん詰まり。この話を描くに当たっての色々な想い等は字数に余裕のある明日で。

  Feb 5, 2008

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  にんげんだもの

  今日は節分でしたね。ええ、節分でした。節分でしたとも。さて、節分の三段活用を唱え終わったところで。節分らしく豆知識。節分というのは各季節の始まりの前日を表す言葉で、２月３日だけを指す言葉では無いとの事です。各季節とは所謂、立春・立夏・立秋・立冬です。皆さん知ってましたか？私は全然知りませんでした。今日知りました。この年になって恥ずかしい事です。これって多分常識なんでしょうね。もちろん、現代的な意味合いは２月３日の事になるらしいのですがね。バイトが終わった後、友人宅へ。雨が降っていると外へ出れない友人のために、太巻きの物資配給です。ついでにうどんも食べました。鉄火巻きは美味しいですね。たまに食べると太巻きも良い物です。というか贅沢品です。だらだらしてたら日が変わってました。あの家は時間を忘れてだらだら出来るなあ。にんげんだもの。今度もっとじっくり描いてみようかなあ。やはりプロは凄いですよ。描く度に実感します。

  Feb 4, 2008

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  めんて

  メンテ。メンテだー。あとバイトでした。今日もバイトです。節分なわけですが。先に太巻き買っておきますかね。ハルヒ、一週目がようやく終わりました。何か酷いゲームが出来ました。ループ。記憶を持って一ヶ月前に飛ばされる四人が哀れ。長門＋チアキ。この長門は扱いに困らなさそう。

  Feb 3, 2008

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  ばとん

  もうカレーは飽きました。そろそろ何か違うもの食べましょうかね・・・。luneさんの所からバトンを頂いてきました。イラストバトン１.今からイラストバトンを始めますけど、心境はどうでしょうか？そうですね。取りあえずヴェネツィアへ行きたいです。２.初めに聞きますが、パソコンで絵を描き始めたのは何歳の時ですか？２２歳です。パソが手に入ると同時にペンタブを買いました。３.それでは今パソコンで絵を描き始めて何年経ちますか？そろそろ２年くらいですかねー。細かく言うと、１年と９ヶ月くらいです。４.最初の頃に描いた絵を見れますか？出来ますよ。５．よろしければ最初の頃の絵を見せてもらえませんか？始めは紙に書いてたので・・・。もう無いですね。６.では何塗りをメインにしてますか？アニメ塗り？ですかね。もっと厚い塗り方にしたいなあ。７．絵のセンスなど何でも構いませんが、見習いたい人尊敬している人はいますか？絵を描くのが好きな人は尊敬できますね。８.正直に言って下さい。自分の絵に自信を持ってますか？一ヶ月前より今日の方が上手い自信は有りますが、それと自分の絵に自信があるのとは違いますよね～。正直、上手い人は腐るほど居るので自信なんて持てないです。あと、自分の絵に自信をもって良いのはそれでお金を稼いでる人だけだと思います。９.それでは次の項目に当てはまる方の名前を５人書いてその人に回しましょうぶっちゃけ回す絵師さんがあまり居ないのでここは省略で・・・。というかそんなに居るものなのだろうか皆さん。はるひー。何か今日はあんまり上手い事作業が進まなかったです。さｎさん

  Feb 2, 2008

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  とまどい

  今日は眠い日ですね。何時も大体眠いですが。さあて、ハルヒのゲームを買ってきました。普通に面白いなあ。なんか、想像していたのよりも取っ付きやすいです。システムもそれほど難しくないですし。各キャラの言動にＳＯＳ団が感じられて良いですね。作業を進めていってゲームを作るわけですが・・・。ハルヒの納得するゲームってなんだろう。まるで分からないですね。ゲーム内にらき☆すたネタがあってちょっと笑えました。長門、一体どんな本を読んでるんだ。ハルヒ。あ、制服の色がちょっと濃すぎた。まあいいや。

  Feb 1, 2008

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  ぎょうざ

  今日は晴れましたね。久しぶりな気がします。いや、やはり太陽は気持ち良い。さあて、無事に晴れたので実験が行われました。なんか凄い久しぶりな気がするなあ。1ヵ月ごとの恒例行事なのでそんな久しぶりなはずも無いのですが。水が冷たいからなのか、それとも連日の雪による水量の増加に起因するものなのか、水は何時もよりやや綺麗でした。少なくともリン量においては。まあ、基本的に汚い湖から水を取ってきているので、綺麗も何もありませんがね。うーん、どうも話題に乏しいなあ。明日はハルヒのゲームを買いに行って・・・。卒論のためのデータ整理やら資料やらを借りに行って・・・。むう、明日の予定なんて書いても仕方が無い様な気がする。あ、そうだ。中国から輸入した餃子で腹壊した人が居るらしいですね。かなり安い部類の餃子ですから、そういう事も気をつけなくてはいけないのですか・・・。いや、そもそも金を払ってるんだからその食材そのものに関しての安全性は保障されて然るべきなのだから、そもそも気をつける意味が分からないですね。とはいえ、自分の身を護る最上の手段は常に何かしらの防衛線を張っておく事なので、安全性すら値段のうちに含まれているようなものでも完全に信じるべきでは無いのでしょうが。らくがき。

  Jan 31, 2008

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• 貴女が居てくれてよかった

  「あら？　生きてたのね」　風邪を引かないように羽矢音の体に自分の着ていたセーターを掛け、屋上を後にした葉月はアッシュの姿を探した。 アッシュの気配はとても感じにくくなっていて、生きているかどうかが疑問だったのだが。どうやらまだ生きていたらしい。「灰で…………傷を塞いだ…………」　喋りにくそうに、そして動きにくそうに言ってくる。実際、喋りにくく動きにくいのだろう。毒が抜けきっていないのだから当然だ。「その様子だと、毒ね。天と地ほどに実力差が有りながら、情けない」「お前こそ、酷い……顔だ。…………歯に仕込んでおいた解毒剤が、役に、立った…………よ」　グレーの使用する毒など、アッシュにとっては知れた事だったのだろう。もっとも、グレーの使用する類の毒がどういうものかは容易に想像が尽く。毒もナイフも、設置していたセーフハウスの周辺に隠していたのだろうから、使用された毒が一年前の物と同種である事は想像に難くない。「これが無ければ…………死んでいたな」　毒が体に回っていては、能力は使用できない。解毒剤が効いてくるまでの時間は、恐ろしく長く感じた事だろう。灰で傷口を塞ぐなど無茶も良い所だが、己の能力で作り出した灰であるだけに、体とは親和性が有るのかもしれない。「ずいぶんと用意が良いじゃない」「奇跡は…………信じない…………のでな。事前に……準備くらいは…………しておくさ」　葉月には良く分からない事を言って、口元を歪ませた。笑おうとしたのだろうが、上手く笑えていない。 ２、３度口元を引く付かせたアッシュは、突然真面目な顔を…………普段から十分に鉄面皮では有るが…………作った。「グレー……は…………？」「死んだわ」「そう…………か………………」　アッシュの表情から、その時の気分を読み取るのは非常に難しい。複雑なものを胸に抱えているとなると、尚更だ。 だから、葉月にはやや視線を落としたアッシュが、一体何を考えているのかまるで分からなかった。今にも涙を流してもおかしくなかったし、馬鹿みたいに笑い出しても違和感が無い。だが、そんな単純な感情が、果たして今のこの男に当てはまるのかと言われればハッキリとノーだ。それくらいは何となく分かる。分かるのはそれ程度の事だが。 いや。 自分は馬鹿だ。 大切だった人間と刃を交え、さらに２度もその殺害に関与したのだ。何か思う所が無いわけが無い。そんな事、考えなくとも分かって良さそうなものだ。 きっと、アッシュの胸中には悲しみがいくらか存在して、それに類する様々に複雑な感情が…………。 葉月は嘆息した。 止めよう。鬱々とした気分になるだけだ。「ねえ、アッシュ…………」「…………なんだ」「お願いが有るのだけど」　考える変わりに、葉月はずっと考えていた事を口に出した。 それは、ずっと考えていた事では有るが、ずっと実行に移せなかった事で…………。 連絡を入れていた組織の人間が来るまでに、話は終わっていた。 クルミはその日、とても気分が良かった。 それは何故か。 もちろん、彼女の気分が良い事に理由など無い。そうで有ると思うことが出来れば、クルミの気分は何時だって上々なのだ。 朝、元気良く学校へ登校し、葉月と気分良く会話し、昼食を食べ、授業中に他愛も無い事を考えて、それだけで十分なのだ。 そして、何時もの様に葉月と下校しているこの瞬間だけで、クルミは幸せだった。 己の吐き出した吐息は白く、それが現在の気温を物語っている。「どうしたの。クルミちゃん？　とても嬉しそうだけど」　聞きなれた声が、良く通る声が、とても綺麗な声がクルミの名を呼ぶ。　隣を歩くのは当然、如月葉月その人だ。 思えば、中学生からの付き合いで、当時は少し敬遠されていたが、２人は徐々に打ち解けていったのだ。「ううん、なんでもないよ葉月さん」　笑って答える。 葉月との付き合いも、もう６年。それはクルミが葉月に依存していた年月に相当する。　依存、と言えば語弊が有るのかもしれない。だが、クルミはその表現がピッタリだと思っていた。 彼女が居なければ、クルミの人生はまるで違ったものになっていただろうから。 葉月と出会うまでのクルミは、今の様な性格では決して無かった。一般的に暗いと言われるような性格で、とてもでは無いが毎日気分良く過ごしていたとは言い難い。 だが、葉月と出会うことでクルミは変わったのだと思う。 葉月の完璧さに憧れた。葉月の優しさを好きになった。葉月の全てを尊敬していた。 葉月の様になりたいと考え、目標にした。 だが、すぐに自分には不可能だと分かった。だから、考え方を変えてみたのだ。 同じにはなれない。同じにならなくても良い。 今までの自分を変えて、毎日を楽しく生きようと。自分に出来ることはその程度だと考えたのだ。　始めはとても難しかった。だが、徐々に慣れていって…………今は毎日が楽しい。「有難うね、葉月さん」　気がつくと、クルミは葉月に礼を述べていた。 これには葉月も虚を突かれた様で、驚いた顔をしていた。彼女の驚いた顔など、滅多に見れるものでは無い。「私、何かしたかしら？」　とても不思議そうに言ってくる。 それがおかしくて、つい笑ってしまう。「今の私が有るのは、全部葉月さんのおかげだよ。　葉月さんが居たから、私はこんなに毎日が楽しく感じられる様になったんだよ」　最後に再び、『有難う』。 言ってしまうと、恥ずかしい台詞だった。顔が熱くなるのが分かった。 なので、なるべく葉月の方を見ないように歩いた。だから、彼女が立ち止まっていた事に気がつかなかった。 クルミが振り返ると、葉月との距離は数メートルほどになっていた。「…………？　どうしたの、葉月さん」　彼女は俯いていて、顔が良く見えなかった。　そして発せられた言葉は葉月にしては珍しく、弱々しかった。「それは…………クルミちゃんを変えたのは、クルミちゃん自身よ。私は何もしてないわ。だって、私の力は貴女には…………」　そこで言葉に詰まった。 クルミはとても戸惑った。そんな葉月を見るのは初めてだったからだ。何と声をかけていいのか分からず、だが、不思議と嫌な空気では無かった。 冷たいが心地良い風が体を包み、足元の砂を僅かに巻き上げて。 葉月はそこで、顔を上げた。「有難う、クルミちゃん」　そこに有ったのは笑顔。それも、何故だろうか？　今にも泣き出しそうに見える笑顔だった。だが、その笑顔はきっと、どんな人間で有ろうと心を奪われずには居られない様な笑顔で。 葉月の言葉と合わせて、今度はクルミが驚く番だった。 そんなクルミを見て、葉月は笑った。控えめに声を出して。それは何時もの彼女の笑い方だった。 気がつくと、葉月はクルミの横を通り過ぎて居た。「どうしたの？　早く行きましょう」　虚を疲れて若干放心気味だったクルミは、その言葉でようやく動き出した。 小走りで葉月に追いつく。 容姿の違いとは恐ろしいものだ。笑顔一つとってもこれだけ破壊力が異なる。何とも不公平だ。 だが、きっとそれで良いのだろう。 少し歩くと、葉月が立ち止まったので、クルミも立ち止まらざるを得なかった。 葉月がそうした原因は、用意に想像が付く。 眼の前に、見覚えの無い男子生徒が立ちはだかっていたからだ。いや…………何処かで見た事があっただろうか？　思い出せない。 葉月は違うようだったが。「あら？　もう体は大丈夫なのかしら。健太郎君」　葉月が健太郎と呼んだ彼は、とても追い詰められた表情をしていた。大事なものを失って何をすれば良いのか分からない時。きっと、人はそういう表情をするのだろう。 彼は真っ直ぐに葉月を見ていた。 何度か口を開こうとして、しかし止めて。だが、思い立った様に言葉を出す。 その声はとても疲れていて、とても重々しくて。「僕は…………これからどうしたら？」　それだけを言って、葉月から目線を外す。視線は下へ。俯いて。　葉月はしばらくその少年を見つめていたが、やがて微笑を作った。「貴方の思うように生きなさい」　クルミは、手に柔らかな感触を覚えた。葉月がクルミの手を掴んだの。あっと思う間もなく、その手に引かれて歩き出す。　健太郎と呼ばれた少年の横を通り過ぎる時、葉月は再び声をかけた。「彼女を落胆させない様に、ね」　彼女というのが、誰を指しているのかクルミには分からなかったが、少年にはそれで十分らしかった。 少しして、後ろから聞こえてくる嗚咽。少年は泣いているらしかった。 何となく彼の事は聞きづらい。葉月自身がすでにその事を忘れてしまっているかのように振舞っているので、２重の意味で聞きづらい。 クルミはそれなりに気になったが…………今からわざわざ話題を蒸し返して聞く程、興味をそそられた訳では無かった。少年が泣いていた事も有るし、楽しい話で無い事は分かる。それに、葉月に聞いてもはぐらかされそうな雰囲気だった。「ねえ、クルミちゃん」「え？　な、何…………？」　そんな事を考えている時に声をかけられたものだから、クルミは再び驚いてしまった。気が小さいのだけは昔から変わらない。「ある人がね、自分の望みを叶えたいと強く思ったの」「…………？」「その人はね、自分の欲望を満たすためなら誰が犠牲になっても良い、なんて思えるほど、本当は強くない人で…………でも、間違った思い込みで、ううん、本当はその望みからして間違った思い込みに端を発していたのよ」　そこまで言われて、ようやく誰かの話をしているのだと気付いた。「自分の間違った望みを叶えるために、その人は多くの人間を犠牲にしたわ。でも…………彼女は結局、望みを果たせぬまま死んでしまった」「…………死んだの？」「ええ。そして死ぬ瞬間に、その人は自分の何もかもが間違っている事に気付いたのよ。…………ねえ、クルミちゃん。その人は、後悔して死んでいったかしら」　これは何のなぞなぞだろうかと訝しみながら、それでもクルミは考えた。 そして、考えて出した答えは…………。「ごめん、分からないや」　何ともおそまつなものだった。自分の頭を叩きたくなる。 だが、葉月はその答えに満足したようだった。「…………そうよね。私も、分からないわ」　その会話の意味を図りかねて、しかしその話を葉月が終りにしてしまったので、クルミは深く追求しなかった。葉月と一緒に居ると、良くあることなのだ。　だが、クルミはふと言葉を出していた。「でも…………可哀想」「え？」「誰かが側に居てあげたら、きっとその人は自分の間違いに気付けたんだと思う」　クルミの言葉を聞いて…………。 何を思ったか、葉月は突然抱きついてきた。 思わず行動に、クルミの心臓が跳ねる。「ど、ど、どうしたの？　葉月さん」「ううん、なんでもないわ。…………側に居てくれる貴女が居て、私は良かった」　そんな事を言うものだから、自然と体が熱くなってきた。 嬉しいやら恥ずかしいやら。 いや、物凄く嬉しい。だが、その嬉しさを言葉にするにはどう表現すればいいか分からなくて。「あ、ね、ねえ。葉月さん。凄いよ。凄い綺麗な空」　我ながら訳の分からない事を言う。この場面でする様な話題でも無かろうに。 だが、葉月はそれに乗ってくれた。きっと、全て分かっているのだろう。「そうね、本当に綺麗な空」　体を離して、空を見上げながら言う。「ね、そうでしょう？　まるで青色の絵の具を垂らしたみたい」　それを聞いて、葉月は笑った。「クルミちゃんはメルヘン好きね。空が青いのは、短波長の光が大気中の不順物質に衝突して散乱するからであって、決して青色絵の具を垂らしたからでは無いのよ」 翌日、葉月さんは死んだ。--------------さて、ようやくやりたい事が出来ました。第一話とのリンクです。あと、エピローグで終りですね。

