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カテゴリ:日本のミステリー小説
みなさん、こんばんは。
今夜も京極夏彦さんの陰陽師シリーズを紹介します。 鉄鼠の檻 京極夏彦 作家・関口は、蔵から発見された古籍を鑑定する仕事を受けた友人・中禅寺秋彦の仕事につきあい、妻と共に箱根の宿を訪れていた。一方、彼らの近くの宿・仙石楼に、雑誌記者の中禅寺敦子とカストリ雑誌の編集者・鳥口がカメラマンとして取材で滞在していた。禅と脳波の関係を調べるという実験を、明慧寺という無名の寺が承知してくれたのだ。ある朝、雪で覆われた仙石楼の庭で、漆黒の衣を着た座禅を組んだ僧侶の死体が見つかる。 冒頭に殺人者の告白が登場する。「拙僧が殺めたのだ」しかし聞いていたのは盲目の按摩であるため、話者が誰かは明かされない。今回、戦争中榎木津の部下だった古物商・待古庵こと今川が初登場。「いつもそれなりに懸命で、それでいてどこか醒めている(p19)」彼は、『姑獲鳥の夏』の傷を癒しに来ていた久遠寺翁と知り合う。『姑獲鳥の夏』では関口、『魍魎の匣』では木島、そして今回では今川が自らのトラウマ(または傷)と向かい合う。『続巷説百物語』で登場した和田智稔が伝聞として登場。 言葉による憑物落としを生業とする陰陽師と、言葉によらない部分が占める世界に住む禅僧。両者の対決がクライマックスになっている。足跡無き死体とか、死体と話していた証人とか、ミステリーの要素は勿論あるのだけれど、「悟るとは何か」が語られる今回気になったのは別の所。 説明のつかない事があると「妖怪じゃないか」と言い出す関口を中禅寺が怒る理由。 まあ関口は無知な読者の代わりに怒られてくれているので、彼が褒められる事は多分ない。ないのだけれど、それにしても、なぜ怒ってるか。 何でもかんでも説明のつかない事があると、「妖怪じゃないか」とカテゴライズする。そしてそれ以上、説明のつかない事象については考えようとしない。そうして段々、わからない事自体を怖いもの、近づきがたいものとして忌避していくと、ますます本質から遠ざかり、いつまでたっても事態の解決にはならない。わからない事の内部に踏み込もうとしないで、面白おかしく囃し立てたりするのは、更に言語道断。 だから怒るんじゃないのかな。例えば、現代で罪を犯した者の、説明のつかないある心理状態は『心の闇』とカテゴライズされる事が多い。 でもカテゴライズしただけで、「じゃあ心の闇って何だろう」って先を考えなければ、誰も本質には近づかなくなってしまう。そうなったら、『心の闇』も一種の妖怪みたいになってしまうだけじゃないか。自ら作った檻の中の世界だけを守るために、手を下したあの人のように。公的/私的目的を問わず、中の世界しか見えない檻なんて、ない方がいい。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】鉄鼠の檻 小説 (講談社ノベルス) [ 京極夏彦 ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
July 31, 2017 09:08:33 PM
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