|
全て
| 料理&お菓子&旅&演劇&その他2
| フランス映画
| 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ)
| その他の地域の映画&ドラマ
| アメリカ映画
| 韓国映画
| 真田広之
| 韓国ドラマ
| アメリカドラマ
| その他のジャンルの日本の小説
| 日本のミステリー小説
| イギリスドラマ
| よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥
| 漫画・アニメ
| 日本ドラマ
| 中国&台湾映画
| 日本の作家が書いた歴史小説
| 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル
| 東欧・ロシア映画
| イギリス&アイルランド映画
| オランダ映画&オランダドラマ
| 北欧映画
| その他のジャンルの海外小説
| 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説
| 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル
| 日本映画
| 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説
| カナダの映画&ドラマ
| ドイツ映画&ドイツドラマ
| 日本のファンタジー小説
| 海外のミステリー&ファンタジー小説
| 堺雅人
| 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇
| 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ
| 山田風太郎
| 香川照之
| 松山ケンイチ
| 海外の作家が書いた歴史小説
| ジェイク・ギレンホール
| イギリスドラマ:SHERLOCK
| 塩野七生
| 吉田鋼太郎
| イタリア映画&イタリアドラマ
| ローズマリー・サトクリフ
| 大杉蓮
| ベネディクト・カンバーバッチ
| インド映画
| 長谷川博己
| 内野聖陽
| 林遣都
| ムロツヨシ
| ジョシュ・オコナ―
| 井浦新
| 菅田将暉
| ディーン・フジオカ
| 台湾ドラマ&中国ドラマ
みなさんこんばんは。絵本『ぐりとぐら』シリーズや『そらいろのたね』などの絵で知られる画家の山脇百合子さんが亡くなったことが明らかになりました。今日は著者自身の従弟のことを書いたノンフィクションを紹介します。
マイケル・Aの悲劇 Cuz:The Life and Times of Michael ダニエル・アレン 筑摩書房 那波 かおり (訳) なぜ彼は29歳で死ななければならなかったのか。答えを出すのは簡単だ。自然死か、他殺か、自殺か。他殺なら加害者がいる。加害者がいたから殺されたのだ。しかしこの問いかけをした著者の求めている答えは、それではない。 「マイケル・A」のAは、アレンである。著者ダニエル・アレンの年下の従弟にあたる。彼は1995年、15歳の時にカージャック未遂で逮捕されたが、奪おうとして脅しに使ったピストルを相手に奪われて逆に撃たれ重傷を負った。翌年、いわゆるティーンの犯罪としては重い13年の刑が確定し、11年後の2006年に仮釈放される。しかし翌年喧嘩で再収監され、翌年刑期満了で出所。彼が死んだのはその1年後だった。青年期のほとんどを刑務所で過ごし、いわゆる娑婆に出てきたのはほんのわずかだった。 著者は政治学者の父と図書館司書の母に育てられ、学園都市で育ち、プリンストン、ケンブリッジ、ハーバードなどで学んだのち政治学者となる。父親とマイケルの母親カレンは兄妹なのに、なぜこれほど従兄どうしで違った人生を歩むことになったのか。 伝記の態を取りつつも、主役であるマイケルが語る場面はほとんどなく、一人称でもない。詳細に書けるほど、著者は最近のマイケルを知らないからだ。子供の頃の彼は明るく天使のようだった。しかし母親の再婚や姉兄と別れたこと、ストリートギャングのいる地域で通学したことなどが、次第に彼を危険な世界に近づけていく。最初の仮釈放の際に、著者は彼の再就職、大学進学など全てにアドバイスしている。しかし突然彼は全てをひっくり返してしまう。これらの過程においても、当事者が詳細を語ってくれていない以上、全て推測であり、著者のもどかしい思い「あの時気づいていれば」「あの時こうしていれば」が伝わる。 読者は「なるべくしてこうなった」という理由をとかく見つけ安心しようとするが、本書はなぜマイケルがこのような最期を迎えることになったかを結論づけてはいない。著者は彼をとりまく家庭やパラステートと呼ばれるギャング文化を含む社会環境を説明し、マイケルに最初に科せられた刑罰が、本当に彼のためになったのかと問いかけている。例えばマイケルが白人だったら同じだっただろうかと。アメリカ初の黒人大統領にバラク・オバマが就任したのは2009年、マイケルが死んだ年だ。彼の登場がもう少し早ければ、黒人差別や刑罰に対する姿勢は、少しは変わっていたのだろうか。 マイケル・Aの悲劇 [ ダニエル・アレン ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
October 9, 2022 12:00:23 AM
コメント(0) | コメントを書く
[海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル] カテゴリの最新記事
|
|