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カテゴリ:摂食障害
朝からずっと、
謝ってばかりの 1日だった。 以前から、今日は プリンタを購入する という予定だった。 だから私は 前日から緊張していた。 昼間から外出する事や 優柔不断な私が 早く決断できるか、 不安な事ばかりであった。 何よりも、また母に お金を使わせてしまう事に 済まない気持ちで一杯であった。 あらゆる懸念が 焦燥感や哀しみを生み、 朝起きるのが辛かった。 「支度をしなければいけない。」 と決意して起き上がったが、 母は 「一体いつ電器屋に行くの?」 「あんたの支度にかかる時間次第なんだから。」 と畳み掛けてきた。 母はプリンタを買った後、 私のお薬を取りに行かねばならないし、 夕方から用事もあった。 折角お仕事がお休みなのに、 私の所為で潰れてしまう事に 心苦しさを覚えていた。 頭の中では、 「急いで支度しなければ・・・。」 と想っているのに、 私が存在しているが故に また母に迷惑をかけている事実が 苦しくて堪らなくなり、 朝食代わりの インスタントスープを 摂取した事がきっかけになって 過食し始めてしまった。 どうしてそんな結果になるのか 今考えても全く分からない。 過食と嘔吐をして 電器屋への出発を 遅らせる方が、 迷惑に決まっているのに 沢山の想いが重なり 処理しきれなくなったこころが 食べ物を欲した。 今日ほど自分という人間の 愚かさを呪った日はない。 急いで全てを終わらせて 支度を始めた。 するとそこに 弟がやってきた。 「お腹が空いたから蕎麦が食べたい。」 という事であった。 電器屋の近くに お蕎麦屋さんがあるので、 一緒に出掛ける事になった。 それまで 母と私の間には 重い空気が漂っていたが、 弟の登場によって 一気に雰囲気が明るくなった。 プリンタを選んでいる時も、 母は弟と楽しげに喋っているので 私も気楽に物色できた。 “機能が良くて安い商品” を目的に選んでいたので 少し時間は掛かったが、 店員さんに色々訊いて 手ごろなものを選び 買い物は済んだ。 でもその間、何だか母に 申し訳ない気持ちが一杯で 「ごめんね。」 と謝ってばかりであった。 その後、お蕎麦屋さんにて 各々食べたいと想ったものを 注文した。 考えてみたら 弟と食事をするのも 久し振りであった。 “食事=過食と嘔吐” という式は出来上がっているが この場を存分に楽しもうと考えた。 母は、いつも鴨南蛮そばを 注文する。 けれども今日は珍しく ざるそばを選んだ。 初めて知ったのであるが、 弟はお蕎麦屋さんに来たら いつも鴨南蛮そばを選ぶらしい。 母と弟の間に通ずるものを 見つけられて 何だか嬉しかった。 私の場合、その後の事を考えて 注文するものは決まっている。 田舎そばという 温かいお蕎麦に 大根おろしと、とろろが かかっているものか、 山かけそばという 冷たいお蕎麦に とろろがかかっていて 卵黄が乗っている ものである。 どちらもつるつると 喉に入っていくものという 共通点がある・・・。 今日は暑かったので 山かけそばにした。 他愛ない事を 母と弟と共に お喋りしながら、 美味しく頂いた。 以前は 誰かと食事をする事に 苦痛を感じていた。 「早く吐かなければ太ってしまう。」 という気持ちで 一杯だったからである。 けれども最近は この前母と共に ファミリーレストランで 楽しく食事が出来たという体験から 焦る気持ちはなくなった。 折角の食事なのであるから、 後に待っている哀しい作業を 考えて、暗い表情で食べるのは 止めておこうと想っている。 今日の昼食を楽しめたのは、 母と弟のお陰である。 しかし、申し訳ない事をした という気持ちから、 過食と嘔吐が止まらなかった。 夕方、3度目の過食を している最中、 妹と姪がやってきた。 姪は相変わらず 元気だったけれど、 少し痩せていた。 家に来ると、いつもなら 「ねえちゃん、お菓子ちょうだい!」 と元気良く言うのに、 「お菓子食べる?」と 差し出したら 「ううん・・・ママに怒られるからいらない。」 と哀しげな顔をした。 けれども、 「ね、このお菓子美味しいよ。 今ママはいないから 食べても良いんだよ。」 と差し出すと、嬉しそうに 「おいしい!」 と笑顔になって パクパク食べていた。 そしてそのお菓子を お土産として持ち帰ってもらった。 妹に怒られなかったみたいで 安心した。 姪と会うのは久し振りであったが、 元気の無い原因は、多分 妹が最近また彼氏と別れた事 かも知れない。 妹は彼氏が出来ると、 妹のアパートで一緒に暮らす。 姪にとっては、 父親が出来たみたいで 嬉しいのであろう。 でも妹は、長くて4~5ヶ月しか 付き合いが続かない。 そして直ぐ新しい彼氏ができる。 その度に違う男性が 父親のように接してくるので 姪は少しずつ複雑な気持ちを 抱えているのであろうと感じた。 妹が私たちと別々に 暮らさねばならなくなったのは、 私の病気が原因であり、 妹も彼氏を家に連れ込み 半同棲状態で過ごす行動という 相容れられない環境が 生まれてしまうからである。 私さえ病気じゃなかったら、 今頃みんな幸せに暮らしていたのだろう。 私の所為で大切な家族の生活を 乱してしまっている。 自分が存在する事。 それによって 周りに大変な迷惑が 掛かっている事。 これは覆しようのない事実である。 夜、買い物から帰ってきても 私は謝ってばかりいた。 母はビールを飲み酔っていたので、 些細な事でも腹が立つ ようであった。 特に、炊飯器の使い方が 私は雑であるという事で 20分位注意されていた。 悪いのは私であるので 謝るのは当たり前である。 けれども、母は酔っている為 同じ事を繰り返し持ち出して 注意するのである。 その度に 「ごめんなさい。」「ごめん。」「ごめんね。」 と言わないと、母は怒り出す。 それは、お酒で酔っているという 原因もある。 素面の母であれば、1度謝ったら もう蒸し返す事はない。 酔うと抑制がなくなるので、 母の日頃の鬱憤も、 この際に現れる。 その度に謝るしか術はない。 だが、私の謝る姿もまた 母を苛立たせているのかも知れない。 家族でも人間関係は難しい。 否、家族だからこそ難しい部分が あるのかも知れない。 「近しき仲にも礼儀あり」 という言葉の通り、 節度を超えると返って不仲を招く。 とはいっても、 私のように卑屈になり 謝る事だけしかしないというのも 問題がある。 謝れば良いというものではない。 気遣いも過ぎてしまえば 余所余所しくなってしまい ぎくしゃくした空気を生む。 柔らかな笑顔が溢れ 和んだ空気の中 1日を過ごせるという事。 これこそ幸せというものかも知れない。 病症によっては 酷く沈んで笑えない事もあるが、 笑顔は柔らかで朗らかな 雰囲気を醸し出す 大切なものだと 今日、痛感した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.17 22:03:44
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