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カテゴリ:摂食障害
月曜日はいつもの様に朝方、
ごみを捨てにごみ置き場へ行く。 今日は久し振りに雨が降っていた。 懐かしい雨の匂いとコンクリートを打つ音。 暫し雨に打たれながら、 雨の匂いを感じながら深呼吸して、 冷たい雫を身体で受け止めた。 天気予報では、午前中だけ雨降りだと 言う事だったので、午後にはすっかり 晴れていたようである。 しかし今日は雨の所為か肌寒かった。 そして夜、買い物に行った帰り 空を見上げると、満月が仄かな光を 醸し出していた。 だから夜道でも少し明るかった。 優しい光は悠然と辺りを照らし、 どこまでも柔らかかった。 自然と関わっていられる時は、 過食と嘔吐の事等殆ど考えないが、 家の中にいると、この閉鎖した空間の中で 如何にして病症が出るのを逃れられるか と言う事で頭が一杯になる。 そんな杞憂を抱えるのであるが、 結局は病症の思うがままに行動している。 でも、自分がこうして過食と嘔吐を 行なう事は、何かしら意味のある事で、 無駄ばかりではないと感じるのである。 現に私は、こころがぐちゃぐちゃに混乱 しそうになるのを食べる事でストップできて いる上に、ほんの少し精神の均衡を図れている ような感じもしている。 そこに罪悪感が無い訳ではないが、 この病気を患った根源、生きていく為に 必要な症状として受け止めているのである。 そういったプラスの面もあるが、 どちらかと言うとマイナス面の方が大きい。 過食をする事も、嘔吐をする事も、 共に大きなリスクがある。 胃がパンパンになるまで、苦しみを覚えながら 食べ続け、それらを余す事なく排除するのは、 身体に大いなるダメージを与えている。 嘔吐した後は、カリウム補給の為に スポーツドリンク又は野菜ジュースを飲まねばならない。 また、低血糖予防の為に甘いものも摂取せねばならない。 自分で身体を滅茶苦茶にしておいて、 そして自分で身体を正常に戻そうとする 虚しい行為の繰り返しである事を想うと、 なんて空々しい事をしているのであろうと 哀しくなる。 今日もシャワーを浴びるギリギリの時間まで 眠っていられたので、過食衝動に襲われたり 我慢をしたりする暇は無かった。 しかし夜も更ける頃、いつもの様に食べ始めるのを 止める事は出来ない。 もう私の1日の予定として組み込まれていて、 それを変更出来ない状態に陥っているのである。 正直言って辟易しているし、凄く苦しい。 けれども自業自得であり、これが病気なのである。 その 『病気である』 と言う事実を正面から受け止めない限り、 治癒へ向かうのは難しい。 摂食障害と言う病気が、他の精神疾患・・・ 例えば『うつ病』等の様に 世間に受け容れられ難いのは、 「我慢すればいいだろう」 「気の持ち様でどうにかなるだろう」 「食べなければいいだろう」 「過食になる前に止めたらいいだろう」 「嘔吐するのを我慢すればいいだろう」 等と言う、病気を患っている本人にとって とてもではないが物凄く無理な事を 「出来る筈だ!」 と受け止められてしまうからであろうと感じる。 それが出来ないから病気であるのを 理解を示してくれるのは、一部の医師と臨床心理士と 親くらいであろう。本当に一部である。 だから時には医者でさえ、 「3食きちんと食べればいい」 「吐くのを我慢すればいい」 とのたまうのである。 そんな言葉が発せられる原因は、 「こころを大切にしていないから」 と言う事が挙げられる。 上記の『食べるのを我慢する』等と言う事が出来ていれば、 摂食障害としてこんなに苦しんでいる事はない。 『食べ物を食べられない』『食べ物を受け付けられない』 という症状の奥底にある気持やこころを感じ取って 頂かなければ、寛解へ向かうことも難しいであろう。 自分でも、己の心を大事にする事は難しい。 自分で自分を卑下して、貶めて、責める毎日が続く。 普通に食事を出来ない事がこんなにも困難であり、 こんなにも苦しいものである事は、病気を患った 本人でしか分からないであろう。 事実として、以前の母はこんな私に愛想を尽かしていた。 けれども、母の心にも変化があり、優しく接してくれる ようになった時には、本当に私は救われた想いがした。 100%病気を理解してもらうのは困難である。 実際、自分でもこの病気の事を完璧に理解できている訳では ないからである。 そんな時、主治医の言葉を思い出す。 「病人なんだから、ゆっくり休んでぼーっと微睡む時間が大切なんだよ」 と言うものである。 “立ち止まったら駄目だ”と言う強迫観念を持っていたので この言葉で随分楽になった。 そして実際何も煩わしい事を考えず ぼんやりしていると、ふっと身体の力が抜けて 楽になるのである。そうして明日への英気が養える。 だから今は無理矢理前に進もうとする事を考えず、 とりあえず今の自分を把握していきたいと考える。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.06 20:59:20
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