  Jan 30, 2008

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  ゆき

  雪だー。再びの雪です。晴れの国はただいま氷雪系です。今日はアレですね。雪の中ゼミの集まりへ行ったら、実は無くて無駄な時間を使っておりました。いえ、まあ物凄い近いから良いのですがね。ジャンプの感想です。ブリーチなのですが・・・。前回引っ張った保管庫の描写を無かったかのように扱ってました。これは後々の伏線になるのでしょう。剣八の闘いは中々良いなあ。ノイトラが若干鬱陶しい感じが有りますが。久保さんの癖が一番発揮される感じのキャラですね。戦闘中、妙にキャラが説明臭いという。個人的に今週のナルトは良かったなあ。イタチの本性と表情が良かったです。普通に面白いと思いました。それにしても、銀魂のスタンド温泉は来週へ持ち越しでしょうかｗ面白いので何週か引っ張ってくれても全然構わないですね。さて、予約したハルヒのゲーム、ファミ通での評価点は２８と中々高かったです。これは期待しても良いのかなあ。コタツと床の線が平行で無いだけで、こんなに違和感が。まあ床の線は色塗りの段階で消していきますが。

  Jan 29, 2008

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  みなみけ

  あー。寒い。なんだろうこの寒さは。突発的に描いてみたくなりましたので、描きました。パソで描くと楽ですね。でも5時間はかかった・・・。時間かかりすぎ。背景も何もない真っ白な漫画なのに。原作も大体似たようなものなのに差が出るのは、やはり実力の違いか。サイズ的にはもう少し大きい方が描きやすいかも。何の面白みも無い漫画です。考えると、漫画でパロって始めてかも・・・。

  Jan 28, 2008

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• きっと誰もが愚かで

  「何が言いたい」　その口調は常の彼女と変わらないものだったが、言葉の裏には隠しきれない苛立ちが有るように聞こえた。　葉月は首に手をかけられ、ゆっくりと締上げられた。左右からの強い圧迫は血流を止め、意識低下や意識混濁に繋がるだろう。　だが、当の葉月は冷淡な眼差しでグレーを見つめ返した。喉の痛みや窒息の苦しみ、果ては死の恐怖など、まるで感じていないかのように。 それが気に入らなかったから、というわけでは無いだろうが、首の圧迫はすぐに緩められた。 変わりに、両腕に違和感を覚えた。 激痛と共に、柔らかい感触、そして硬い物質に阻まれ力任せに押し込まれる感触、そして再び柔らかい感触。 両腕にナイフが突き刺さっていた。 激痛が脳を刺激し、体全体を痺れさせる。常人ならば泣き叫んで治療を懇願した事だろう。だが、葉月はそうしない。 グレーの両腕は、先ほどから葉月の首にかかったままだ。 つまり、これは精神操作による結果である。葉月にそうしたのは、痛みに悶える葉月を観察したいとか、そういったサディステックな思考によるものでは無いだろう。 精神支配は心に隙が有れば有るほど行いやすくなる。心の隙というのは痛みや恐怖で出来やすいものだ。そうして出来た隙により、さらに精神支配は進み、恐怖や痛みはよりリアルになる。そうなるとさらに精神支配は進み…………と、連鎖的に人を破壊していくのだ。人を殺さずに壊す事にかけて、これほど特化した能力は無い。 だが、葉月の心の水面は、小波ほどの揺れも見られない。恐ろしいほどの激痛が葉月を襲っているわけだが、それは所詮それだけの事だからだ。命乞いをするという事など考慮にも値しない。 それ故に。「………………っ」　右頬から左へ抜ける重い衝撃。それと共に、切れた口腔から血飛沫。 精神的なそれに効果が無い事を悟って、直接的な暴力に切り替えてきたのだ。 …………前言撤回。 今、グレーの心中には間違いなくサディスティックなそれが有る。以前のグレーなら、この様な直接的な行動に出ることは無かっただろうが。 思ったよりも早く精神の崩壊が始まっているようだ。これも、自分と直接的に接触した結果か。グレーがそれを自覚しているかどうかは疑問だったが。 口の中に溜まっていく血を、唾液と共に一度吐き出す。 精神的に訴えかける痛みも、直接的な暴力による痛みも、これ以上はごめんだ。…………痛いのは好きでは無い。とはいえ、これからさらに殴られるかもしれないが。「結局の所、貴女は自分を誤魔化していたのよ」　口の中が痛む。全く、女の顔を殴るなど、どうかしている。「…………何の事だ」　グレーの精神支配が、より深い所まで進むのが理解できた。 以前のグレーならば、葉月が己の力による抵抗をしても、その精神の中枢に到達するまでには一瞬だっただろうが、今は数分かかるだろう。それも、無抵抗での話だ。そして葉月は抵抗などしていない。する意味が無いからだ。「貴女は自分の存在に意味が有るのか、ずっとそればかりを考えていたわ。でも、存在それ自体に意味なんて無い事を、貴女はきっと良く理解していたはずだわ。気付かない振りをしていただけ」　葉月は、淡々と語り始めた。学校周辺の恐ろしく静かな空気を肯定し、助長するかのような声色。「……………………」「例えば、ある人間がそこに存在していたとするわね。じゃあ、その人間の存在は貴女にとって一体なんだというのかしら？　存在に意味を与えるのは、何時だって自分自身よ。他人の存在も、自分自身のそれも、意味が有るのは何時だって存在そのものでは無いわ。誰もが誰かに価値を付けて、存在の意味を定義するのよ」「……ま…………」「貴女は自分を誤魔化して、眼を逸らし続けていたのよ。貴女は幼い頃、貴女の両親や大切な人達の全てを不可抗力にせよ破壊したわ。恐ろしかったかしら？　そうね。きっと怖かったに違いないわ」「……だ………………れ」「だから貴女は自分を護ったのね。自分の心が壊れてしまう事を恐れたのよ。それ自体は責められる事では無いわ。全ては、偶然的に起こった仕様が無い事ですものね。でも………………」　そこで、葉月の口調が変わった。「貴女の勘違いは、全て許されざる罪よ。貴女には人の可能性を見通す力が有ったわ。でも、それをどう弄くろうとも貴女自身の存在理由が見えてくるはずが無いでしょうに」「だ……まれ…………黙れ…………！」　葉月の左頬に鈍痛が走った。先ほど同じ様に殴打されたのだ。大きく動揺して力任せに殴ってきているため、先ほどよりも衝撃が大きい。 血を吐き出して言葉を続ける。「貴女達は兵隊…………生と死の境界を歩き続ける様な人生を歩いているのだもの。普通の人間よりは己の存在理由を真剣に考えるべきかもしれないわね。でも、それは何も知らない一般人の人生を奪ってでも考えるべき事なのかしら？　　結局、貴女は両親や近しい人を壊してしまった事を肯定するだけの理由が欲しかっただけなのよ。自分の能力で己の存在理由を定義づけ出来る事を証明して、自分自身を護りたかっただけ」「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れだまれだまれだまれだまれだまれダマレだまれ黙れだマレだまれだまれダまれ！」　グレーは狂ったように叫びながら、葉月の顔を数度殴打した。葉月の口や顔から鮮血が飛び散る。動揺のためか、グレーは力の操作を上手く出来ていないようだ。殴打したその手は殴打した回数だけ傷ついていた。「黙れ……………………！」　グレーの腕が力なく垂れ下がる。荒れた呼吸が、冷たい空気に白い跡を残した。 何度も顔を殴打され、すでに痛みを感じないほどの痺れが葉月を襲っていた。だが、葉月の調子はあくまで淡々としていて………………。「まあ…………貴女にそんな事を言っても仕方が無いわね」　とても、冷酷だった。「貴女はグレー本人では無いもの。所詮、紛い物でしか無いわ。だって、私は貴女の中に何も見出す事が出来ないもの。貴女は人間ですら無いわ」　その、瞬間だった。「あ……は……ぁ…………っ？」　グレーの体が、大きく傾いだ。 地面に手を付き、頭を抑え、立ち上がろうとして大きくよろめく。 まるで、決定的な何かが崩壊していくかのような…………。「さっき貴女はこう言ったわね。自分の存在など、もうどうでも良いと。貴女は貴女を護る唯一の理由を、いとも簡単に手放したのよ。いえ…………貴女では無く、グレーの、だったわね。それが、貴女がグレーで無い証明。本物なら、そんな事は恐ろしくて出来るはずが無いもの」　グレーがふらふらと後退していく。その体は小刻みに痙攣していた。 グレーがこうなった発端は、そもそも葉月自身にあった。 一年前、あの路地裏で。 グレーの死体のすぐ側に居た羽矢音の中には、すでにグレーの精神の種が蒔かれていた。それに気付かず、葉月は羽矢音に『言葉をかけた』のだ。　それは迷いにあった羽矢音の未来への可能性を手助けすると共に、グレーの精神の種にも影響を及ぼしたはずだ。本来なら、その精神の種は数年の時間をかけて、より完全な形で、それこそグレー本人と何ら変わらない形で、羽矢音の精神を完全に乗っ取ってしまっただろう。 だが、葉月の力の影響を受けた事で、精神の種はその可能性を助長され、葉月の能力という異物の干渉によって不完全な状態で、それも一年という短期間の間に発言してしまった…………と思われる。本当の所など、葉月には分からない。だが、可能性は高かった。 グレーの精神と思われるものが、羽矢音の中に２重人格的な形で存在して居る事は、早くから可能性の中に入っていた。そして、仮にそうであるとするならば、葉月の能力の影響を受けていた可能性が非常に高いとも。 ならば、葉月が再び『言葉をかける』事で、グレーの精神は加速度的に成長していくのでは無いかと考えた。精神だけで生きているに等しいグレーにとって、精神の成長とは死に向かう事を意味している。 結果的にその読みは当たった事になる。眼の前の誰でも無い何かはもう終りだ。 …………仮にそうで無かったとしても、葉月の中に眠る能力が使いこなせるはずが無い。操作しようとした瞬間に飲み込まれて終わるのがオチだ、と考えていた。 だから、そもそもこの闘いは負けるはずが無いと踏んでいたのだった。 葉月は起き上がって、痛む顔を抑えながら、嘆息した。「…………疲れたわね」 　なんだ？ 一体何が起こった？　何をしていたか？　私は誰だったか？　 何もかもがどうでもいい気がして、でもそんな考えは駄目な気がして、とても悲しい。 何だろう。 体中が痛い。 体？ 違う。 心か。心が痛いのか？　軋む音は心の痛みか。 頬を何かが伝った。その暖かい何かが涙だと理解するのに、数瞬の時を要した。 なんだか、とても悔しい。良く分からない何かがとても悔しい。だから自分は泣いているのだろうかと思う。 全てが良く分からない。 でも、これだけは理解できた。 もう…………終りだ。 「貴女は、私の『ターニング』で結局何がしたかったのかしら？」　葉月は、すでに意識すら怪しい誰でも無いなにかに向けて喋りかけていた。 涙が溢れ、涎が流れ、全身は小刻みに痙攣している。眼の焦点はあっておらず、一体何処を見ているのか分からない。 だが。「私は…………知ってほし…………かった」　ハッキリしない、くぐもった声。だが、確かに葉月の耳へと届いた。「何を？」「存在…………世界に…………自分達の存在の…………意味を…………考えて…………」　それはあまりに馬鹿げた事だった。だが、葉月の能力を使えば、きっと可能だろう。 その時、ふと葉月は思った。もしかして、本当のグレーはもっと別の事を思いついていたのでは無いか、と。この劣化コピーは、その遺志すら劣化させ、何一つ本当の思惑通りにはいかなかったのではないだろうか。…………今となっては最早どうでも良いことでは有るが。「世界には…………愚かな人間が、多すぎる…………己の存在を軽んじ…………その…………意味すら考えない。それでは……………………駄目……だ」「駄目？」「きっと…………後悔……する。健太郎の様に…………素晴らしい……」　後は、言葉にならなかった。いや、何か意味のある事を言っていたのかもしれない。だが、少なくとも葉月に解読は出来なかった。「……………………」　葉月は、倒れた羽矢音の体に身を寄せた。「大丈夫よ。貴女が心配するほど、どうにかなりはしないわ。誰だって生きる事に必死で忘れがちだけど、ふとした瞬間に誰もが自分の生きた軌跡に存在の意味を垣間見るのよ」　葉月の言ったそれは所詮一般論に過ぎないが、少なくとも今の彼女には救いのある言葉だと思った。「貴女も、貴女の元になった人間の意志も、決して無駄では無かった」 その言葉を受けて、今まで虚ろだった誰でも無いなにかの眼が、見開かれた。「…………本当か？」「ええ。貴女の存在は私が意味付けてあげるし、貴女の元になった人間の存在する意味を、私は肯定するわ」　死に行く者に鞭打っても仕様が無い。だが、それは葉月の本心でもあった。 だが。「……………………馬鹿な」　今にも死にそうな彼女はそう言って、表情を皮肉に歪め、笑った。　その顔に浮かんだのは悔恨か。それとも無念の意思か。 その答えを言わないまま。　誰でもない何かの精神は、静かに消滅した。 静かに吐息を立てる羽矢音の顔を見下ろしながら、葉月は悲しげに眼を細めた「…………愚かね。誰もが」　今更救いの手を差し伸べるなど、どうかしている。------------色々分からない。やはり難しいなあ。あとちょいで終わります。ほんとです。メンテナンスだったので、変な時間に更新。いや、メンテの時間帯に更新するのもおかしいか・・・。

  Jan 27, 2008

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  ねむい

  あー。眠い。眠いです。どうなんでしょうねこの眠さ。さて、ゲーム屋さんでハルヒのゲームを予約してきました。キャラゲーって買うの初めてな気がする・・・。正直面白いかどうかは分かりませんが、なんとなくやってみたくなったのでした。面白くなくても面白いと補完できる能力が私にはちょっとだけあります。小学１年生がスッパマンを連呼してました。ドクタースランプのスッパマンなのか、それとも別の何かなのか・・・。前者だとしたらかなり懐かしい。一体どこからの情報だろう。色塗り。背景微妙。バランスとか色々。

  Jan 26, 2008

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  すげえ

  ドラクエ４面白れー。ＤＳのドラクエ４を昨日買いました。まだ3時間ほどしかやってませんが、ファミコン時代を懐かしんで楽しんでます。音楽が懐かしい・・・。２章のフィールドとか泣きそうなほど感動。難易度的には下がっている感じですが、まあ遊びやすくなったと解釈すればおｋです。これからじっくりと進めていきますかね。そもそも、一日に何時間もゲームしませんし。気まぐれでゲームショップに入った時の話です。陳列されているゲームをだらーっと見ていたら。『あー。これニコニコ動画で見たねー』と、小学５年生くらいの女の子が言ってました。す、すげえ・・・・・・(ﾟДﾟ)ていうか将来間違った方向に有望な娘だ。線画です。変更の余地は有りますが。

  Jan 25, 2008

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  かえってきた

  ああ・・・疲れた。始発で名古屋へ。そして面接。面接会場へ行く途中の出来事。やべぇ・・・・・迷った( ﾟДﾟ)初めての名古屋。道も分からず途方にくれる私。・・・もっと調べておけば良かった。５分くらい歩いてコンビニを発見。よし、迷ったついでにマガジンを立ち読みしていこう。いやあれですよ？地図を見せてもらおうと思ったんですってば。でも結局、地図はありませんでしたorz仕方が無いので駅に戻って駅長室で地図を見せてもらう事に。何とか１０分前に到着・・・。何で試験前からこんなに疲れてるんだろう。まあどうにかこうにか試験が終わって、飯を食べて帰る事に。きしめんと天むすを食べました。美味い。美味いけど・・・うんアレですね。値段相応ですね。ういろうを買って帰りました。これを見てる私の知り合いは例の彼の所へ行くといいよ。まあ、そんな居るとも思えないですけど。タイムリミットは奴の胃袋が満たされるまで。ケイコです。罠にすら気付いてないです。

  Jan 24, 2008

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• なごや

  さあて。今日という日が来ました。ちょっと名古屋まで就職活動してきます。面接受けてきます。え？何で大学４年生で卒業間近にして今更就職活動するの。ですって？そこら辺は察して下さい。アレですね。人生色々ですよ。始発で新幹線に乗って行きます。それにしても９時集合て。帰ってきたら物凄い凹んでる可能性有り。逆に開きなっている可能性の方が高いですが。それでは行って来ます。

  Jan 23, 2008

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  さむい

  今日は雪解け。それでも寒いです。あー。何かもう眠い。色々したら疲れました。基本的に単刀直入が好きな私として物凄い嫌な作業をしておりましたし。というか色々面倒臭い。まあ仕方が無い事ですが。こういう事してたら、自分が本当に大した事無い人間なんだなあと実感。面倒臭がりな自分に乾杯。社会って何でこんなに面倒臭いんだろう。複雑である事を指して面倒だと言っているのではありません。基本的にそうした手順を踏まないと何も出来ないストレイト状態が全てを動かしているのが気に入らないなあ。まあ、なら日本出ろって話ですが。頑張って生きていくか。何処かで頑張らないと駄目なわけですしね。『いや～、もう暑くってねぇ』時節的に逆を描いてみました。ああ、寒い。

