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October 13, 2022
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みなさんこんばんは。都心の大動脈、JR山手線で、11日午後から、乗客を乗せた営業列車で自動運転の実証運転が始まりました。踏切がある過密ダイヤの路線では初めてで、鉄道自動化の加速につながるか注目されます。アウシュヴィッツで本当に活躍したユダヤ人女性のお針子について書いたノンフィクションを紹介します。

アウシュヴィッツのお針子
The dressmakers of Auschwitz
ルーシー・アドリントン
河出書房新社

とある場所の縫製所では、ユダヤ人女性達が忙しく立ち働く。ところが突然緊張が走る。お針子の一人が、アイロンで布地を焦がしてしまったのだ。劣勢にあって素材が簡単に手に入らない。失敗したお針子は青くなる。でも心強き彼女達のリーダーは、ミスをミスに見せないで繕うやり方を知っていた。顧客は一瞬変に思うものの、リーダーの巧みな弁舌に言い任されてしまう。本書は、こんな映画の一幕のような場面から始まる。

 アウシュヴィッツと聞いて浮かぶイメージは、大量虐殺、ジェノサイド、悲惨、惨劇…いずれもマイナスイメージだ。ところがアウシュヴィッツに高級女性服を仕立てるサロンがあったという。高級サロン?アウシュヴィッツと全くイメージが合わない。顧客はアウシュヴィッツ収容所署長夫人ヘートヴィヒ・ヘスをはじめとするナチス高官夫人だ。二十五人の若い収容者、主にユダヤ人の女性と少女が、エリートナチス女性の専用サロンで、彼女達のために美しいファッションをデザイン、カット、縫製していた。本書は彼女達が幸せに暮らしていた時代から、収容所で出会い、終戦を迎えるまでを綴る。

 一方で劣等民族、寄生虫と嘲っていたユダヤ人に、身の回りに纏う衣服のデザインと裁縫を任せていた事実に、特に矛盾は感じていなかったらしい。作中に「あなたたち、とんでもない奴らだと思っていたけど、存外やるじゃないの」のような台詞を顧客に浴びせられる場面も登場する。
 
 どこか神経を麻痺させていないと、或いは見えるものを見ないようにしていないと、成り立たない世界だった。収容所と署長の家とはさほど離れていない。庭には収容所からの灰が舞い降りてくる。毎日のように人を焼く独特の匂いがする。肥料として人骨が使われる。

 サロンのお針子と顧客を、単純に被害者・加害者と分けるのは難しい。実際にはユダヤ人は迫害を受けており、生命の危険にさらされているが、共闘の匂いもする。但しお針子達が優秀であるという前提においてだ。お針子達も、ただ戦々恐々と顧客の御機嫌取りばかりをしていたわけではない。後半収容所でレジスタンス活動が活発になるが、彼女達の中には協力者もいた。全員を救うことはできないけれど、救える者だけでも救いたい。ぎりぎりの所で他人を思える優しさと強さは、現実だからこそ尊い。

 もともと著者はアウシュヴィッツのお針子を主人公に据えたYA小説を発表していた。ところが実際のお針子達が名乗り出てきたため、今回のノンフィクション発表となった。


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最終更新日  October 13, 2022 12:00:25 AM
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