ということで、例の映画を観てきました。
この辺は、「カイジ」という作品をどれくらい見ていたかで、感想が分かれるところかと思いますが、
少なくとも、原作漫画を「ほぼすべて」読破している自分としては十二分に楽しめた作品でした。
直近(2020年1月)で、旧作品2作品が公開されていますが、「カイジ」のエッセンスをしっかりと受け継ぎつつ、オリジナリティも忘れない作品になっているんですよね…素晴らしい!
さて、今回の作品「カイジ ファイナルゲーム」では、舞台が「2020 東京オリンピック」が終了した後に起こった、「圧倒的なインフレ」で、物価がありえないくらい高騰してしまった近未来となっています。
そう!「キンキンに冷えた」「悪魔的な」ビールが高すぎて手が出せないような状況になっているわけです。(地下強制労働施設のペリカではありません)
そんな中で打ち出される、「悪魔的」な策略をめぐりいろいろな思惑が交錯する作品となっています。
「カイジ」という作品を語るうえで、非常に大事なのは、「仲間の裏切り」と「閃き」と「運否天賦ではないけどある程度は運任せ」この辺のバランスですね…何よりも、「裏切り」については、原作を読んでいる人からすれば、「いつものカイジやん!」って思うくらいしっくりくる要素です。
原作の「限定じゃんけん」でも、「パチンコ 沼」でも、「17歩」でも、「信じていた人が裏切る」という展開が非常に大事であったし、タイミングも絶妙でした…でしたよね?w
「閃き」という点でいうと、カイジという人間はいわゆる「天才」ではないし、どちらかというと、「弱い人間」をわかりやすく描いているキャラクターになっています。(作中は「クズ」という表現になりますが…)
そんな中でも、ありとあらゆる想定をしながら、「閃き」に結びつけることが多く、その閃きが「悪魔的」な閃きにつながることも多いのが特徴です。
「運否天賦」については、カイジというキャラクターが最も嫌っている考え方で、ここ一番では、「勝算の無い賭け」というものは絶対にしないのがこの作品を通してのポイントになります。…まぁ、その手前で、「命のかからない賭け」についてはほぼほぼ負け通しているので、運がないという点については十分すぎるほどに理解しているからこそ、確実性を高めるんでしょう。…で、「勝算」がある程度高まると、最終的には、「運任せ」の勝負になったとしても大きく賭けに出て「勝つ」というのが、カイジシリーズの見せ場なんですね…勝つからこそ、この作品は続いているんです!w
定番のゴールドパターンは、必ず最初に「負ける」ところから始まります。…結構な「大負け」することが多いですかね。
…で、そこで初めて「考察」をします。考察するのはいつも遅いですねw
「考察」から「勝ち筋」をしっかりと導き出してから、「勝利へのスタート」を切って少し勝ってから…また、負けますw
そこから、「逆転の発想」が組み込まれて、やっとこ「勝利」を収めるわけです!
…で、信頼していた仲間が裏切って次のシリーズへ!…っていうの定番なわけです。
作品の勝率でいえば、ほぼ負け越しているわけですが、最後の「勝ち」がめちゃくちゃデカいため、その負けた分を一気に清算してしまうわけですね。…いやぁ、安心してみていられますw
今回の作品でも、そういうシーンの連続で、「カイジを観ている!」という実感がふつふつと沸く作品となっていますので、「カイジ好き」の人たちは、まず劇場へ!