|
全て
| 料理&お菓子&旅&演劇&その他2
| フランス映画
| 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ)
| その他の地域の映画&ドラマ
| アメリカ映画
| 韓国映画
| 真田広之
| 韓国ドラマ
| アメリカドラマ
| その他のジャンルの日本の小説
| 日本のミステリー小説
| イギリスドラマ
| よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥
| 漫画・アニメ
| 日本ドラマ
| 中国&台湾映画
| 日本の作家が書いた歴史小説
| 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル
| 東欧・ロシア映画
| イギリス&アイルランド映画
| オランダ映画&オランダドラマ
| 北欧映画
| その他のジャンルの海外小説
| 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説
| 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル
| 日本映画
| 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説
| カナダの映画&ドラマ
| ドイツ映画&ドイツドラマ
| 日本のファンタジー小説
| 海外のミステリー&ファンタジー小説
| 堺雅人
| 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇
| 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ
| 山田風太郎
| 香川照之
| 松山ケンイチ
| 海外の作家が書いた歴史小説
| ジェイク・ギレンホール
| イギリスドラマ:SHERLOCK
| 塩野七生
| 吉田鋼太郎
| イタリア映画&イタリアドラマ
| ローズマリー・サトクリフ
| 大杉蓮
| ベネディクト・カンバーバッチ
| インド映画
| 長谷川博己
| 内野聖陽
| 林遣都
| ムロツヨシ
| ジョシュ・オコナ―
| 井浦新
| 菅田将暉
| ディーン・フジオカ
| 台湾ドラマ&中国ドラマ
みなさんこんばんは。第80回ヴェネツィア国際映画祭で濱口竜介の監督作「悪は存在しない」が銀獅子賞(審査員大賞)を受賞しました。今日もノンフィクション作品を紹介します。
ヴィクトリア朝の毒殺魔──殺人医師対スコットランドヤード The Case of The Murderous Dr Cream:The Hunt For a Victorian Era Serial Killer 亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ ディーン・ジョーブ 1860年、アイルランドの木材業を営む裕福な家の息子に生まれたトマス・ニール・クリームは当時最先端の医療技術を学んで医師国家試験に合格。クロロホルム中毒で死亡した妊婦の重要参考人として取り調べられるが決定的な証拠がなく無罪。カナダを去り、シカゴに渡ったクリームは4件の殺人罪でイリノイ州立刑務所、通称所リエットに収監されるが、父親が有力者で恩赦が出たため、10年で刑期を終えて1891年出所。本書はここから始まる。 彼が出所した時、アメリカでは既に採用されていたベルティヨン式人体測定法が採用される。要は犯罪者の体の寸法を測っておいて、再犯を防ごうというものだ。顔を変えてしまったらおしまいだが、まさか今の韓国みたいに皆が皆整形に血道をあげるわけではないし、また、全くの別人になれるような技術は、まだない。だから、同じ寸法の人間がいたら「この人は再犯者」と断定できるというわけ。だが、まだ十分いきわたっているわけではない。 だから場所を変え、名前を変えれば、クリームはいくらでも犯罪を重ねられる。1891年、彼が向かったのは、イギリスのランベスだ。折しもビッグベンの川下にはスコットランド・ヤードが新設された。医師と名乗る男から、薬を貰って苦しみはじめ、女性が死に至る事件が頻発する。貧民窟に住むクリームと、娼婦の奇妙な死を結びつける者は最初誰もいなかった。いや、連続殺人とも思っていなかった。“連続”認定されてから、人々が騒ぎ始める。 ヴィクトリア朝は、折しも『月長石』『シャーロック・ホームズ』シリーズが大人気で、顔が見えない切り裂きジャックが世間を騒がせていた。国民が探偵もどきとなってあれこれと犯人の噂をする。月長石のカッフ部長刑事のモデルはロンドン警視庁のジョナサン・ウィッチャー警部。ホームズはポーのオーギュスト・デュパンに自身の恩師ジョセフ・ベルを組み合わせた架空のキャラクター。シャーロック・ホームズシリーズでは、スコットランド・ヤードはいつも名探偵の後塵を拝しているものだから、国民は小説の通り警察を無能扱い。「ホームズなら何とかしてくれる」と言い出したり、ホームズ気取りで自分の推理を披露する者もいて、出来立てのヤードの面々は忌々しくて仕方がない。そんなに現実はうまくいくもんか!と思いつつ、事件の解決に邁進する。意外な余波に驚いたドイルは「リアル警察優秀だから!」とフォローするが、いや、それ言ってしまうとあなたの生んだ名探偵はどうなるの。 今ほど科学捜査が進んでいるわけではない当時、はっきり言って黙っていれば誰もクリームと犯人を結びつけない。中斜視という特徴が何度かでてくるが、それだけでは“特定”にはならない。安全圏にいるのに、わざわざクリームは著名人に「あなたの御主人が犯人であることを知っている」「逮捕された人は犯人ではない。私は探偵なので推理してあげる」と投書する。捕まるのは嫌なのに、注目されたい。原題の劇場型犯罪の犯人にも共通する要素である。 残念ながら裁判でも有力者の父を持つクリームは、有能な弁護士によって罪を逃れようとする。しかしここでリアル捜査陣が頑張るのだ。というか、犯罪を重ねるというのは、本人は知らないだろうが、多くの証拠を提供していることになる。クリームは、いい気になりすぎたのだ。 ヴィクトリア朝の毒殺魔 殺人医師対スコットランドヤード (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ4 4) [ ディーン・ジョーブ ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
October 19, 2023 12:00:37 AM
コメント(0) | コメントを書く
[海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル] カテゴリの最新記事
|
|