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October 7, 2015
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みなさん、こんばんは。マイナンバーのお知らせ届きましたか?赤ん坊まで番号がつけられていずれは銀行口座と結びつけられるなんて、どうにも不安でたまりません。

さて、こちらは奇妙な電話から始まるミステリーです。

死を忘れるな
Memento Mori
ミュリエル・スパーク

 福祉活動に励むデイム・レティ・コルストン(79才)のところに、知らない男の人の声で「死ぬ運命を忘れるな」とそれだけを言う電話が度々かかってくる。警察は高齢のレティの頭を疑っているのか、熱を入れて捜査してくれない。 困ったレティは兄のゴトフリー(87才)のところへ行くが、ゴトフリーやその妻チャーミアン(85才)にも電話がかかってくる。奇妙な事件の捜査を任されたのは、引退した警部ヘンリ・モーティマー(70才)。チャーミアンは有名な作家だが、どんな家政婦がやってきても相手を「ミス・テイラー」と呼んだり、時々つじつまが合わないことを言うため、新たにやってきた家政婦とトラブルを起こす。

 チャーミアンが信頼していた元家政婦ジーン・テイラー(82才)は、レティが理事長を務める病院の老人病科に入院中。そんな中、奔放な生活を送っていたライザ・ブルックが73才で亡くなる。ライザは独身だったのに、夫に全財産を遺しており夫がいない場合には家政婦ミセス・ペティグルー(自称69才で、実は73才)に遺産を残すことになっていた。彼等と旧知であるアレック・ウォーナー(79才)は自分も老人でありながら老人たちを観察して老人病学の研究をしており、わざと人騒がせな事実を伝えては彼等の状態を観察している。

 ミステリの定石なら、謎の電話をきっかけに登場人物がそれぞれの人生を考え直したり、それまでの人間関係が崩れていったりするものだ。しかし本作ではこのような展開は一切なく、老人達は動じない。彼等にとっては単に迷惑な電話でしかなく、関心は「犯人が誰かのみ」だ。改めて他人様から言われる筋合いなどありませんよ、というスタンスで、彼等の自己肯定感が半端ない。年齢にしては皆元気で、捜査をやったり批評をやったりと頭の方も冴えている。自分がこの年齢の時に、これだけ多くの事を考え行動できているだろうか?それともこれは、イギリスのお国柄なのか。

 振り返って自分達の年齢に近いミドルの登場人物はといえば、これがもう情けない。チャーミアンの息子エリックは56才になるというのにこれといった正業がない。彼の場合は、幼い頃何か不祥事をやらかしても「周囲が悪いから」と散々甘やかされてきたことも原因なので、同情の余地は確かにある。しかし、有る程度大人になっても所行が変わらないので「ああこれは本人が悪いんだ」とさすがに周囲も梯子を外す。ところがこれが、本人にしてみれば青天の霹靂で、よけいに周囲を―特に母親―を恨むようになってしまう。こんな彼を後ろから操っているのがまたもや先に挙げた老人達の一人であり、物語世界を主に動かしているのは、老人なのだ。

 「生と死」や「老人のあるべき姿」などというもっともらしい命題をこの本でまともに考えようとすると必ず不条理の壁にぶつかる。最後の近い老人達が少しも委縮することなく、あっちへ行っては愚かな真似をし、こっちに戻っては醜い姿を晒す、という奇妙な世界を楽しまれるのが良いのでは。


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最終更新日  October 11, 2015 07:24:10 AM
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