  Jan 22, 2008

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• ターニング

  「一年前…………」　羽矢音の精神を支配したグレーの足取りは、慎重そのものだった。 眼の前の少女、如月葉月は決して侮って良い存在では無い。元々の体ならばまだしも、今の体では不安が付きまとう。　屋上のフェンスに背中を預ける彼女へと到達するまでに、状況に対して致命的な罠が仕掛けられている可能性はとても高い。そして、気付かぬままに拘束される可能性も有る。そうなれば、もちろん全てが終りだ。そう、全てが。 慎重に、一歩づつ近づく。「私は、私の存在の意味を求めてお前に闘いを挑んだ」　さらに一歩。 慎重に、とは言うものの、そう悠長にも構えていられない。こちらには時間があまり無いのだ。そして、それだけに僅かな損耗も控えたい。「その結果…………私は敗れた。どうしようもないほどに痛めつけられ、その存在すら消え去ってしまうところだった。せっかく面白い事を思いついたというのに」　一歩。 罠…………。例えば、そこに足を踏み入れた瞬間に発動するような魔術的な仕掛け。如月葉月は優秀な女らしい。魔術に対しての造詣が深い可能性も有りうる。だから、体全体でそれを感じなければならない。「だが、奇跡は起こった」　…………一歩。「如月葉月。こうしてお前の前に再び立つ事が出来た。世界を変えるチャンスを得た。私が存在する理由など、最早どうでも良い。私がこれから行う事に比べればな」　そこで。　それまで黙ってグレーの言葉を聞いていた葉月が、口を開いた。それも、その表情にはやや不快の色が浮かんでいた。「貴女の話にはまるで興味が無いわ。そもそも、貴女は貴女であって、貴女で無いでしょう」「どういう事だ？　…………私は私だ」「どうかしら」　葉月は少し笑った。クスリと、まるで何かを理解している人間が、何も知らない人間を嘲笑うかのような、そんな調子。葉月にそんなつもりは無かったかもしれないが、少なくともグレーにはそう聞こえた。「…………思ったよりも性格が悪いな」「そうかしら？　私は貴女が考えているよりもよほど清純よ。そして少なくとも、貴女よりは全然。だから…………罠も仕掛けていないわ」　グレーは耳を疑った。 葉月は、己の身を護るための切り札が無い事を、己の口で語ったのだ。それが如何に愚かな事であるか、理解できない相手では無いはずだ。 そもそも、実際に罠を仕掛けていなくても、それを相手が知らなければそれだけで一つの罠と成りうる。 もちろん、逆もまた然り。実際に罠を仕掛けた上で、相手に罠を仕掛けていない事を宣言する事が罠と成りうる事もあるわけだが。 だが、眼の前に立っている少女の言葉には妙に確信めいた響きがあり…………そう、何となく信じざるを得ないような、如月葉月という人間が言葉を出す時は、その言葉には絶対に嘘が無い様な雰囲気を纏っているのだった。 如月葉月という人間を聞いた時、その風評から判断するならば、とても人付き合いが悪いというものだった。 あまり人と喋らない。友人が一人しか居ない。独特の雰囲気が怖く、近寄り難い等々。数多くの意見があったが、どれも似た様なものだ。　だが、どの様な人間から聞いても……実際は直接口から聞いたわけでは無いが……一つだけ共通した意見があった。 それは、如月葉月から発せられる言葉には、それがどうしても正しいように聞こえる、という、ものだった。 実際に彼女を眼の前にして、彼女の口から彼女の言葉を聞いて、グレーはその意味が分かった気がした。確かに、妙な力を持った言葉だと感じた。事実、彼女の表向きに語られている能力はその言葉を行使する事で効果を発揮する。それも強制的に。最も、性格上の理由も有るのかもしれないが。 だが、何がどうであろうと、今の言葉でグレーが動き難くなった事実が有る。 慎重に、だが順調に進めていた歩が止まる。 そんなグレーを見て、葉月は呆れたような溜め息を付いた。「だから、罠は無いと言っているでしょう。そもそも、仕掛ける意味も無いわ」　グレーは眉を顰めた。　なんと、葉月は自分からこちらへ近づいてきたのだ。 馬鹿かコイツは。 グレーがそう思ったのも無理は無い。そもそも、いくらグレーが弱体化したと言っても、普通の人間を凌駕するだけの力は身体能力は持っているのだ。光恵からの情報では、如月葉月は普通の人間程度の身体能力しか持たないらしい。つまり、彼女が何の用意も無しにこちらへ向かってくるのは自殺行為だ。「何がしたい？」「あら？　何かしたいのは、貴女では無かったかしら」　何処までも余裕な葉月に対して、グレーは混乱せざるを得なかった。だが、向こうからわざわざ近寄って来てくれるなら願っても無い。 落ち着け。状況はイージーだ。如月葉月には何の手立ても無いと考える事も出来る。 だが。「貴女は、また色々と勘違いをしているみたいね」「……………………」「そうね。貴女は貴女では無いのに、そもそも貴女の行動には意味が有るのかしら？　私には、貴女の中には何も見えないわ。貴女は、最も大切な事を忘れてしまっているのではないかしら」　思わせぶりな言葉。これには何の意味がある？　表面上、相手は自分と同じ精神系の能力者だ。動揺を誘って精神支配をかけようと言う腹だろうか。いや、如月葉月にその様な能力が有るとは聞いていない。そもそも、彼女の能力とはその様なものではなかったではないか。　…………耳を貸すな。これでは一年前と同じだ。 グレーは再び歩き出した。 一歩、二歩、三歩。足が地面に付くごとに、やや込められた力が大きくなっていく。 最後の一歩は、完全に葉月の知覚外の速度だったはずだ。 地面を踏みしめると同時に、服の襟を掴み、僅かに上へ持ち上げると、足を払って引きずり倒した。　屋上の冷たく静かな空気が一瞬揺れた。体が地面を叩く乾いた音と、衣擦れの音がやけに大きく響く。 倒した所で馬乗りになり、葉月を傲然と睨みつけた。「お前の能力を利用して、世界を変える」「好きにすると良いわ」　心底どうでも良さそうに、葉月は答えた。　　自分に跨った女は、世界を変えると言い放った。 確かに可能かもしれない。 精神操作とはすなわち、その人間を支配する事を意味する。そして、完全な支配に妥協は無い。つまり、精神支配をかけた人間が異能力者で有った場合、その異能力すら支配できるのである。 もちろんそんな事が出来るのは特に優秀な精神支配系の異能力者、その中でも人間の中枢部分を支配出来る者に限られるだろうが。そして、異能力とはそもそもほとんど重複しないものである。性格が十人十色の様に、全く同じ能力は存在しない。つまり葉月の知る限り、その様な事が出来るのはグレーだけである。 力が大幅に衰え、その強制力が大きく減じたとはいえ、異能力の制御力そのものは衰えていないだろう。時間をかければ、己の中心に眠っている本当の能力を引き出す事が可能かもしれない。 本当の能力。 それは、あまりに強大すぎて、その制御の方法すら自分でも理解出来ない力。 組織によって『ターニング』と名付けられたその能力は、文字通り回転させる。 世界の断りそのものを。 定められた世界を、自分の思い通りに変化させる事が可能な能力。 木を創りたいと思えば木を、水を生み出したいと考えれば水を、大地を大規模にわたって消失させてしまう事すら可能であると組織は分析している。あくまで仮定であるのは、それが一度も正しく発動された事が無いからである。 それは全てを飲み込み、全てを破壊すし、全てを創造する可能性すら秘めている。 だが、葉月はその能力を、幸か不幸か発動する事が出来なかった。異能力を制御する力が備わっていなかったのである。ただ、その絶大な力の余波が垂れ流されているだけ。 だから、一年前、グレーが知った葉月の『ターニング』で世界を変える事は可能であろう。 グレーがどんな変化を望んでいるのかは分からない。 確実に世界は変わるだろう。そういった能力なのだから。 しかし。「貴女は現実から眼を背けているわ」「…………なに？」　葉月の言葉が、グレーに向けられた。 その言葉は途轍もない強制力でもってグレーの全てを縛る、どんな破壊的な武器よりも恐ろしいものだった。--------------------しまった。構成完全に間違えた。かなりグダグダ。さて、外は完全に真冬です。なんと、滅多に降らない雪が。しかも２センチほど積もってました。すげえ。テンション上がってスカイプ中、友人に話したら。『え？　これって降ってるって言うの？』　妙な温度差がありました。せめて５０センチは積もらないと降ったとは言わないらしいです。さすが。

  Jan 21, 2008

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  さむい

  メンテナンスに片足を取られてました。さあて、昨日はバイトでした。まあ今日もですけど。一緒に仕事をした子は、バイトを始めて３ヶ月なのに始めて私と会う子でした。男です。結構背が高いです。ちゃんと仕事が出来る子で良い感じですね。私も楽に仕事ができます。話は唐突に変わりますが。すげえ寒くなりましたね。北海道では氷点下３４℃くらいのところもあるらしいじゃないですか・・・。そう考えると、雨しか降らないこちらはとても楽なわけですが。とは言え、ようやく冬らしくなってきましたね。暖冬のせいで、今一冬という感覚がありませんでしたが。保坂です。みなみけでは一番好きなキャラクターです。カッコイイです。

  Jan 20, 2008

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  はるか

  今日は色々やってました。でも別に書くような事でも無いです。友人とマーカーを買いに何処かへ行っていました。大型オサレスーパーみたいな感じのところです。ネギまを買って読んでました。今回は挫折と分離、そして決意の話。良いですね。物語が動いてる感じがヒシヒシとします。夏休みが終わるまでに学校へ帰還することは事実上不可能でしょうが、まあ強くなって戻ってくれば良いと思います。全く関係ないですけど、幸せは歩いてこないからどうのこうのという歌があるじゃないですか。だからといって、歩いていく、のもどうなんだろうとふと思いました。もう少し謙虚さを出してツンデレちっくに持っていくのが本来の日本人的な考え方なんでは無いかと思います。別に幸せになりたいわけじゃないけど、そこまで言うんならなってあげてもいいわよ的な。いや、ほんとにどうでもいいんですが。前回の続き。冷静なハルカ姉様。この線画のみ、凄い楽です。

  Jan 19, 2008

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  ぶぎーぽっぷ

  今日は今年最大の冷え込みでした。少し、本当に微妙なくらい雪が舞いました。一瞬ホコリかと思いましたが、アレは確かに雪だったと思います。あー。ネタが無い。あ。ヤパヤパです。歌なんですが、トトロの替え歌みたいな感じで歌っていくのです。スゲー面白かったです。笑いが止まらないくらいのグダグダ間は必聴ですね。たぶんヤパヤパで検索すれば出てくるはずです。まあ結構有名なのかもしれませんが。あ。ネタが尽きた。いやー。まあアレですよね。例えばですね、魂が本当に循環するものだと仮定します。魂が循環するという事は詰まる所、その絶対数は変わらないわけです。そこで思います。ああ。何て省エネなんだろうと。ブギーポップです。容赦の無い彼が好き。

  Jan 18, 2008

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  とつげき

  今日はお酒を飲んできました。何故なら新年会だったからです。バイト先の面子で。二日連続の新年会ですが、昨日は酒を飲んで無いので楽でした。というか・・・ああ、なんだかやはり普通の飲み会は馴染みづらいなあ。いえ、誤解を生むのでアレですが、何時もしてる飲み会が普通で無いという事では無いですよ。面子が微妙にオタク方面名なだけで、ギャップが激しいとどんな会話をしていいのか咄嗟に迷いますよねー。まあ適当に合わせる能力は有りますので別の困りませんが。ですが、やはり何時も話している面子の方が楽ですね。まあそれは当然ですが。知ってますか？普通の人とオタク系の人では飲み会の時に発展する方向性が微妙に違うんですよ。サンデーのデスノートはやはり何か微妙な方向。別に面白くないわけでは無いですが、なんだか突っ込みどころが多いです。これからも生暖かく見ていきたいですね。昨日の続きです。だからなんの会話だ。ジョジョネタにしてみました。

  Jan 17, 2008

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  こうめいのわな

  一段と冷えてきましたね。それでも、上の地域よりはかなりマシですが。最低気温ですらマイナスでは無いですし。今日は鍋をしてました。久しぶりの面子・・・というほど久しぶりでは無いですが、先輩と友人２人の、何時ものメンバーです。鍋と言えばキムチ鍋。何故かほとんどデフォです。まあ美味しいから良いですよね。他愛の無い話をしながら鍋をつついたり、先輩の持ってきたカイジを読んでざわざわしたりしてました。カイジおもしれー。さて、あのメンバーがこうして集まれるのも、もうそんなに多く無いでしょうなあ。おっといけない。未来を思うのは死ぬ間際にするべきでしょうね。流動的でないといけない人間の歩みの中で唯一生まれる隙がそこに有るのだと思います。未来を見すぎると圧死元をすくわれ、そうで無い者はとてもあやふやな未来を過ごす事になるのでしょう。では中間を選べば良いだろうという意見は最もですが、人間はきっとそんなに器用ではありません。過去は過去。未来は未来。現在は現在。今を楽しく、あやふやに生きていきましょう。どんな状況で発せられた台詞だそれは。

