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カテゴリ:手抜き工事の実態
今日まで現場はお休みなので、今日も手抜き工事の実態についてコメントをします。
昨日の宮城県沖地震のTV画像で倒壊した家屋が映っていました。 なので、今回は手抜き工事について「考察」したいと思います。 阪神大震災や福岡西方沖地震の時も、倒壊した家屋の中に築数年の比較的新しい住宅の倒壊も目立ちました。 なぜ新しい住宅が倒壊したのでしょうか? 木造住宅の原因としては,地盤に不適当な基礎,意匠性を重視した壁量不足,土台の不備,在来であれば筋違の不備などが考えられます。 鉄骨系の住宅であれば,溶接不良による破断,ボルトの緩み・閉め忘れなどが原因です。 「私の家は新しいから大丈夫!」というのは非常に危険な認識です。 築年数は関係ありません。 いかにきちんと設計と施工がなされた住宅であるかということの方が大事です。 現在,住宅建築における8割から9割近くに何らかの欠陥箇所があるという調査報告がされています。 例えば、 基礎の不良による床や建具の不具合(開かない閉まらない)、基礎工事不十分による家の傾斜や壁の亀裂、構造体の緊結不十分による家の揺れ。 階段や床のきしみ、雨漏りなどの原因は、手抜き工事が原因です。 その他には 緊結金物不足、ボルトの閉め忘れ、材料不足、数量不足などあげればきりがありません。 工事現場では,以上のような手抜き工事がごく普通に行われているみたいです。 私自身、新築だけでなくリフォームも行っているのですが、以上のような手抜き工事は見慣れて驚かなくなりました(泣)。 施主が業者任せであるということに加え,さらに仕事を請け負った業者が下請け業者に丸投げ施工を依頼するといった無責任な工事形態をとっているという所に原因があります。 元請け業者は下請け業者に対して、「材工共一式」という材料と工事込みでいくらという請負形式で発注します。 下請け業者は、丸投げされた工事価格から利益を得るために,材料の質を下げたり,数量を減らしたり、手間を省いたりすることで利益を得ようとします。 また,設計監理も下請け業者の自主監理になりがちです。 自主監理であるため,施工ミスや欠陥箇所を黙認してしまいます。 有名な大手住宅メーカーといえども,基本は下請けの工務店に丸投げ施工を行っています。 なので、モラルの無い下請け業者はズサンな手抜き工事をしています。 ある大手の住宅メーカーでは、20棟もの新築現場を一人で監理していると聞きました。 そのため,各現場において十分な監理や指導が出来ず,施工不良を見逃すといいます。 コマーシャルで流れているようなメーカー独自の優れた工法や技術を持っていても,十分な施工が行われなければ意味がありません。 施工に携わっている人の大半は地場の大工であるため,メーカーの施工方法については一度は教育されているものの,実際には十分な技術は修得していないことがほとんどです。 ゆえに大手の住宅メーカーといえども油断は出来ません。 私は様々な施工不良や手抜き工事が原因の訴訟の話を聞くことが多いのですが、構造躯体にとって致命傷といえるような内容もたまに聞きます。 このようなモラルに反した行為は地震国日本では命に関わることになるので、特に辞めてもらいたいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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