琵琶湖エビmode of life
本日は琵琶湖エビについて調査しました。--------蝦ギャラリーさん資料から抜粋---------<形態> 最大体長は雌雄とも55mmほどで、雌雄による体長の違いはそれほどありません。額角はほぼまっ直ぐで、上側に3-8個、下側には1-5個の歯があります。これはスジエビ属全体の特徴でもありますが、肝上棘がないかわりに鰓前棘があります。ヌマエビ科のエビに比べると大きな第二胸脚を持っていますが、テナガエビ属のエビ類の第二胸脚ほどは長くならず、あまり目立ちません。頭胸甲の側面に複雑な斑紋が見られ、腹節にも黒褐色の横縞があります。この体の模様の事について自分の経験から言うと、河川に生息しているグループと湖やダム湖に生息しているグループとでは若干違いがあるようです。河川に生息しているグループのものは頭胸甲と、第3腹節、第6腹節の横縞が目立ってはっきりしていて、ほかの縞模様はやや薄く、体色が透明ですっきりした感じがします。それに対して湖やダム湖に生息しているグループのものは、模様全体が細く、なんかもやもやとくすんだ感じです。テキストでは表現しにくいのですが、川で採集してきたものと、湖で採集してきたものを混ぜてしまっても、ちゃんと識別出来るくらい違っています。また雌の抱卵数も、河川に生息しているグループのものが多く、湖などに生息しているグループは少ないようです。<生態> 本種も他のエビ類と同様雑食のようです。泳ぎがうまく、魚用の浮上性の餌を与えると水面まで泳いできて上手に食べてしまいます。他のエビ類も同じように泳いで食べに来ますが、自分が飼ったことのあるテナガエビ科のなかでは一番うまく泳いでいました。 繁殖期は3月から10月までです。スジエビは淡水産のコエビ類の中では最も大きい卵を持つのですが、その中でも池や沼に生息しているグループの卵の方が河川に生息しているグループのものよりも大きいようです。そのかわり、河川に生息しているグループの方が多くの卵を生みます。ゾエアは淡水中でも成長でき、そのため海とつながりのない池や沼にも生息しています。 本種は河川の全域に分布していますが、流れの穏やかなところを好むようで、流れの速い瀬にはあまり生息していません。穏やかな流れの中の植物の中や石の下に隠れているのはもちろんのことですが、何もないところに出てきていることも多いようです。昼間、ヌマエビ類は植物の中に、テナガエビ類は石の下などに隠れていて姿が見えないのが普通ですが、僕の調査していた川のスジエビは、砂地の上に隠れもせずに姿丸見えでいることも多かったのです。さすがに近づくとピョンピョン跳ねて逃げましたが。それと、夜、湖などではかなり泳ぎ回っています。水槽中でも、テナガエビ類のように石の下などでじっとしているのではなく、昼も夜もそこらを動き回っていました。テナガエビ類とはちょっと生活様式が違うのかもしれません。 ↑これが明瞭に並んでいる個体が♂です