  Jan 16, 2008

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• その歩調は緩やかに

  　とても静かな夜だった。 いや、とても静かな夜になった、と言った方が正確だろう。 先ほどまでの、常人ならば押しつぶされそうな程の殺気に満ちた空気は微塵も感じられなくなった。それは、戦闘が終了した事を意味していた。 果たしてどちらが勝ったのか。 アッシュの力がとても弱々しく感じられる。学校周辺を覆っていた彼の能力も、すでに消失していた。 ならば、アッシュは負けたのか。だが、グレーの気配も感じられなくなった。 冬の冷たい空気の中にあって、しかし葉月はその寒さを感じていないかのように堂々と夜空を見上げていた。 何かを思案している表情。それは、この闘いの行く末でもなく、先ほど運動場まで物凄い勢いで吹き飛ばされ、生死不明の光恵の事でもなく、今にも消えそうな弱々しいアッシュの気配でもなく、グレーの所在でもなく、自分の身の安全でもない。全く別の事を考えているようであった。 ガチャリと、背後で扉の開く音がした。 組織により人払いが完全に成された学校の屋上に、一体誰が来るというのか。　いや、世界とはそういったものであるのかもしれない。期待した事など滅多に起こらず、常に試練だけを落としていくような、考えているよりも性質の悪いものなのかもしれない。「あ、あの……如月さん？　なんだか、黒い服の人にここへ行けって言われたんだけど」　扉を開けて、戸惑いがちな声でそう言ったのは、葉月もそれなりに知っている顔だった。 これといって特徴の無い容姿。唯一の特徴といえば、ポニーテールくらいのものだ。その程度しか知らない、葉月にとってはとても平凡な人間。だが、それは彼女を貶める考えでは無い。この世界で生きる限り、ほとんどの人間はほとんどの誰かに対してその大部分が凡庸なものであり、詰まる所主観の問題である。それに、高校生の少女である所の彼女に下される客観的な評価として、凡庸であるというのはむしろ褒め言葉に近い。本人がそう思わなくても。 彼女自身は確かに凡庸な人間であるが、ある一点においてそうで無い事を、その精神が彼女本来のものとは若干異なる事を葉月は知っている。「…………まるで赤ずきんの狼ね」「え？」「どれだけ着飾ろうと、どれだけ本性を隠そうと…………いえ、むしろそれだけに不自然なのよ。例え、本人に自覚が無くてもね」　葉月の言葉に、羽矢音はキョトンとしていた。訳が分からなかったのだろう。 無理も無い。 今の彼女は、ただの人間だ。 だが。「貴女がここに居るという時点で、どれほど繕おうともそれは全て不自然なのよ。そういう意味では狼よりよほど出来が悪いわ」　葉月の続く言葉で。 突然の脱力。上半身が弛緩し、顔が下がり、腕がぶらりと垂れ下がる。 そして、次に羽矢音が顔を上げた時、そこにある表情は一変していた。 一介の女子高生にはとても出せない表情。様々な経験則から生み出された怜悧な瞳、唇はやや皮肉気に歪められていた。その立ち姿は何処までも堂々としており、静かでありながら威圧的であり、先程のまでの、普通の女子高生はすでに存在していなかった。 変化したのは立ち居振る舞いだけでは無かった。 羽矢音の全身から感じる空気。力の波動。 それは間違いなく、グレーのそれであった。「…………どの時点で？」　羽矢音は、いや、彼女の精神に乗り移ったグレーはそう聞いてきた。「最初から」「どういう意味だ？」「そのままの意味よ」 面倒臭そうに葉月は答える。まるで、そんな事はどうでも良いとでも言うような態度だった。「………………それより、貴女がここに来たという事は、アッシュは負けたのね。まだ生きているようだけど」「そうだな。…………全てが終わる頃には、すでに死んでいるだろうさ」　　「どういう…………事だ？」　アッシュが目を見開いて、歯を食いしばりながら聞いてくる。彼に刺さったナイフはしっかりと自分の手の中に納まっていて、さらに力を込めて無理やり押し込んだ。 だが、やはりこの肉体では無理が有ったようだ。ナイフはその先端から数センチ刺さった以上は侵入を拒まれ、中々前に進まない。　アッシュは抵抗しなかった。出来無いのだ。ナイフには神経毒が丹念に塗りこまれ、それは僅か体内に侵入しただけでも絶大な効果を表す。それは、人間の限界を遥かに超えた人間であろうと関係ない。 下、唇、手先が痺れ、歩行や発生が困難になり、呼吸困難に陥り死に至る。それが神経毒である。代表的なものにテトロドトキシン等があるが、裏の世界では即効性のある神経毒の機能を部分的に特化させ、即座に全身の麻痺が促進する様な毒もある。 今、アッシュの体内に入り込んだのはそれだった。 全身が痺れ、すでに思うように動かないだろう。アッシュからの攻撃はすでに無いと断定しても構わない。そして、それはさらに副次的な効果をもたらす。アッシュの肉体を超人たらしめている『力』の放出が極端に抑えられるのだ。そしてそれは、ただの人間より少し身体能力が優れただけのグレーでも、アッシュを簡単に殺せる事を意味する。 現に、力を込めたナイフの先端は徐々にアッシュの体内へ侵入していく。 ナイフが真ん中辺りまで侵入した段階で、グレーは勢い良くナイフを抜いた。　アッシュが廊下に膝を付く。全身を蝕む麻痺の意思に逆らって、グレーに攻撃を仕掛けようとしたのか左腕を振り上げようとしたが、数センチ程度しか動かず、そのままその体は地に伏した。「勝手に倒れないでくれないか？　起こすのが大変だ」　言いながら、グレーはアッシュの体を起こし、壁にもたれかけさせた。 全身が、糸の切れたマリオネットの様に弛緩し、絶え間なく痙攣していた。「不思議かい？　私が月　羽矢音の体に居る事が」　聞いても、当然答えが返ってくるはずも無い。アッシュの眼は何処を見ているのかも分からず、顔には汗が浮かんでいる。おそらく全身がそうなのだろう。「まあ、私も時間が無い。悪いが、長々と説明をしている暇は無い」　グレーはアッシュにその顔を近づけた。 それがその部分のみを切り取り、かつ２人が恋人同士であったなら、甘い香りが漂う素晴らしい情景であったかもしれない。だが、周囲に広がる状況がその想像を許さない。周囲には十数人の生徒が悶絶して倒れており、脇腹に裂傷と刺し傷を負った男。そして、それを淡々と見下ろす女。　唇が触れそうなほど顔を近づけ、しかし触れる事無く、耳元へ持っていく。「だから、お別れだ………………」　言葉と同時に、ナイフがアッシュの頚動脈を切り裂く。それは一年前、アッシュがグレーにしたのと同じ様な行為だった。　多量では無いが、数分後には確実に人を死に至らしめるだけの出血。「麻痺がさらに進行して呼吸困難になるのが先か、それとも出血多量で死ぬのが先か。まあ、どちらでも良いよ。死んでくれ。　………………アッシュ。お前は奇跡を信じないと言ったな。その通りだよ。奇跡を信じないお前に、奇跡は決して起こらない」　言葉は呪いを容易に運ぶ。 かけられた者の心に釘を刺し、動きがたくする。縛り付ける。それ故に、きっと奇跡は起こらない。 血に染まったナイフを放り出した。パラパラと廊下に血をばら撒きながら、硬い音を立てる。　グレーはそのまま、屋上へ通じる階段方向へと向かったが…………突如足を止めた。 そして、ある方向へ歩き出す。 倒れている平岡健太郎の所へ。 アッシュの全力を受けたにも関わらず、健太郎は五体満足で、それも無傷と言って良いほどだった。さらに、アッシュの一撃を受けた場所からほとんど動いていない。ただ、倒れて気絶しているだけ。明らかに異常だった。アッシュの一撃を受けたなら、健太郎はただの肉塊以下の存在に成り果てていてもおかしくないのだから。 健太郎が無傷の理由。その原因は、彼の首のロザリオにあった。首に掛けられ服に隠されていたのだが、その効果を発揮したためか服を破ってその姿が露出していた。元々美しいとは良い難いほど簡素な作りのものだったが、今は至る所が車に潰された様に破損していた。 あの日、公園で彼に渡したロザリオ。それは、それを身に着けているものを、決定的な危機から一度だけ救うという代物だった。 瀕死の重傷を負った者にそれを身に付けさせればたちどころに全開し、今の健太郎の様に、死に瀕するだけの衝撃を無効化してくれたり。そんな魔法具。　今の様な使い方のために渡したのでは決して無い。オトリとしてアッシュの気を引き、攻撃を一手に引き受け、アッシュの隙を作るために渡したのでは決して無い。 彼の素晴らしい、その完成された可能性を殺さないために、つまらない事故や病気で死ぬ事が無いように、そのために渡したはずだったのだ。 だが結果として、こんな詰まらない事のために使わせてしまった。 元々、協力を申し出てきたのは健太郎の方からだった。月　羽矢音の中でその精神が覚醒した後も、グレーは彼を巻き込もうとは考えていなかった。 だから、健太郎がグレーに声をかけてきた時は驚いたものだ。学内に存在する組織の人間の眼すらかいくぐる程に弱体化した己の存在をどうして見抜けたのか。それは分からないが、彼は確かに羽矢音の中にある精神が、グレーである事に気付いた。 気付いたら、健太郎に色々と話しをしていた。あの、公園での一時の様に。 健太郎の熱意に押されて、彼に精神操作を施したが、本当は乗り気では無かった。健太郎の意識の下に、精神の仮装領域を作り出し、そこにグレーの記憶を蓄積させていったのだ。精神とはすなわち記憶の集合体であり、己の精神を転写させる事は、記憶を転写する事に等しい。健太郎がグレーの立ち居振る舞いや雰囲気を完璧にこなしていたのはそのためだ。　体を張った健太郎の努力で、グレーは何とかアッシュを殺す事が出来た。最大の障害を取り除く事が出来た。 この計画が辛くも成功したのは、全て健太郎のお陰だ。 グレーは健太郎の頬に手をあて、済まなさそうに眼を閉じた。「どうか、これからは寄り道などせずに、自分の信じる道を歩いてくれ。…………さよなら」 「解離性同一性障害、と言えば語弊が有るでしょうけど…………まあ、大差無いわね。そうなったのも、私のせいかしら？」「その通りさ。幸か不幸か、私は私の想像以上に早く目覚めてしまった。それも乗っ取るはずだった精神が、本人のものと私のものとで、完全に分裂してね。正直、歯がゆかったよ。　…………だが、利点も有った。月　羽矢音の精神が表に出ている間は、私の気配が悟られる事は無いのだからな」　世間話でもしているかのような気楽さで、グレーは言った。「さあ、始めようか。私の全てに、決着をつけるために」 グレーは一歩、葉月に向かって動き出した。 さらに、二歩、三歩と迫ってくる。 その歩調は緩やかに。 しかし重々しく、確実に葉月へと迫る危機だった。----------後少しで終りです。そうしたら、一度ちゃんと見直してプロット立てて描き直してみましょうかね・・・。いくらなんでもダラダラとしすぎている感が有りますし、一貫性が無い様な気がします。久しぶりに『水玉潰し』というネットのフラッシュゲームをやりました。最高記録は３４レベル。今回も３４で止まってしまいました。壁を感じます。でも、レベルをクリアする毎に虚しさを覚えるのは何故だろう。何故だろう。いや、でもさすがに面白いですね～。皆さんもお暇な時にどうぞ。

  Jan 15, 2008

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  さむく

  寒くなってきましたね。例えば、ここに『命の木』なるものがあったとしましょう。その実を一つ食べれば、一度死んでも大丈夫。二つ食べれば二度、三つなら三度。要は命を蓄えられるわけです。さて、そこで疑問が浮上します。その死とは、一体どの様な形で限定されるものなのか？仮に老衰で死んでしまったとすれば、復活した瞬間にまた死ぬという事になります。さらに仮に、その実を無限に食していれば、軽くゴールド・エクスペリエンス・レクイエムが体験できます。つまり、命をいくら蓄えても、結局は死に抗する事は出来ないという事になります。生物の限界は、命を蓄えられるようになっても突破できないという事になります。ですが、その死が外傷のみに限定される場合、つまり生物としての老化が停滞する形で命が蓄えられるならば、それは生物の限界を一つ越えています。少なくとも、その生物はすでに生物ではありません。生きてもいなければ死んでもいない、とても中途半端な存在です。何故ならば、生物とは老化し、死ぬものだからです。いや、まあどうでも良いのですが。なんでこんな事を書いたかというとＧ・Ｅ・Ｒのくだりが書きたかっただけです。ブギーポップ、読了しました。いや、やはり面白い。さすがですね。久しぶりのスプーキーＥの登場。作者さんはこのキャラ好きだなあ。メローイエローも良いキャラしてます。そして一々能力が面白いですね。まあ、こんな感じでこのシリーズはずっとやってくれればいいと思います。面白いですし。結局のところ、ブギーポップのシリーズはイマジネーターとの決着が付かない限り終わらなさそうです。統和機構の事は完全に眼中に無い死神さんでした。色塗りました。空は挫折しました。

  Jan 14, 2008

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  まいく

  昨日はメンテでした。さて、昨日はマイクを買いに行ってました。スカイプ用のヘッドフォンマイクです。１０００円から７０００円まで幅があって、何が違うのかちょっと分かりませんでしたが１０００円のやつを買ってきました。店が物凄いプッシュしていたのです。帰りに某牛丼屋へ行きましたが、そこで事件発生。小学生くらいの子供が入ってきたのです。そして次々と注文を。じぇねれーしょんぎゃっぷ・・・・・・。子供は家庭の味でも楽しんでろバカ野郎。２円上げるとかそれお前の金じゃないだろうバカ野郎。これが日本の現状かー。落書きです。

  Jan 13, 2008

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  すかいぷ

  今日は雨でした。冬の雨はしんどいですね。雪よりも遥かにマシなはずですが。本屋行ったらブギーポップの最新刊が売ってました。久しぶりだ・・・。まだ読んで無いですけど、期待に胸を膨らませています。個人的に、魔女の話の続きが読みたいですが。まあこれでも構いません。さあ、明日は読むぞー。なんだか今日はずっと寝てましたしね。夕方頃起きて、起きた瞬間にメッセンジャーで連絡が。なんて良いタイミング。友人と一緒に、別の友人宅へマイクを取りに行ってました。スカイプで話す用のマイクです。ですがこのマイク、壊れてました。使い物になりません。なので、明日改めて買いに行く事になりました。いえ、イヤホン部分を使っても会話は可能ですが。３時間ほどそれで話してましたし。常に話しているわけでは無く、思い出した様に話題が出る感じで。しかし、これだと話ながら作業をする事はとても面倒臭いのです。１０００円くらいで売ってるとの事です。なんだろうこの違和感。まあもっと上手くなれば分かるでしょう。刀身部分がずれているのはレイヤーの不具合で非常に修正しにくくなったのでまあいいかなあとか思ってます。

  Jan 12, 2008

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  きょーき

  さて、今日は何となくあれな一日でしたね。毎日アレですが。今日はバキを読んできました。さすが烈海王。格好良い。あまりの格好よさに痺れるぜ。というか死なないでくれ・・・・・・。先手を取ってしまうのはバキでは少し危険なフラグ。負けて喰われるとか勘弁してください。でも、私が小説で描いたら間違い無く負けて喰わせます。そっちの方がインパクト強いですもんね。最近、一巻を読んで以降、続きを買いもせずにそのまま放置していたイコノクラストというラノベを買って読み進めています。６巻まで読みましたが、圧倒されっぱなしです。作家さんは榊一郎さんです。ラノベ好きな方なら、一度は聞いた事が有る様な名前のはずです。世界観の構成が面白いですね。相変わらずの重たい内容です。さすが狂気と残酷描写に定評がある(個人的な感想)作家さんです。というかおもしれー。さすがです。スクラップド・プリンセスを読んだ時から思ってましたが、人の浅ましさや欲望や機械的思考や個々の価値観がなんとも言えません。このシリーズは微妙にエロいですが。ああ、こういう人間の描き方もあるんだなー、と勉強になってます。多分。アタリもとらず、色だけで十数分の落書きです。文字に意味はありません。手抜き？はっはそんなまさか。私がこのイラストに費やした時間と方法で、もっと素晴らしいイラストを描く方はきっと天井知らずでしょうね。

  Jan 11, 2008

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  かもせー

  なんというか、もがいてる感じです。才能とは与えられるものではなく、掴み取るものであると信じています。何の努力もなしに、ある分野に特化した人間というのは確かに存在すると思います。人より経験地の吸収率が良い人間。そういう人間は確かに存在すると思います。ですが、そんな彼等も努力していないはずが無い。例えば、魅力的な建造物には徹底的な下地が有るように、才能を築き上げるには基礎力が必要だと思います。それをおろそかにしては、才能を目指さざるを得ない凡人はその高みへと到達する前に、足元が瓦解してしまうでしょう。ですが、分かりません。基礎とは一体、どの様なものなのでしょうか。その問いに対して、正確に答えられる人間は居るのでしょうか。ある分野の人間で、それぞれがそれぞれの価値基準を持っていて、しかしその基礎が全て同じだという事が果たして有りえるでしょうか。基礎というものが十人十色のものであるならば、それはあまりに不公平であると言わざるを得ない。詰まる所、それが生まれ持った才能の有無を決定付ける判断材料となるでしょうから。不公平であるからこそ、掴み取るものであるのでしょう。あるいは結局のところ、それに対してどれだけ心血注げるかという一言に尽きるのかもしれません。不安な心を制御し、一歩一歩確実に前へと進む。横に居る人間が３段跳ばしで階段を駆け上ろうと、自分は前へと進めるのだと信じて足を踏み出す。それが出来る人間と出来ない人間では、明らかに差がでる。仮に到達点が同じなら、少しでも前へ進んでいれば必ず前へ進んでいるものに追いつける。あるいは、こつを掴めれば追い越せるかも。何がどうというわけでは有りませんが、それが弱者が希望に縋り付いているのだという事ではなく、それを否定して独善的に思い込むことが大切なのだと思います。それを踏まえた上で言います。私は天才です(　´∀｀)信じることが大切だー。かもせー。

