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May 14, 2017
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みなさん、こんばんは。今日は珍しく雨が降ってきました。
沖縄と奄美が梅雨入りしましたね。

不思議な家族の物語を紹介します。

私たちが姉妹だったころ
We are all completely beside ourselves
カレン・ジョイ・ファウラー
白水社

ローズマリーはカリフォルニア大学で学ぶ22歳。無口で他人とうまく付き合うことができない。かつては心理学者の父と主婦の母、兄と、双子にあたる姉ファーンのいる、おしゃべりな子だった。だが5歳の時に突然祖父母の家へ預けられ、帰ってみると姉の姿が消えていた。母親は部屋へ閉じこもり、父は酒に溺れる。大好きだった兄も問題児になり、高校生の時に失踪してしまう。ローズマリーがこの大学を選んだのは兄の手がかりを捜すためだった。

 「この物語は真ん中から始まる」と巻頭そうそうローズマリーは宣言している。なぜならば、最初から始めてしまったら、読者はこの家族のある一点ばかりが気になって、ストーリーそのものは二の次になってしまうからだ。そのため私達は、ローズマリ―の一人称語りであることを頼りに、いつか家族失踪の謎が明かされるものと期待して読む。ところが途中で、ローズマリーが信頼できない語り手であることに気づく。どうしても記憶の中の一点がはっきりしないのだ。こうして不安定な語り手にゆらゆらと揺られながら、私達はローズマリーの幼少時代に踏み込んでいく。

 映画化されてかなり毒気が抜かれた『ジェイン・オースティンの読書会』がまず日本に登場したことから、ラブスト―リーの作家かと思っていたが『The Case of the Imaginary Detective』(未訳)というミステリやSF小説で賞も獲得している。本書の粗筋もある意味SFのように見えるが、アメリカで実際にこうした事例があったそうだ。「過去と現実を交錯させながら物語を天甲斐させ、登場人物が自らと家族の関係を見つめ直す」というパターンは『The Case of the Imaginary Detective』でも踏襲されている。

 ある種SFと書いたが、基本はあるアメリカ人の家族の物語だ。彼等はある体験をしたことで、「普通ではない」家族になってしまった。とりわけ生まれてからずっと姉と一緒だったローズマリーは、最も多く彼女の影響を受けていたため、学校で酷い苛めにあう。世間一般が考える普通の家族の姿にあわせようとしても、我が道を貫こうとしても、どちらを選んでも傷つく。

 しかしトルストイの名言をまたずとも、「普通」と見えるどの家庭も、どこかに「普通ではない」部分を持っている。家族に対する愛情、憎しみ、きょうだいどうしの嫉妬、様々な感情をぶつけあいながら、家族は絶えず形を変える。しかし、例え修復不可能に思えたとしても、別の姿になって復活する。家族を壊すのも愛ならば、再び立て直すのも、また愛なのだ。











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最終更新日  May 14, 2017 12:00:28 AM
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