アイデア生活館

アダムの創造
ミケランジェロ作

１．人類は今、「　神の領域　」に到達しようとしている。
現在、人間の遺伝子情報は、全て解明されている。
その情報がどのように使用されるかである。

１９９５年　スイス・バ－ゼル市　バ－ゼル大学研究室

体のあちこちに眼ガあるハエが生まれた。
遺伝子操作をすることで、１４の眼が出来た。

１９９６年　イギリス・エジンバラ

ク－ロン羊の誕生。人間の遺伝子を組み込まれた、
「ポ－リ」は血友病に効く薬品を大量生産するために作られた。

１９９８年　東京

役割の決まっていないカエルの細胞から、自由に心臓、肝臓、筋肉を
作り出す技術の誕生。

１９９８年　アメリカ・メリ－ランド州

ある一つの遺伝子を操作することで筋肉が倍近く増えた
「ダブル筋肉ネズミ」を誕生させた。
このネズミは、生まれながらにして、ボディ-ビルタ゛－のような
体格をしている。このネズミと同じ遺伝子に突然変異を起こした
「ダブル筋肉牛」が食肉業界ではひっぱりだこだという。
同じ手間で倍の肉が手に入る。

２．プリンストン大学発生工学博士の未来予測によると

２０１０年　ボストン

将来、肥満にもアルコ－ル中毒にもならない男の子を選び、
出産させることができる。
「バ－チヤル・チャイルド」の誕生である。
「バ－チャル・チャイルド」とは、両親の持つ遺伝子の組み合わせの内、
望ましい組み合わせを選んで生まれた子供のことである。

２０５０年

生まれてくる子供が、１６歳になった時の肖像をすでに入手。
癌、エイズウィ－ルスに感染しない遺伝子も組み込まれている。
「バ－チャル・チャイルド」から一歩進んだ
「デザイナ－・チャイルド」の誕生である。
「デザイナ－・チャイルド」は、親が持っていない遺伝子を組み込んだ
子供のことである。

２３５０年

アメリカでは、富裕な親達の遺伝子を組み込まれた人口１０％の階級と
これまで通りの人類のナチュラル階級に２極化している。
このカップルは、結婚をしても妊娠しないようになっている。
人という生物の分化が始まる。と博士は予測する。

３．さて、遺伝子技術が進歩すれば、食料危機や病気がなくなるだろうか。
鳥ウィ－ルス、サ－ズ、Ｏ１５７、狂牛病等新たに人類の刺客が
我々に襲いかかる。２３５０年の事は、わからない。
人間が突然消滅しないと誰も言えないはずだ。

ところで、人はいつの時点で「人」となるのか。
刑法と民法では、人の時点が異なっている。

刑法・・・　母体から、一部露出した時が、人である。
民法・・・　母体から、全部露出したときが、人となる。

守るべき利益が、何かによって人になる時期がことなるのである。

そして、死ぬのは、脳死の時か、心臓停止のときか、これまた問題になる。
死の時期が問題になるのは、臓器移植ができるかどうかによる。
快復の見込みのない体なら、本人の事前の同意があれば、臓器を提供する。
臓器提供を待ち受ける者にとっては、早い時期に死の判定をしてもらった方が
都合がよいのである。

つづく

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