  Jan 10, 2008

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• 収束する始まり　～始まりの終り～

  勝敗は火を見るより明らかだった。 アッシュは、前方、右、左から襲ってくる３人の生徒の鳩尾を軽く打ち抜き、悶絶させる暇すら与えず、作り出した灰で廊下と下半身を連結させる。 すでに、行動不能にした生徒が１０人。数分も経っていない。 グレーの手駒は１６人。 そうすると、残りは６人の計算。グレー自身を合わせると７人か。ともあれ、グレーの周囲に居る６人で全てだ。 月羽矢音というイレギュラーには驚いたが、所詮それだけの事だ。彼女への精神支配はすでに解けており、敵で無い事は明白。ならば、人間の身体能力を僅かばかり逸脱しただけの相手など取るに足りない。 だが、気がかりが有った。 グレーの真意が分からないのだ。ただ手駒をぶつけてくるだけで、何一つ仕掛けてこない。グレーにとってはジリ貧の状態。このままで終わるはずが無い。 また、背後から襲ってこない事も気がかりの１つだった。 今、アッシュは月羽矢音という明らかなウィークポイントを抱えている。そこを狙わないのはかなり不自然だった。 それとも、アッシュの性格を熟知した上での行動だろうか。 考えながら、グレーを護る集団への間合いを、無警戒とも取れる大胆さでゆったりと詰めていく。灰を瞬時に形成できるように、力を貯めながら。 仮に、羽矢音を護る事によって、アッシュが危機に陥る状況が作られたとする。その場合、アッシュは迷わずに羽矢音を見捨てるだろう。その事を理解している故に、それをしないのだろうか。だが、何にせよ不自然である事に違いは無かった。　それらは杞憂で有るのかもしれない。だが、このまま終わっては、そもそも行動の意味が分からない。 それに、すでに手駒は眼の前に存在する６人のみ。背後からの奇襲は無いだろう。 無いはずだ。 ………………無いはずなのに。 対峙するグレーの、平岡健太郎の顔を見た瞬間。「…………………………！」　アッシュはほとんど感で、自分の背後、いや、羽矢音の背後に縦２メートルほどの、厚く幅広い灰の塊を生成していた。 ほとんど同時に響き渡る轟音。 １０トントラックの衝突にすら楽に耐える事が可能なほどに力を込めたその灰が、ある一点から崩壊し始める。 その崩壊の中心からは、人の拳が突き出ていた。 アッシュが生成し、アッシュの制御下にあった灰が、そこに有った事が嘘であるかのように消滅していき…………。 灰を崩した張本人の姿が現れる。「光恵！」 それは、グレーに精神支配をかけられ、未だその支配下にある形梨光恵だった。 葉月に破れ気を失い、組織の支部に移送していたはずなのだが。どうやら抜け出してきたらしい。厳重に封印しておけと指示したのに、何処かで甘さがあったようだ。 あるいはこれがグレーの策か。葉月に破れ、組織に監禁されようとも、抜け出すための何かを用意していたと考えるのが自然だ。これが予め用意された状況でなければ、あまりにも都合が良すぎる。 光恵がここに居るという事は、移送の車から抜け出したのはかなり前に違いない。連絡が無かった事を考えると、移送車と搭乗者は速やかかつ丁寧に始末されたようだ。アッシュが学校中を覆っている灰は探査能力を備えているが、精度は低い。光恵に気配を消されれば、察知する事は不可能。 そして、背後からの攻撃をせず、己の手駒がこれ以上無いと思わせ、背後に油断を作らせた。その上での奇襲。　奇襲におけるタイミング等、かなり運任せではある。実際、この場に間に合わない可能性も合ったわけだ。だが、成功すれば実に有効。 その効果は、光恵の流れるような動きに乗せられた拳打の威力が物語っていた。 腹目掛けて強烈に叩き込まれたその左ストレートを、アッシュは辛うじて右手で押さえ込んでいたが、その後の力比べでは拮抗していた。身体能力ではほぼ互角。光恵の拳打を受け止めた時に、掌の下側骨、大菱形骨や舟状骨といった部分にヒビでも入ったのか、酷く痛む。 開いている手は、アッシュと光恵、両者とも牽制に使用していた。 視線の先に、羽矢音が尻餅を付いているのが見える。 拮抗状態を脱したきっかけは、背後に居るグレー達の集団。 当然、この機を見逃すはずが無い。アッシュの動きは現在止まっていて、非常に危うい状態にあるのだから。 グレーを含む７人全員が突撃してきた。 だが、彼女等の攻撃自体は、実は取るに足りない事ではあった。 アッシュの着ている黒のロングコートは、組織が開発した特殊な繊維強化プラスチックが使用されており、異能力的な術式が編みこまれ、防刃、耐熱、耐弾丸、耐衝撃に優れたものである。普通の人間に毛が生えた程度の攻撃力では歯が立たないのだ。また、アッシュ自身の生物的強度が彼等とは一線を画している。 つまり、背後に居る連中が何をしてこようと、基本的に無傷で居られる。例えば、グレーが好んで使用していた神経毒が塗られたナイフも、コートやその皮膚を貫きはしないのだ。 問題は…………眼の前の少女。 だが、アッシュには光恵に無い強みが有る。 アッシュは力を僅かに緩め、光恵との拮抗状態を一瞬だけ解放した。 光恵の体が少しだけこちらに引き寄せられ、それを見逃さず、アッシュは右手で光恵の左手首を掴み、左手で光恵の左腕を下から突き上げようとする。 当然、光恵は左腕が持ち上がり、大きくバランスを崩すだろう。しかし、それを許す光恵では無い。 光恵はタタッと軽快に、恐ろしいリズムを刻みながらアッシュに身を寄せて…………つまり、左腕が下から突き上げられないように左腕が曲がるように体を前進させた。さらにその勢いを利用して、空いていた右腕が弧を描くようにしてアッシュの頭部に吸い寄せられていく。アッシュにはそれを防御するための左腕が無い。 このままでは光恵の拳打が、容赦なくアッシュを制圧するだろう。 だが。 光恵の右腕が、ふいに止まる。性質の悪い冗談でも聞かされたかのように、その眼が大きく見開かれる。 その右腕にはアッシュの作り出した灰が絡みつき、重たげにその動きを封じていた。 光恵には無い、アッシュの強み。それは異能力の存在。それはそれだけの事ではあるが、闘いの当事者間にあっては絶望的な差を産む。 だが、光恵はそれで止まらなかった。 アッシュもそれは予想していたのだろう。 この瞬間。 光恵が右腕の灰を力任せに振りほどこうとして。 アッシュの背後に迫っていた数人の生徒が、彼の動きを止めるためにしがみ付こうとして。 アッシュがその誰よりも早く動いた。 掴んでいた光恵の右手首を軸に、光恵の背後に素早く回り、その背中を軽く蹴る。 襲い掛かかってきた数人の生徒は、光恵の体と接触する事で動きを止めた。 光恵は素早く体勢を立て直し、悠然とそれを見守るアッシュに対して、素早く左腕を突き出した。 拳打が届く距離ではない。 それは投擲の動作だった。 しかし、彼女には投げるための適切な何かなど無い。 それにも関わらず、顔面に向かって飛来する何かを、アッシュは認めた。 それは、光恵の人差し指の爪であった。素早く自らの左人差し指の爪を引きちぎり、それを投擲したのだ。 つらつらと軌跡を描く赤はいっそ美しかった。 アッシュはその、自動小銃の弾丸より遥かに恐ろしい兵器を辛うじて左手で受け止める。だが、それは貫通ギリギリまで皮膚に喰い込んだ。 そして、瞬き一つの間に、光恵は彼女の必殺の距離に入り込んでいた。 地をしっかりと、それこそ陥没するほどに踏みしめ、軸足の左足、腰、肩と同時に回転させ、中段位の右蹴りが飛んでくる。 フェイントも何も無い、ただの蹴り。だが、それが決まれば決定打だ。 アッシュはその危機に直面し、ただ僅か右斜めに前身した。防御は必要ない。完全に避ける必要も無い。ただ、致命打を避けられればそれで十分。 その思惑は見事成功した。 光恵の蹴りはアッシュの左脇腹に直撃した。コートを切り裂いて、脇腹を抉り、赤の飛沫が恐ろしい勢いで後ろに抜けていく。 光恵の眼が絶望に歪む。 彼女は理解していたのだ。それが外れれば、己が負けることを。「お前は少し寝ていろ」　轟音。　言葉と同時に、光恵の右側から人間大の灰が、その体をさらって行った。校舎を構成しているコンクリートを容易くぶち破り、中庭を抜けた先にあるコンクリートすらも付きぬけ、数十メートル先の運動場方面へと冗談の様に転がって行った。 一年前、グレーの体をどうしようもないほどに痛めつけた一撃である。 下手をすれば永遠に眠り続ける事になるが、それならばそれで良い。運が悪かっただけの話だ。 アッシュの動きは止まらなかった。 脇腹から流れる血液を無視し、こちらに向かってくる６人の生徒達を、何の苦も無く一蹴した。 そして………………。「今度こそ、死ね」　アッシュの無情な宣告が、平岡健太郎に宿ったグレーの精神に突き刺さる。 平岡健太郎の表情はゆがみもせず、淡々としたものだった。 出来ることなら、平岡健太郎という器を残して、グレーだけを抹殺したかった。 だが、それは叶わないだろう。後々の禍根を断つ意味でも、ここで平岡健太郎もろとも殺しておくのが一番良い。 光恵を紙切れの様に飛ばした灰の塊が、再び形成されていく。 それは今のグレーが受ければ、何の死骸であったか分からないほど、その体を徹底的に破壊するだろう。「…………………………」　必殺の圧力が、無言の殺意が高まっていき。 轟音。 そして。 　それは、とうの昔に終わった物語。「アッシュ…………お前…………は………………奇跡を、信じる…………か？」　その問いに、アッシュは答える事無くこちらに近づいてきた。「私……は………………信じる。こんな状態からでも、きっと…………生き延びる」　それはどう考えても有りえない言葉だった。だが、それは呪いの言葉に等しい。腹立ち紛れの、嫌がらせに等しい。 だが。 膝を付き、アッシュはグレーの左頬に顔を寄せた。「最後に、キスでも…………してくれるの…………かい？」「………………私は奇跡を信じない」　冗談めかしたグレーの言葉は、アッシュの言葉と………………右首筋に触れたナイフの感触でかき消された。 ナイフは、躊躇無く首筋を切り裂く。 大量の血液が噴出する事は無かった。だが、確実に死ぬだけの量が流れ出る。アッシュはその様に傷口を作ったのだろう。「はは…………君…………らしいね」　グレーは、アッシュの言葉と、その行為を肯定した。呪いの言葉も、奇跡が起こる可能性も根こそぎ否定した。 アッシュはそのまま振り返る事無く、その場を去った。 アッシュの言葉どおり、自分はこのまますぐに力尽きるだろう。 それはとても耐え難い。 そう、耐え難い。 嫌だ。 助けてくれ。 そう、助けが必要だ。 嫌だ。 まだ死ねない。 死にたく無い。 まだだ。誰でも良いんだ。これからだ。せっかく、最高の思い付きがあったのに。 如月葉月を使って…………。「だ…………れか…………」 酷く寒い。どんどん冷たくなっていく。体中が石の様に硬い。自分の体では無いみたいだ。 眼からは自然と、涙が流れていた。 表情の伴わない、無機質な涙。 元々はっきりとしなかった視界が、さらに茫洋とした世界を創る。 その涙に歪んだ視界の奥で。 グレーはハッキリと、奇跡の形を眼にした。「だ、大丈夫ですか？」　少女の声。 奇跡は、起こった。 そして。 平岡健太郎の体に、アッシュの作り出した灰が衝突した直後。 負傷したアッシュの脇腹に、一本のナイフが突き刺さった。 そのナイフは…………しっかりと羽矢音の手に握られていた。---------中々思うようにいきませんね・・・。

  Jan 9, 2008

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  がっこう

  学校でした。夕方の５時にゼミへ。かなり遅刻しそうになりました。時間的にギリギリでした。新年早々遅刻とか嫌なので、頑張りましたよ。実家からの宅配物を受け取れなかったので電話をしながら急いでたら、友人と遭遇して鼻で笑われました。ハッハッハ。そしていつもどおり、先生の長く有り難いお話を拝聴し、解散。去年の忘れ物も片付きました。去年の忘れ物。それは、ゼミの忘年会時に、プレゼント交換というイベントが行われたのですが、私だけ用意できてなかったので(遅刻しそうだったため)、何時か渡しますという取り決めをしていたアレです。プレゼント交換時は、プレゼントを渡す人がランダムに決まるわけですが、私は物が用意できていなかったわけですよね。なので、プレゼントを渡す人が先に決まって、その後にプレゼントを買いに行くという非常に面倒な事になってしまいました。どんな物を渡せば良いのか、その人の雰囲気で決めてしまいそうですからね。実際決めましたが。モノブーのマグカップです。実用的でない感じの形状ですが、なかなか面白いです。マグカップはいくらあっても困らないでしょうから、プレゼントには当たり障りの無い感じですよね。ふじおかは煮ると良いダシが出るらしいですよ。背景色は寒色にすべきだったかも。その辺良く分からない。

  Jan 8, 2008

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• ふらすとれーしょん

  あー。ああー。何か、上手く描けない時ってフラストレーション溜まりますよね。いえ、そもそも上手くは無いんですが。つくづくレベルが低いと実感させられる。ああ、もう寝ないで描きまくりたいなあ。でも絶対に効率良く無いしなあ。詰まる所、集中し切れてないことが原因なのかもしれません。まあ、こういう日は寝るに限りますね・・・。さて、今日は年明け初のバイトでした。とは言っても、特に何が変わるわけでもなく。終わってから、昨日鍋をした友人宅へ行き、再び鍋をしてました。食材が余っていたのです。今日はエンペラーな人の提案で味噌っぽい・・・というより味噌？　な感じの味付けでした。美味しかったです。その後、日が変わるまでだらだらと過ごしてました。こういう時間って必要ですよね。さて、明日から学校が始まります。新しいゼミ生が入ってくる季節でもあります。気を引き締めていきますかね。とっととやること終わらせて新しい事に取り掛かりましょう。

  Jan 7, 2008

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  かえった

  帰ってきました。さて、新年１発目(１日に更新した分はカウントしない)の更新を寝る前にしようと思ったのですが、メンテでした。まあそれは置いといて。一年ぶりの実家。なんか色々変わってました。去年の７月に他界した愛犬のべスはやはり居ませんでした…………(ノд・。) ｸﾞｽﾝああ…………何から書きましょうかね。一日ずつ書いていかないと面倒ですね～。取りあえず、のだめカンタービレとか山田太郎ものがたりとか色々読んでました。あ、あとＤＳを兄から譲り受けました。あんまりやらないとの事なので。嬉しいです。まあ私自身、今はそんなにゲームしないのでアレですが。色々有りましたが、正月の事はこれからネタが無くなった時に書くという事で。本当ならば５日に帰れる予定でしたが、こちらに帰って来てすぐに友人宅へ行き、そのまま晩飯を食べてだらだらしてたので実際に家に帰り着いたのは６日でした。いえ、友人宅に置かせてもらっていたのものが有ったのです。なので。自宅→友人宅→実家→友人宅→自宅という見事な回文形式でこの一週間を過ごしました。さて、肝心の休みですが。『あっという間に休みが終わったよ』なんだかカナじゃなくて内田っぽくなった。

  Jan 6, 2008

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  あけおめ

  あけましておめでとうございます。ことしもよろしくおねがいします。さて、定型文を打ったところで、本題に入りますか。とは言っても、特に何も有りませんが。とりあえず、明日から４日まで実家へ帰省するので更新がままならないという事をお伝えしておきます。残念です。というか明日は早起きしてなるべく早く帰らないと・・・。しかしこんな時間まで起きてる私でした。ともかく。今年もよろしくお願いします！！そして年賀状。帰って来た頃に、ちゃんと描き直して塗りなおしてあげるかもしれません。取りあえず時間が無かったので非常に中途半端な感じですが、すいません。

  Jan 1, 2008

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• 収束する始まり

  　ふぅ…………、と付いた溜め息が、白く夜気に溶ける。 季節が冬である事を考慮しても、この夜は冷たく、暗すぎた。　日が暮れてから、それほど時間が経過してはいない。だが、実際以上の時が経過したと思わせるに十分な暗闇と静けさが満ちていた。 それは、何時も通りならばこの時間、未だ部活動に勤しむ生徒が居るとか、付いているはずの電気が付いていないとか、そういう意味での暗闇や静けさでは無かった。 生ある者の全てを押さえつけるような、そんな妙な圧迫感。そんな気配が、この学校には満ち溢れていた「闘いの空気…………。嫌な雰囲気ね」　葉月の呟きは誰に聞かれるでもなく、空へと抜けていく。　そこはＤ棟の屋上だった。一年前、ある人間を殺した場所。正確には物理的な意味で誰かを殺したわけでは無い。だが、確実に殺した。引き金を引いたのは間違いなく自分だった。後悔などしていない。降りかかった火の粉を払った。それだけ。 だが、その人間は死んでいなかった。 ホラー映画の様に、墓の中から醜悪な姿で蘇ったとかそういう事では無い。姿は普通の人間のものである。精神は比類無き純粋な醜悪さを持っているが。 今現在、学校周辺をアッシュの灰が覆っていた。一年前と同じ様に。 あの時と異なるのは、学校とその周辺には完全な人払いがなされている、という事だけだ。 それは大きな違いの様であったが、葉月はそう感じていなかった。違いといえば、もっと大きなところで違いがあるのだった。 それは、グレーの動機。一年前、彼女を殺した時点で、葉月はすでに彼女の目的には沿う対象では無くなったはずなのだ。 それ故に、別の目的が有るはずなのだが…………それが分からない。 単なる復讐かもしれない。 アッシュはそう言っていた。だがそれならば、葉月がグレーの存在を感じる前に、後ろから刃物で殺してしまえば済むはずだ。わざわざ、ここまで大掛かりな舞台にする必要も無い。「劣化…………劣化、か」　グレーの精神は劣化している可能性があった。つまり、完全な復元がなされていない可能性が。それはグレーが、目的や手段、理性等の色々が抜け落ちた狂人であるかもしれない事を示唆している。 先ほど、グレーを名乗る平岡健太郎と対峙したアッシュは、そのグレーに少しの違和感を感じたという。　だが、それは関係ないだろう。「問題は、彼女がどれほど自分の立場を認識しているか、ね…………」　能力的に激しく劣化したグレーとその操り人形、そしてアッシュとの戦闘。 結果は火を見るよりも明らかだった。所詮、グレーに勝ち目など無いのだ。 だがアッシュにとって、この闘いはおそらく一筋縄ではいかない。 …………少しずつ、少しずつ首筋の辺りがピリピリとしてきた。そこはかとなく、空気が痛い。 戦闘が始まった。 アッシュは校門前に立っていた。特に理由は無い。戦闘地帯が学校という酷く狭い限定区域にある以上、何処にいてもあまり大差無いのだ。 グレーの居場所を突き止めることは容易だった。簡単すぎて馬鹿馬鹿しくなるくらいに。 ２時間前。 宣戦布告を受け取り、学校周辺の封鎖に乗り出してから、すぐに能力を発動、灰を展開させた。 一年前と同じ様に。 しかし、それは確実に変わっていた。 一年前、その灰は己の気配を薄くする事が目的であった。居場所を特定されないためのものだった。　だが今は違う。 あれから一年。己の能力を探りなおし、少なからず探査系の機能を持たせる事に成功したのだ。 グレーのそれと比べれば、展開範囲や精密性においてまるで及ぶべくも無いが、これで十分。「さあ、始めるとしようか」　グレーはＤ棟屋上に葉月を置き、彼女を賞品とすると言った。 ならば、これは単純な潰し合いだ。 先に相手を絶命させた方が勝利する。非常に簡単な図式だった。 だが、油断はしない。 アッシュは、人払いに際して一般人への説明に使った言葉を思い出し、少し笑った。『レベル３生物災害の可能性有り』　滅茶苦茶な説明だが、これは有る意味正解でもある。 本来は有害な微生物等が環境中に漏れ出る事を指して生物災害と呼称する。 だが、生物が引き起こす災害では、人間が引き起こす人為的なミスが引き金になる事が最も多い。チェルノブイリのマイクロスリープを引き合いに出すまでもなく、それは単純な事実だ。 詰まる所、人間が起こす災害こそが最大の生物災害であり、今始まろうとしている戦いもそれに違いない。人間のエゴが重なり合った、醜悪な生物災害に違いない。 それ故に、確実に終わらせなければならないのだ。 あちらから動く気は無いようだ。 戦闘人員…………グレーの精神支配を受けた操り人形はそれぞれバラバラに配置されていた。総数は１６。よくもこれだけの人数を集めたものだ。所詮、烏合の衆であるが。 アッシュは、劣化する以前のグレーの様に、緻密に個々の生命波動や能力の質等を感じる事は出来ないが、何処にどれだけの人数が居るかは把握できる。 最も人数の多い場所に、平岡健太郎に精神をコピーさせたグレーが居るのだろう。「…………妙な場所に居るものだな」　最も人数が多い場所…………そこはＤ棟の一階、廊下の奥、階段がある付近の十字路辺りだった。「もっと広い場所を選べば良いものを、何故だ…………？」　人数の利を活かすならば、狭い場所ほど意味が無い。それとも、何か策が有るのだろうか？ アッシュは、しかしそれがあまりに愚かな考えである事に気付く。 策など、有るに決まっている。そうでなければ、わざわざゲームなど持ちかけてくる意味が無い。 どんな策が用意されていようと、潰すのみ。元より、それ以外に方法が無い。 鍵の開いたエントランスからＡ棟とＢ棟の繋がった校舎へ入り、そこから目的のＤ棟へと向かう。普通の人間が普通に歩いても、１分もかからないであろう道のり。 だが。「………………」 妙だと思った。 各校舎棟と校舎棟の間には中庭が設けられており、エントランスからも見えるそこに、２人ほど敵が隠れている事は知っていた。だが、それならばどうして襲ってこないのか。 疑問に思っていると、アッシュの感覚に引っかかるものがあった。 グレーの気配を感じたのである。それが操り人形のものなのか、平岡健太郎のものなのかは判断し難いが、とにかく感じた。 そして次の瞬間、アッシュが感じていた敵が、全員動き出した。「…………始まり、か？」　中庭から２つの影が躍り出る。 それは素早くこちらへと走り出して、躊躇なく間合いを詰めてきた。　速い。 明らかに、何の訓練も受けていない人間の動きでは無い。屋上で見た生徒と同じく、無理やり限界以上の力を引き出されているらしい。 だが、それでもアッシュにとってはあまりに遅すぎた。 アッシュは、襲い掛かってくる２人の生徒の方を見もせず、ただ腕だけを動かした。 すると、それだけで２人の襲撃者は地に膝を付いた。 仮に意識があったとしても、その２人は何が起こったのか理解出来なかっただろう。 軽く、顎を打ち抜いたのだ。それも、アッシュにとっては障る程度の手加減をして。 顎を横から打ち抜かれると、頚椎を軸として脳は揺さぶられる。脳震盪が起こるわけだ。 重くなると意識障害など、危険な状態になってしまうが、見たところ、ただ動けないだけで、２人にそれは無いようだ。 アッシュは手早く、２人の下半身を灰で固めてしまった。 これで動けない。彼等は言うなれば犠牲者。なるべく無傷で解放したい。 こちらに向かってくるグレーへと歩き出したいところだが、背後から近づいてくる敵が居た。 順次片付けていこうと、アッシュが振り返ったその時。「あの…………大丈夫ですか？」　その敵から声をかけられ、アッシュは一瞬混乱した。 「何故、君がこんな所に居る？」「ええと…………それは………………」　黒い衣装に身を包んだ、先ほどは刑事と名乗っていた男に詰問され、羽矢音は焦った。 羽矢音が未だ学校に残っているのには理由があった。 それは、クラスに忘れ物をしたから。そんな単純な理由に他ならない。 ２時間前、どうしてか屋上で眼を覚ました時、そうそうに帰宅を促され、始めはそれにちゃんと従うつもりだった。 実際、図書館に置いている荷物を取りに行った後、校門の前までは足を運んだのだ。 だが、そこで忘れ物に気付く。 数学の問題集。 どうやら、帰り支度をした時に、鞄に入れ忘れたようなのだ。それは図書館で勉強を始めた時に気付いたのだが。 とにかく、校門前でその事に気付いた羽矢音は、少しなら良いだろうと自分のクラスへと足を運んだ。 ３年生でもあるし、クラスはＢ棟の一階にある。数分あれば取って帰ってこれるのだ。 特別な捜査をするという刑事に見咎められても、理由を説明すれば許してくれるだろう。何より、その時にはまだ学校内には多くの生徒が残っていた。 そして、問題集を取りにいったわけだが。 連日の勉強疲れか、どういうわけだか、羽矢音は机に突っ伏して寝てしまったらしい。 自分でも信じ難いが、それが真実だ。 だが、それを眼の前の刑事に説明するとなると、何となくややこしくなりそうな気がした。 こちらを見てくる、あの眼がすでに怖い。何か物凄く疑わしいものを見る眼だった。何を言っても怒られそうな雰囲気だ。 というか、どうして生徒が２人倒れているのだろうか？　下半身には妙な黒い物体が張り付いているし。「ええと…………だからその、なんていうか。………………すいません、すぐに帰ります」 取りあえず謝罪してすぐに帰ろうと思った。それで済むとは思わなかったが、言ってみた。 捜査の機密保持とかで拘束されないだろうか？　と心配だった。 だが、さり気無く下駄箱へ向かおうとする羽矢音の足を止めたのは、刑事の言葉ではなかった。「………………へ？」 刑事の向こう側に見えるＤ棟。 その廊下を曲がって、１０人ほどの集団が、異様な速さでこちらへ向かってきたのだ。 羽矢音は驚いて動けなくなり…………。「………………仕方が無い。そこから動くな。どんな理由があるにせよ、君はこの状況に関して、おそらく無関係だ」　刑事に動く事を禁じられ、とうとう帰る機会を逸してしまった。-------------さあ、ついに終りへと向けて動き出せました。なんというか、以前の話を忘れていて微妙に描きづらかったです。やはり、プロットはちゃんと建てるべきですね。ＡＲＩＡが終わるみたいですね・・・・・。ブレイドを読んだところ、アクアマリンの誕生もありましたし。何か妙に泣きそうになりました。あと、２回くらいですか。そうすると、来年から始まるアニメは最終話までやるという事ですね。というか、二期でアテナさんがアリスへのフラグを立てていたあたり、すでにその辺りから終りへ向けての構成に入ってたんでしょうね～。ああ、何かショック。

  Dec 31, 2007

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• おきた

  メンテだったので、微妙な時間に更新。というかさっき起きました。昨日はバイトで、再び新人さんに仕事を教えてました。まあほとんど放置でしたが。で、バイト終わった後は友人の家へぶらりと行きました。夕食は、有り得ないほど米を詰めてくる事で定評のあるコンビニのお弁当です。「すべらない話」を後半部分だけ見ながら、色々話してました。さすが芸人さんだけあって、日常の何気ない事を話しているはずなのにとても面白いですね。というかそういう話を受信するアンテナが付いているとしか思えません。ぬ～。書く事があまり無いですね。起きがけで頭が働いて無いので、書く事が思いつきません。なんでゆっくりと脳を休めておきながら書く事が思いつかないんだよこのド低脳がァーーッ。ご、ごめんよフーゴ。まあ、今日一日は大掃除をしながら、絵や小説の作業を進めていきますかね。

  Dec 30, 2007

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• 

  いかんせん

  今日は雨降り模様でした。なんて事だ。自転車では濡れてしまうではないですか。と、いうわけで濡れながらバイトへ行ってきました。傘が小さいので、濡れ放題です。太もも部分とか。服が濡れたら非常に気持ち悪いです。まあ乾くのも早いのですが。バイトへ行ったら、また新人さんが来ていました。あー。また教えるのかー。みたいな感じです。まあいい加減慣れろっていう話ですが。同じ様な事を１０数回繰り返してればいい加減なれるものでしょうが、そもそも、何が良い教え方なのかが良く分かりません。まあ、自分の知ってる事をなるべく急ピッチで教える方向でやりました。女子高生で、マトモなバイトが初めてであるとなれば、結構教える方もしんどいものですが、今回の娘はそれなりに楽でした。私も色々と立ち回っていたので最低限の事を教えてからほとんど放置してたので、まあ楽といえば楽。とは言っても、すぐに仕事を出来るようになりそうな娘でした。よかった。記念絵が進まない・・・・・・。ちゃんとした質感が出ないのですね～。すげえ安っぽい感じがします。これはもう少し時間がかかるかもしれません。頑張って作業したいと思います。ですが、私の心をみなみけの千秋が代弁してくれました。・・・・・・こんな事してるから作業が進まないのかもしれません。

  Dec 29, 2007

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• 終りの始まり　後編

  「ッ…………！」　悪態を付こうとして、しかし言葉が出ない。 一瞬、呆然としてしまった。闘いの最中、信じられないことだが、確かにそうなっていた。 そこを狙われた。 横合いからの、凄まじいまでの衝撃。その衝撃で、一瞬意識が飛ぶ。 意識を回復し、自分の体が吹き飛ばされている事を自覚したのは、２度目の衝撃があったからだ。 目標の少女と対峙していた場所が、４棟有る校舎棟の一番端。学校敷地内の一番奥。仮にそれをＤ棟としておく。衝撃で吹き飛ばされた方向は、Ｃ棟の方向に向かってだった。 それぞれの棟の屋上には頑丈な鉄柵が設けられており、誤って落ちてしまわないように、十分な強度と十分な高さで囲まれている。 つまり、吹き飛ばされて意識を失ったグレーは、その鉄柵を突き破った衝撃で再び意識を取り戻したのだ。 未だ高速で飛ばされる、自由の利かない体性で状況判断を試みる。 結論はすぐに出た。 最悪だ。 そして、すぐに望みの薄い策を打った。 結論を出すと同時に、Ｃ棟最初の鉄柵にぶち当たる。 衝撃が全身を貫く。痛みは感じ無い。最初の衝撃で体が痺れてしまっている。 ここで止まれば、下に落ちる事になる。この高さでは死なない。むしろここで落ちてくれたほうがまだ良いかもしれない。だが、そのささやかな願いは叶えられる事無く、グレーの体は鉄柵を軽々と突き破った。 さらに、Ｃ棟２枚目の鉄柵も破り、Ｂ棟１枚目の鉄柵を破り…………。 今の自分の姿は発泡スチロールの壁へと無造作に放り投げられた人形の様に見えるだろう。 そんなどうでも良いことが頭に浮かび、Ｂ棟屋上の地面に背中から激突する。４枚の鉄柵をぶち破り、さすがに勢いが減じられてきたのだろう。 だが、もちろんそこで止まる事は無く、グレーの体は地面に激突した衝撃でバウンドし、回転しながらＢ棟２枚目の鉄柵に背中から受け止められた。　その鉄柵は突き破る事無く、しかしほとんど破壊状態。グレーの衝突地点を中心に大きく陥没した形で、仮に鉄柵が消失すればそのまま地上へと落下するであろう程だった。 激突時の衝撃が、Ｂ棟鉄柵の全てを揺らしていた。「ぐ…………う……ぅ………………」　まだ全身が痺れている。 その中で、グレーは己の体を確かめる。 衝撃を感じたのは右側から。右腕はどうなっている？　視線をやり、確かめる。 右手首は元々痛めていた。だが、そんな痛みなど最早感じないほどに今の状態は酷い。右腕は衝撃を受けた上腕を中心に、グレーを支えている鉄柵の様に陥没し、内側からは骨が露出して脇腹に刺さっていた。右腕と脇腹が刺さった骨でくっついている。 震える左腕で、それを無理やり引き抜く。血がドロリと出てきたが、そんな事を気にしていられる状況でも無い。 脇腹も劣らず酷い状態だ。 きっと右脇腹の肋骨は全て折れている上に、何本かは内蔵に刺さっているかもしれない。 頭が熱い。どうやら鉄柵を突き破っている最中に負傷したらしい。視界の半分が流れた血で隠れてしまう。辛うじて動く左腕で血を拭う。 グレーは、おぼつかない足取りで陥没した鉄柵から抜け出し、抜け出した所で、膝を付く。 一瞬の油断で全てを持っていかれてしまった。 油断………………。そう、油断だ。 何時の間にか、相手に主導権を握られていた。あんな小娘に何が出来ると、高を括っていた自分が確かに存在したのだろう。馬鹿な。厳重な警備からして、何かがあるのかもしれないという可能性は予想出来ていたのに。らしくなく熱くなって自分を見失っていた。 その結果がこれだ。重傷という言葉がピタリと当てはまる状態。いや、それよりも悪いかもしれない。何にせよ、放っておけば死は免れないだろう。 もちろん、放って置かれる事など万が一にも有りはしないが。 その現実を裏付けるかのように、死神が眼の前に降り立った。 アッシュだ。「ああ…………久しぶりだね、アッシュ。君と別れて以来、私は君以外の男に抱かれた事は無かったよ」「お前はどちらでもいけるだろう」「ああ、残念だが、全く…………その通りだっ」　言うが早いか、右腕を下にして、思い切り倒れこむ。 同時に、恐ろしい破壊力を持った灰色の銃弾が十数発、鉄柵を安々と破壊する。 さらに、頭上から人間大の灰色の塊が、ハンマーの様に地面を叩き付けた。 体を捻り、僅かに数センチの差でそれを避けながら体を起こそうとする。まだこれだけ体が動くのが不思議だった。だが、グレーの努力はあっさりと消失する。 体を起こそうとして膝を付いたところで、何時の間にか眼の前に立っていたアッシュに腹を蹴られ、再び鉄柵に身を預けてしまう。 そして首の下、鎖骨の中心を足で踏みつけてくる。「が…………っ」　咳になりきれない呼気が口から漏れる。 これではもう動けない。完全に動けなくしてから止めを刺そうというのだろう。 事実、アッシュの力の高まりを感じた。 だが、そうはさせない。 グレーは動く左腕を一閃させた。攻撃だ。 あっさりと避けられてしまったが、それでも離れてくれた事は有り難い。「その状態でもまだ抵抗してくるとは、しぶとい奴だ」「まだ、死ねないのでね」「…………お前は何時もそうだな」　アッシュは呆れたように言った。表情は動いていないが、声の微妙な調子で分かる。「俺とお前はまるで反対の思考を持っていた。俺はさっさと死んでしまいたいのに、何時も命を後生大事に抱え、お前は存在理由を求めながら、命を手放しているとしか思えない行動を平気でする」　アッシュは煙草を取り出して、火をつける。残念な事に、まるで油断などしてくれていないが。こちらが少しでも動けば、即座に攻撃に移るだろう。「今回の事にしてもそうだ。明らかにお前の能力の範疇を超えている」　己の存在理由を求めてきているのに、命を簡単に放り出している事を言っているのだろう。言い返す言葉も無い。言い返す理由など無いが。そもそも、言っても理解などできないだろう。「…………まだ諦めていない眼をしているな。だが…………」　カン、カン、と乾いた音が５つ、何かが鉄柵に当たった音が耳に届く。 その光景は予想できたものだった。 アッシュの攻撃から意識を取り戻した直後、足止めさせていた４人の異能力者がこちらに向かってくるのを確認していたからだ。 グレーを取り囲むようにして、鉄柵の上に５人の人間が立っていた。「この包囲網から、どうやって逃げ切るつもりだ？」　アッシュの無慈悲な声。 それが別れの言葉であるかのように、アッシュの圧力が増していく。止めを刺すつもりだ。どの様に逃げようとも、今のグレーには逃げ切れない方法で。 こんな瀕死の人間を眼の前にして、感極まるほどの好待遇だ。 グレーは僅かに体を動かして、膝を付いた。(………………頼む) 念じる。 少しで良いから、全力で走らせてくれ。 己の体に念じる。 逃げ切れる確立はとても小さい。そもそも、治療の場所など知らない。逃げ切れたとしても、死んでしまうかもしれない。これほど重傷だと、自分以外の誰かに傷の手当てをしてもらうしか無い。だが、その心当たりが無いのだ。普通の病院には組織の人間が必ず何人か紛れ込んでいるし、普通で無い病院の場所など、組織は承知の上だろう。 だから、この状況で必死になる事は結局無駄かもしれない。 だがそれでも、まだ諦めたくはなかった。 だから………………。 荒い息を付きながら、震える全身を必死で押さえつけ、グレーは左手に一本のナイフを手にした。 包囲している全員に、緊張が走る。ただ一人を除いて。 次の瞬間、包囲している全員が眼を見開いた。 グレーはそのナイフを自分のノドに付き立てたのだ。 ナイフはノドに突き刺さり、反対側の首からその刃先を露出させ、同時に大量の血液が噴出、グレーの体がゆっくりと倒れていく…………ように見えただろう。 だが、実際は。「光恵！」　アッシュの声に頼らず、それがグレーの精神支配によるものだと、すぐに全員が気付いた。 だが、それにも関わらず、グレーは包囲網を簡単に通り抜ける事が出来た。 形梨光恵。 グレーが校門前で打ち倒し、精神支配にかけた少女。 アッシュの攻撃で吹き飛ばされた直後、己の元に４人の異能力者が集結していることに気付いたグレーは、光恵をこちらに呼び出していた。 先ほど、全員が一瞬後のグレーの死をイメージしていた事だろう。そうした相手に、死のイメージを見せ付ける事は実に容易い。それに乗じて、逃げ出すための一歩を踏み出す。 だが、それだけではこの体が正常であってもこの包囲網を突破する事は出来ないだろう。 だが、ここで形梨光恵というファクターが入り込む事で、その可能性が格段に上がる。 なにせ、通り過ぎるグレーを見逃す、という行為をさせる事が出来るのだから。 だが、それ以上の行為は不可能だ。これからは、走るという行為に没頭しなければならないのだから。 軋み、痛みきった体を叱咤し、血を撒き散らしながら、グレーは逃げ出した。 　もう、意識が怪しい。 視界が暗い。それに、とても寒いのだ。 視界が暗いのは今が夜だからだろうか？　そうだとしたらよくそこまで逃げることが出来たものだ。よく、体が持ったものだ。出血が少なかった事が救いだったのかもしれない。それでもほとんど致死量の血液を失ったが。 ここは、何処だろうか？　何処かの路地だろうか？ 　建物と建物の隙間の、通路らしき場所だ。「はは…………」 自分が選んで逃げた場所が理解できていないとは、つくづく限界が近いらしい。 どうやらここまでの様だ。「…………………………」　死ぬ、か。 もっと恐ろしく悲しいものだと思っていた。 だが、実際はどうだろう。今、自分の中にある想いはそんなものとは無縁のものだった。 それは、己の愚かさを恨むもの。 あの、目標の少女の言葉が忘れられない。『同じ土俵には立っていなかったのよ』　全くその通りだった。 彼女の本質に触れた瞬間、自分は我を忘れるほどの衝撃を受けた。 彼女の能力は、自分が知りえたものなどでは無かった。そんなレベルのものでは無かったのだ。 あれは…………そう、世界を変えてしまえる様な、そんな圧倒的な力。自分が感じていた彼女の能力など、それが漏れ出したごく僅かな部分でしか無かったのだろう。 しかし、同じ土俵に立っていないとは、能力の差によるものでは無い。詰まる所、心構えの問題。 グレーは己の中に、あの少女を軽視する部分があった事を否定しきれないでいた。それは、あの少女の本質に触れたとき、茫然自失してしまった事が証明している。彼女と対峙する覚悟が足りなかったのだ。 それでは、同じ土俵に立っているとは言えない。　ふと、僅かな気配を感じてそちらを振り向く。「良く、ここまで逃げ延びたな」　アッシュだった。「……あの…………少女……の名は？」　グレーは、掠れる声で言った。どうでも良いことだが、どうしても知りたい事でもある。自分を殺した人間の名前くらい知っておきたい。「…………如月葉月という」　アッシュも、どう見ても助かりそうの無いグレーを見て、答えた。グレーの気持ちに答えたのではなく、情報を与えてもすぐに死んでしまうだろうから、という事だろう。 グレーにもアッシュのその気持ちは伝わり、少しだけ腹が立った。 だから、少しだけ意地悪をしてみたくなった。「アッシュ…………お前…………は………………奇跡を、信じる…………か？」　その問いに、アッシュは…………。------------------さて、過去編はここで終りです。尻切れですが、構成上やむなく。あと一度、どこかで入れますが、大体終了ですね。マリみて最新刊読みました。やべー。何で９ｐ目でいきなり泣きそうになってるんだ私は。描こう。なんか描こう。

  Dec 28, 2007

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  としをわすれるかい

  今日は忘年会でした。バイト先の。何時も通り起きて、最近見ている再放送のドラマ『花咲かりの君たち』を見て。ああ、これ面白いですね。最近ドラマは見てないのですが、なんか抵抗無く見れました。原作は漫画らしいですが、漫画知ってるとあんまり見れる内容でも無いのかもしれません。漫画→ドラマは基本的に原作信者にとってはタブーですからね。ですが、今回は原作知らないので普通に面白いです。さて、忘年会の待ち合わせは１８時３０分なのですが。コンビニで立ち読みしてたら見事に１８時３０分になってました。おかしいですね。これはきっと、歳をとるごとに時間が短く感じられるという現象と時期的な何かの相乗効果で時の流れが何時もよりはやくなったに違いありません。すいません。普段はゆっくりと話す機会のないバイト仲間ですが、今日はそれぞれの面白いところを見つけました。まあ、基本的に私より３歳以上年下の奴らなので、ジェネレーションギャップは否めませんが。というか高校生レベルになると、もう完全に無理です。何が彼らの間で流行っているのか分かりませんからね。適当に話を聞いてました。まあ、楽しかったです。忘年会を終えると、友人に借りていたものを返すために、再び外へ。明日から冬コミへと出陣する友人は、本日は寝ないで始発電車で東京へ向かうとの事。頑張るなあ。コミケ・・・・・・学生の間に、一度くらいは行っておくべきだったかもしれないとやや後悔してます。行ったら行ったで後悔しそうですが。そもそも同人誌買いませんし。さすがに夜になると寒くて、コンビニの前で３０分くらい雑談してましたが、完全に体が冷えてました。バンブーブレード。最新刊最新キャラのウラです。ラフなのと特徴が捉えきれていないのとで、誰なのか分かりません。

  Dec 27, 2007

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• 死にぞこないの姫

  今日は友人の家でチーズフォンデュをしていました。友人を急かしまくって始めました。だって一人でやってもつまんないんですもん。でも、もうしばらくチーズは良いです。物凄い腹に溜まりました。美味しかったんですが。……米うめぇｗｗ最終的にそんな感じでした。＊注　次の作品はパロディーです。なんのパロディーかは秘密です。今日ちょっとテレビで見て描きたくなりました。基本はその作品を踏襲していますが、設定とかが妙にねじりくねっています。あ、絵はちゃんと描いてますよ。　ある所に、自殺したい姫(１１歳)が居ました。 姫の父親は博打で全財産を失い、自己破産した後に消息を断ちました。 姫の母親は戦場でも有名な傭兵でしたが、５年前に死線を勢い良く踏みしめて大怪我をおい、完治した後に『エルドラドが私を呼んでいる』とかなんとか言って消息不明です。 唯一残った祖父は一週間前亡くなりました。 姫に残されたのは執拗に追い立ててくる借金取りと祖父の農園、そして言葉を話すことが出来るミラクルガチョウです。名前をミラクルといいます。弱虫です。 とりあえずこのガチョウを売れば借金取りは何とかなりそうだと姫は考えましたが、『それは見事な人権侵害だよ！』と生意気な事を言われたので首を少し絞めた後に許してあげました。 祖父の農園は役に立ちません。　１１歳の姫には農園の扱いなど何一つ分からないばかりか、地球温暖化とかの影響で島が沈んでしまうので売り払う事も出来ません。 だから姫は自殺する事にしました。 でも、その前に姫は旅行したいと思いました。どうしても行きたい場所があったのです。 祖父の年金の受取人は姫になっていたので、借金取りを上手く交わして旅行へ行く事くらいは出来るのです。 もちろん小生意気なミラクルも一緒です。ミラクルは露骨に嫌そうな顔をしていました。言葉を持ったミラクルは知能も高いのです。「まあ、飛べもしない鳥類の僕には、君についていくしか他に手が無いんだけどね」 本当に五月蝿いガチョウです。 姫が行きたい場所。 それは光学の力で軍事産業の分野において他の追随を許さない、『光学兵器の都市』でした。 年中ずっと上空へ照射されるオーロラバスターの危険なオーロラ色がとても魅力的なのです。 テレビで一度見てから、ずっと憧れ続けていたのです。 そして、実際に見た光学兵器の都市はとても色鮮やかで、テレビで見たものより遥かに綺麗で、美しくて、それが人を殺す事の出来る兵器である事がとても信じられませんでした。「それは違うよ姫。死は人間の根源を支配する恐怖の概念で、でもそれ故に人はその美しさに魅入られるのさ」　オーロラバスターが美しいのは、その兵器が人間よりも遥かに巨大なエネルギーを持っていて、その力の前では人間の生命など紙切れに等しくて、つまりそれに魅入られる事は神への信仰に酷似しているのだと続けました。 姫はミラクルの首を中くらいの力で締めました。 都市を一通り見終わって。 ああ、一番したかった事が終えてしまった。 姫はとうとう自殺する事にしました。 ミラクルよ、これからお前とは友達でもペットでも無い。だから何処へでも行って野良猫にでも喰われ…………七面鳥と間違われてクリスマスを不気味に彩るが良いさ。「何で言い直した所がさらに悪くなってるのさ！？　え？　ねえ、ちょ、聞いてる？　ねえ聞いてる？　僕の…………」　姫はガァガァと喚き立てるミラクルを完全に無視して、鞄から瓶詰めされた甘酸っぱい香りがする液体を取り出しました。ちなみに未開封です。 姫がその液体を飲み干そうとしたその時でした。「ちょっと待ちなよ！！」　姫はとても鬱陶しそうにミラクルを見ました。 ですが、さきほど居た場所にミラクルは居ません。 一体あのガチョウは何処から声をかけてきたのでしょうか？ それを確かめてからでも死ぬのは悪くないと思い、ミラクルの姿を探しました。 すると、ミラクルはとても高い塔の上に居ました。「君が死ぬなら僕も飛び降りて死ぬ！」　姫は『へぇ…………』と言いました。「ええ！　なにその予想外に冷たいリアクションっ！！　確かに僕らは友達でもペットでも無いと袂を千切りあった仲だけど…………だから僕の話を聞いて！？　ビンの蓋を開ける動作を止めて！　ほら？　僕を見て。僕を見て！」　あまりにしつこかったので、姫はミラクルを見ました。正直とても鬱陶しかったです。 ですが、次の瞬間です。 ミラクルは本当に飛び降りました。 ガチョウは飛べません。ですからこのまま落ちたら死にます。 その事に思い至った瞬間、姫の背筋をぞわりと駆け巡るものがありました。 それは寒気。 何だかんだ言って、ミラクルは長い間、姫と友達でした。何時もは悪口ばかりいって、たまに虐待もしましたが、それは愛情の裏返しだったのです。 さきほどミラクルを無視したのも、弱虫のミラクルは本当に飛び降りるはずが無いと思っていたからです。　たとえ自分が死んでも、ミラクルが生きていてくれればそれで良い。ミラクルにはこの先、ろくでも無い姫の人生とは離れて、もっともっと綺麗な世界を見て欲しかったのです。もっともっと美味しいものを食べてほしかったのです。もっともっと美しく生きて欲しかったのです。 それがとても勝手な願いで有ることは知っていましたが、姫はもう疲れてしまったのです。 だから、ミラクルに希望を託して自分は死のうと思ったのでした。 でも、そのミラクルが死んでしまう。 姫は咄嗟に手を伸ばしていました。 絶望的な二人の距離。とてもとても長い距離。しかし、落ち始めたら一瞬。手を伸ばしても、結局のところ無意味です。 ですが、姫は必死にジャンプしてまでミラクルを掴もうとしました。 何時の間にか、眼の端には涙すら浮かんでいます。 二人の距離はとても遠いのに…………これほどミラクルを近くに感じた事はありませんでした。 ミラクルは、姫と運命を共にすると言っているのです。それはとても馬鹿げた事です。ですが、泣きそうなほどに嬉しく、しかしとても皮肉です。 ミラクル。 姫は叫びました。 しかし、ミラクルの体は重力に逆らう事が出来ず、どんどん姫との距離が近づいていき…………。 次の瞬間です。「ああ凄い！　見て姫！　僕飛んでるよ。信じられないや僕飛んでるよぉ！！」　ミラクルは凄い奇跡をやってのけました。 姫は唖然としました。 落ちてた石を思い切り投擲しました。それは見事ミラクルの胴体にめり込みました。 ぐげぇ、とかそんな声を出してミラクルは落下しました。ですが、すでに死ぬような高さでは無いので死にませんでした。 ミラクルが物凄く気まずそうにこちらを見てきました。 そうです、このガチョウは結局最後のところで怖くなって、死に物狂いで羽ばたいた果てに奇跡を起こしたのです。 そんなミラクルにとても馬鹿らしくなって、姫は瓶の蓋を一気に開けました。「！　止めるんだ姫！」 そして、中の液体を飲み干そうとして…………。 出来ませんでした。 腕が震えて、瓶をある一定の角度から動かせなくなってしまったのです。 ミラクルの言うとおりでした。死は、人の根源に巣くった恐怖という名の魔物です。 そして、腕の震えは増して行き、ついに瓶を落としてしまいました。 姫とミラクルは顔を見合わせます。 そして、どちらからとも言わずに、笑い出していました。 その笑いはオーロラに彩られた都市の空気に溶け込み、しかしそれよりも遥かに美しく二人の心を照らし出しました。 しばらく笑いあった後、姫はおもむろに鞄を開きました。 そこには僅かなお金以外、何も入っていませんでした。 ですが、今なら何でも出来そうな気がしました。 怖くて結局生きる事を選んでしまった姫。 死に物狂いで奇跡を起こしたミラクル。 二人は友達です。 そして、この二人なら何でも出来そうな気がしました。 鞄には何も入っていませんでしたが、これから入れていけばいいのです。 ミラクルは、人はその圧倒的な恐怖ゆえに、死に魅入られるのだと言いました。 ですが、これからこの鞄に入るものは、きっとどんな魅力的なものよりも魅力的に輝いてくれるはずです。 お尻をリズミカルに振りながら歩くミラクルと、草書体で『姫』と書かれたマフラーを着た姫は、静かに光学兵器の都市を去りました。

  Dec 26, 2007

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  ばいお

  今日はとても寝覚めが悪かったです。というか寝ずぎてしんどかったです。３時過ぎに就寝して、一度８時頃に起きてゴミ出し。朝飯を食べて気付いたら１４時でした。きっとボスが近くに居たに違いありません。まあそれは置いといて。妙に壮大な夢を見ておりました。アカギの葬式を、何故か誇張された田舎の婆ちゃんの家で行いました。前回の夢の設定が活かされておりまして、家の中は微妙に変です。何故、あの闇に舞い降りた天才アカギの葬式が行われているのかはわかりませんが、とても悲しかったです。後、何故か猫がたくさん居ました。そしてそこから修学旅行が始まりました。何故でしょうか？それは私も分かりません。バスから見える景色といえば、右手にはクレーン車の持ち上げる部分が雲を付きぬけ、純白の壁面と太陽の光で銀に反射した窓が素敵な巨大ビル、そして生い茂る木々、左手にはタンカーや豪華客船みたいなとにかく大きい船が浮かんだ、若干荒れた海・・・・・そう、台風の影響が有りました。雨は降ってません。風が凄かったです。上空には飛行機が飛んでおりました。都合の良い事に、台風の影響があるのは左手の海側だけで、右手の景色は春の様なうららかさと荘厳さが漂っておりました。そして事態は突然急展開を迎えます。バイオハザードの発生です。一つの都市を巻き込んで、私は夜一さん(ブリーチ参照)を俯瞰する形でゾンビ達をなぎ倒しておりました。ボスキャラは意思を持った、途轍もなく強い黄金の騎士っぽい邪悪な存在です。残念ですが、夜一さんでは勝てませんでした。ですが、何処かの傭兵部隊が数百人規模で助けに来てくれました。夜一さんは片手でPM1910重機関銃みたいな恐ろしい兵器を打ちまくっておりました。勝ちました。そして都市は閉鎖されました。というより、島だったみたいです。とにかく、島が閉鎖されて数十年後、なみのりでその島に近づいたサトシとピカチュウ、その他のポケモンが危うくゾンビ化しかけておりました。彼等は急いで逃げてました。覚えてるのはここまでです。もっと色々有ったような無かった様な。クリスマスイブの日記じゃ無いですねこれは。というか、今日はジャンプが発売されてて驚きました。銀魂がすげえ面白かったです。SOS団の記念絵途中。完成度３５パー。なんでこんなに進まないのかというと、何でなんでしょうね。きっと撲殺天使のせいです。実際の大きさは縦横共１．６７倍くらいです。もっと綺麗にしてキャラを描いて、全然足りて無いものを追加して・・・。あれ？もしかして２０パーくらいかもしれない。くそう、もっと速く描けないものか。

  Dec 25, 2007

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• ふりかえれ

  ふう・・・眠い。今日は朝からゼミの大掃除でした。遅刻しました。すいません。起きたら集合時間５分前ですよ。なんだか幸せな夢を見ていたような・・・いや、幸せではないかもしれませんが、なんだか面白そうな夢だったはずです。掃除は昼前に終わりました。これで学校の行事は来年のゼミ始めまでありません。しばらく休みです。そして年明けには新しいゼミ生が入ってきます。なんだか不思議な気分ですね。まだゼミに入って間もない気がしていたのに、すでに一年が経っていたとは。一年の計は元旦にあり、とよく言われます。意味は良く分かりませんが、これは一年を始めるに当たっての目標等を元旦に定める事を意味してるんですかね？まあそんな事はどうでも良いのですが。私が言いたいのは、一年の計とやらが元旦にあるのなら、年末は当然、一年を振り返るためにあります。この一年を振り返って、何があったか思い返して見ます。どれだけ自分が成長したか思い返して見ます。取り合えず、一年ほど前に立てていた小説のプロットを見て恥ずかしさで悶えてしまったのは成長の証ですかね。いえ、改めてちゃんと創り直せば使えそうな感じなので、今度頑張って作り直しましょうかね・・・。描きたい話はまだ７、８個あるのです。それも長編で。年末はラストスパートでそれらを整理していきたいと思います。さて、明日はクリスマスイブ。チーズフォンデュでも作ってみようかなあなどと考えております。取り合えずもうカレーは嫌です。

  Dec 24, 2007

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• ぱらぱらと

  時が傾けられた時はパラパラと進んでいく時はゆっくりと　しかし確実に自身を積み重ねていく始めは小さな積もりで積もる毎に　入れ物は振り子の様に揺れ始める時が積み重なっていく積み重なるほどに　振り子の運動は大きくなる入れ物が一杯になると　入れ物は回転する時はまた　初めからパラパラと進み始める繰り返し　繰り返し　進み始めるパラパラと　パラパラと　進み始める------------------砂時計です。中間発表も終り、今日はゼミの忘年会でした。その席で飾りの砂時計を見ながら上記の様な事を考えておりました。何百万の人が一度は考えるネタでしょうね。というか、これって詩なのか？テーマで思わず選んでしまいましたが。砂時計を人生、輪廻転生と見立てる構図は良くあるパターンだと思います。実際は砂が落ちきっても、砂時計は勝手に回転しないわけですが。砂が積もっていくと勝手に回転する砂時計とかあるんですかね～。ぶっちゃけそれだと実用性は無いでしょうが。インテリアとして見てる分には楽しそう。さあ、中間発表も終り、休みに突入です。もちろん卒論について考えなくてはならないのでそう休みでもないですが、満喫しましょう。まあ、良くつるんでる友人が引きこもってたり帰省してたりするんで、年末は一人でしょうね。その分、創作に精を出すかあ。ん？基本的に何時もと変わらないような・・・。まあ気のせいでしょう。

  Dec 23, 2007

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• 

  いけない

  忘年会いけなかった・・・。というのも、明日は朝早くから卒業研究の中間発表があるのです。忘年会はなるべくいきたかったのですが、これはもうどうしようも無いなあ。残念。そういえば、今日はOBさんがいらっしゃってました。確か東京から。絵の分野で実力の有る方で、頑張ってらっしゃるようです。接点とかあまり無い方ですが、一度絵に対する考えか方とか聞いてみたいなあ。実際話して見ないとなんとも言えませんが、これまでの傾向で言うと、何となく話せなかった方は究極的に合わない人間なのでは無いかという疑惑が生まれております。私の周りに、私が嫌だと感じる人間が居ないのはそのせいかも。まあ当てにならない傾向ですが。人間には必要と不必要が、それとどちらでも良いと思える三種類の区分けが当然あるわけですが、私の人間関係に限れば、必要か不必要かの二択で済ませられるのでは無いかと。現時点で不必要であるからといって、将来的にどうかはもちろん分かりません。きっとそれが壁にあたるのでしょう。壁すら感じない人間はきっとたくさん居るでしょうからね。あ、何となく自分の考えが纏まってきた。なるほど、私はそう考えていたわけだ。まあ、全ては『袖振り合うも多生の縁』で済む事ですかね。ああ、ことわざとは奥が深い。と、いうわけで明日は中間発表。弄られてきますか。線画。このくらいの線画はすぐに出来るので描いてしまいました。時間かかるのは色塗り。記念絵はクリスマスに間に合わせます。

  Dec 22, 2007

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• 終りの始まり　中編

  　言われた事の意味が分からない。 そもそも、目標に手をかけておきながら、どうして咄嗟に逃げたのか、自分で全く理解できなかったのだ。 そう、逃げた。そのニュアンスがピタリと当てはまる。自分は確かにあの瞬間、逃げる選択をした。 何故だ？ アッシュの姿がどうしてか見えないという最大の好期なのに。 いや、正確にはアッシュの気配はとても強くなっていた。だが、その気配が幾つも感じられ、どれが本物か区別が付かないのだ。 それは、グレーが学校へ近づくために行った手段と、皮肉な事にほとんど同じだった。 アッシュが近くに居る事は間違いないのだが、何故か仕掛けてこない。護衛対象を放り出しているというとても不自然な状態だった。だが、そんな事は自分とは関係無い。ただ奪い去るだけ。それだけなのに。 どうして自分は逃げた？「貴女は」　再び、葉月の声。 そこで我に帰る。それが一瞬だったとしても、忘我の境にあった事こそ、一番信じられない。相対している人間にその気があれば、一撃入れられていてもおかしくない。 いや、違う。 眼の前の少女に、そんな戦闘能力は無いのだ。今、自分は明らかに動揺している。落ち着け。　目標を速やかに確保。そして逃走。それを実行に移せ！「私の能力の本質を」　目標が何か言っている。 しかし、関係ない。耳を貸すな。 グレーは、葉月が反応できないであろう速さで葉月の懐に潜りこみ、そして…………。「勘違いしているわ」　その言葉で、再び手を止めてしまった。僅かに伸ばした手は葉月に触れそうで、しかしギリギリの所で留まっている。「…………どういう意味だ？」　その言葉は、腹の底から搾り出す様な労力が必要だった。ともすれば震えだしそうな声を、必死に押さえて言う。「そのままの意味よ」「お前の能力は………………人間の中にある未来への可能性を…………助長するものであると、聞いた」「ええ、そうね」「間違いであるはずが無い」「残念だけど…………それは私が持っている能力の本質では無いわ」「そんな馬鹿な事が有るか！」　それでは、何のために自分はここまでやって来た？　死の危険を犯してまで、ここまで来た意味が無い。 情報を掴み、期間を設けて、苛立ちに耐え刃を突きつけられているかの様な追跡の恐怖に耐え、ほとんど死ぬであろう作戦を実行した意味は？「お前……お前は私の存在している理由を…………」 始めはふとした疑問だった。 どうして人は生きているのだろう。小さな頃、まだ己の能力を自覚していない頃に抱いた疑問。 どうして人は生きているの？ 母親に聞いてみた。父親に聞いてみた。キンダーガーデンの幼児教育者に聞いてみた。念のため、友達にも聞いてみた。 だが、帰ってくる答えは、今ひとつ要領を得ない抽象的な答えだった。友達に到っては、そもそも質問の意味すら理解出来ていない節があった。無理も無い。今にして思えば、酷い質問だ。そもそも、そんなものに答えなど無いのだから。　それは誰もが一度は持ってしまう疑問だろう。ほとんどが十代半ばで陥るであろう、ノド元を過ぎれば考慮にも値しない様な疑問。グレーの場合、その疑問を抱いたのが５歳頃だっただけのこと。 だが、ある日。 両親が発狂した。 訳も分からず、恐ろしく。泣きながら助けを求めた隣人も発狂した。連絡を受けて到着した警察の幾人も発狂した。 それは能力の暴走だった。グレーの中に元来あった能力が、ある日突然開花したのだ。しかしそれは、とても美しいと呼べる花では無かった。人の精神を揺さぶり破壊する、醜悪な力の発露だった。 人々は程なくして気付いた。グレーの中にある、恐ろしいものに。 それ故に隔離された。実はその時点では、すでに異能力の暴走は収まっていたのだが、そんな事に普通の人間は気付かない。 隔離という手段は、悪魔の子として恐れられた結果だった。法の元で裁く事など出来るはずも無く、かといって私刑に処す事など出来るはずも無い。何より、殺せば何らかのしっぺ返しが有るのでは無いかと、彼等は本気で信じていた。 暗い部屋の中で、囚人同然の扱いを受けたあの恐怖は未だに忘れ難い。 そして、数ヶ月たった頃、組織の人間がグレーを迎えに来た。 それは地獄からの脱出に等しかった。５歳の少女が両親と切り離され、誰も頼るものの無い、物質的にも精神的にも恐ろしく暗い部屋の中へと閉じ込められる。それが地獄で無いならばなんだと言えるだろうか。 牢獄生活の中で、感情を失いかけていたグレーだが、組織での暮らしは彼女を徐々に回復へと向かわせた。 しかし、狂っていた。 彼女の中の、ある一つの部分は狂ったまま、決して癒える事は無かった。いや、癒えるという表現には語弊があるかもしれない。そもそも、それは決して壊れてなどいなかったのだから。あの日、己の能力が暴走した瞬間に芽生えた感覚。狂い。 その狂いとは、すなわち『存在の意味』に対する渇望。 気付いてしまったのだ。 あの日、両親が、隣人が、警官が発狂したその時。彼らの精神を漏らす事無く包み込み覗き込み破壊しつくしたその先に見えた感覚。 グレーは確かにその時、満足感に浸っていた。 それは所謂、狂人や変人に類するものの精神構造を踏襲するというものでは無かった。グレーはむしろ、冷静にその狂いに対して分析していた。 人間の精神を破壊した時、人々を未来へと繋ぎとめている可能性を破壊した時に得られる高揚感はなんだろうかと。 その高揚感に溺れる事無く、グレーは考えた。 そしてたどり着いた結論。 人間の、その精神の奥底に秘められている可能性、本質こそが、その人間が存在する事を許しているのでは無いかと。それは自分もきっと例外ではない。　だが、グレーと言えども、自分自身の精神を除く事は出来ない。つまり、己の本質を知る事が出来ない。 ではどうすれば良いか？ 己の存在の意味を推し量るには、より多くの人間の本質を知る必要が有る、と考えた。人の心を蹂躙しつくした時、満足感や高揚感に浸れるのは、存在の真理に一歩近づいたからに他ならないと考えた。己がこのような能力を持って生まれたのは、運命に他ならないと考えた。 それは、組織に属して裏の世界に生きるという、常に死と触れ合う環境が産んだ、病気の様な結論だった。 常識的に考えれば、そんな事が有るはずが無い。しかし、グレーにとってはそれが唯一絶対の真実へと昇華されてしまったのだ。 だが、どれだけ言葉で着飾ろうとも、グレーがそうする理由は単純なものだった。 詰まる所、グレーは知りたかったのだ。 人が何故生きているのか、自分が何故存在しているのか、という事を。 ただそれだけのために、彼女はここまで来た。組織を抜け、制裁の恐怖に怯えながらも多くの人間を壊し続けてきた。 そして、ついに出合った。自分の狂いを止めてくれるかもしれない人間を。自分の疑問を晴らしてくれるかもしれないという人間を。 こう考えたのだ。 己と同じ様な能力を持った人間なら、その本質はより己に近いのでは無いか、と。 これまで、多くの人間の精神を覗いてきた経験則から、人の本質はどれ一つとして同じものなど存在しないが、似通っているものは有ったのだ。 眼の前に立つこの少女こそ、正にそれ。 故に、グレーは手を伸ばした…………。　伸ばした手は、しっかりと目前の少女の肩を掴む。少女は、逃げる素振りすら見せなかった。「お前が否定するならそれでも良い。お前の本質、私が見極める！」　言葉と共に圧倒的な力が放たれた。 グレーの手を中心に、恐ろしい量の力が溢れ出した。普段の様に、精神をじっくりと吟味する方法とは違う。常人ならば、触れただけでもその精神を破壊されかねない。 しかし、その力に直接さらされている少女は、涼やかなものだった。「そこまで己の存在にこだわるのは、貴女の過去が関係しているのかしら？　貴女は自分に嘘を付いているだけよ。それが義務感であるかの様に、そうでなければ申し訳が立たないと思い込んでいるだけでは無いかしら？」　少女の言葉を耳にした瞬間。　ぞわりと粟立つような感覚。強制力。これがこの娘の力か？「私は知りたいだけだ」「だから、それが嘘だと言うのよ」　もう耳を貸すのは止めろ。 集中して、この娘を見定めろ。その精神の奥底にある、本質を見極めろ。そして己の存在理由を見出すのだ。 集中して本質に触れろ。 集中して。 集中……………………。「…………………………！」　眼前の娘の精神の奥底。その本質に触れた時。 その、あまりに圧倒的な娘の力に触れてしまった時。 予想外の衝撃。 眼前の娘の言葉が真実で有ると、一瞬で悟らざるを得なかった衝撃。 それがあまりに圧倒的な力であると知り、それに触れてしまった事で生まれた恐怖。 忘我の極み。 茫然自失。 それまで、アッシュの存在を十二分に警戒していたグレーが、全ての思考を停止し、思わず少女から手を放し、よろけて。 完全な隙が生まれる。 その瞬間。 グレーの体は、クレーン車の大鉄球の如き灰色の塊によって弾き飛ばされた。「私と貴女は同じ土俵に立って居なかったのよ。そもそも、貴女は私の本当を何一つ知らなかったのだから。…………貴女と私は、敵にはなり得なかったのよ」　高速で飛ばされながら、グレーはその、本来なら聞こえるはずが無い声を聞いた気がした。　なんという事だ。--------------------何か色々と中二病の気配が漂っております。まあ小説描く奴なんて基本的に中二病ですがね。トップクラスの小説家はきっと常人には計り知れないほどの中二病患者です。私はまだまだ勉強不足だけに、恥ずかしい中二病です。というか予想以上に長いぞ。さて、中間発表が近づいて参りました。明後日です。日付的には明日です。どうなる事やら・・・・・・・。そういえば今日、ナルトのアニメをチラリとみたんですが、引き延ばしが酷いですね。ブリーチ見ても思いましたが、全体的にテンポが悪すぎるような・・・・・・。ブリーチはドラゴンボール方式でテンポが悪いです。ナルトは雰囲気を作ろうとしているのか間を取りすぎてテンポが悪いです。いや、まあテンポの悪い小説描いてる私が言うのもなんですがね。

  Dec 21, 2007

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• 

  ふぉー

  今日、サンデーとマガジンを立ち読みに行って先週が合併号である事に気付いたのは私だけでは無いはず。さて、何か今日は物凄いやる気が出ない一日でした。何かこう、力はいらねーよみたいな。寝たら治りましたが。というか単に眠かっただけか。明日・・・・・というより、今日はDSでFF４が発売されますね。完全３D化。それに声付き。何か普通に欲しいなあ。でもDS持って無いし、買う金が有ったら食費に回すなあ。正月、実家に帰ったら弟か兄が買っていてそれをプレイさせてもらうという計画が進行中。ざわ・・・ざわ・・・。FF４の戦闘曲がすげえ格好良い。普通のボス曲だけでなく、ゴルベーザ四天王とかゼロムス戦のカッコ良さは異常。DSでどれだけ音楽が進化しているのかが知りたい。オーケストラとか使わなくて良いので、できるだけ原曲を引き出して欲しいですなあ。・・・・・・・PS２でリメイクされたら絶対買うのに。落書き。本描きへと進化するかは未定。

  Dec 20, 2007

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• ばーろぉ

  今日は珍しくゼミでした。中間発表も近いですしね・・・。まあ、そんなわけでなんだか凄い疲れました。何でそんなに疲れたんだというくらい眠かったです。なので、晩飯食ったら日付が変わるまで寝てました。ホットカーペットで。嫌な夢を見るものです。というか夢の中の私の部屋が現実とほとんど変わらなかったのでリアリティがありました。パソコンはニコニコ動画を開いてましたし。凄いぜ習慣。そんで、何故か恐怖動画を見ていました。すると明らかに小さすぎる緑色の髪をした女の子が私の部屋をとても興味深げに見回ってました。恥ずかしいから止めれ。そういえば、昨日バーロォ・・・じゃなくて名探偵コナンの実写ドラマやってましたね。コナンと灰原は吹き替えでした。正直、正解だと思います。あんまり違和感無かったですし。内容もそれなりに楽しめました。麻酔銃を使わない方式の謎解きなので、最終的に犯人を言い当てるシーンに金田一少年の臭いがプンプンしましたが。個人的にはジンのキャラが少し違う様な気がしました。面白かったので、次は新一出さないで麻酔銃使って事件解決してほしいですなあ。

  Dec 19, 2007

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• 

  ねぐるしい

  眠い・・・。最近、妙に眠いです。ホットカーペットに転がって寝ると、眠気が酷くて起き上がれません。楽しい夢は見ますが。それって結局、眠りが浅い事の証明な気がします。まあ、ホットカーペットは最初は気持ち良いですが、後で物凄く寝苦しくなるという特性を持つので仕方ないですが。さて、今日のブリーチ。相変わらずオサレな読みきりでした。オサレ。銀魂のオチが予想を越えてて良かったです。シャチのギザギザにやられました。というか空知さんすげえ。平均的に面白いですが、たまに妙な底力を発揮します。ジャスタウェイとか。アニメでは杉田さんの声優が合い過ぎて面白さが倍増してます。そして、私の中でサイレンへの期待が高まってます。このままだと単行本買うなこれは。女の子のキャラ設定・・・というか、絶望感と投げやりさはもう少し虚無感を乗せた方が好みかなあと思いましたが。色塗りました。線画と色塗り、もっとレベル上げよう・・・。

  Dec 18, 2007

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