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映画「マージン・コール」 2011年米映画 監督・脚本J・C・チャンダー
ケヴィン・スペイシー、ポール・ベタニー、ジェレミー・アイアンズ、ザカリー・クイント 自主制作映画として製作されたのでまず2011年サンダンス映画祭のプレミア上映で発表され、10月に米国で公開されてアカデミー賞の脚本賞にノミネートされました。日本では今年DVDリリースされました。 リーマンショックの頃の架空の投資銀行が舞台の群像劇です。 設定がリーマン・ブラザーズがモデルとおぼしく、お話のビジネスはゴールドマン・サックスがモデルなので既にDVDを見た人のコメントは「リーマン・ブラザーズがモデルの映画」が大勢となっています。 それではジェレミー・アイアンズが夕方にステーキランチを食べながら「これから儲けるぞ」と気合いを入れているのがなぜなのか分からなくなるように考えますが。 意欲作ですが自主制作映画なので大手投資銀行としてはオフィスが狭そうに見えますし、社員が遊びに行くお店も銀座というより新橋っぽいのがご愛嬌です。 私は常に利益を出して株価を高く維持する事に経営陣が汲々としているらしい様子が描かれているのに感心しました。 どん欲に利益を追求するのが社風なのでCEOはあくまでも強気な様子で振る舞いますが、実際は管理職からのネガティブな情報への対応は「とりあえずリストラ」です。 保有債券の評価損による減益を公表して株価が大幅に下落する事を極力避けてきた事が分かります。 そんな事は実際には無いでしょうがリストラのやり過ぎで不動産担保証券のリスク管理部門の人数はたった3人、それも部長がリストラされて営業部に統合されてしまいます。部長がやり残したリスク計算は工学部出身の入社3年目の若手社員に引き継がれます。 そして映画の終わり頃にはやっぱりリストラが行われます。 朝50年物が6ドル48セントあったのが市場が終わる頃には30年物が68セントになるという描写は、おそらく実話に基づいているのでしょうが、すごいです。 そして翌日は残された68セントから1セントまでの値幅での取引が行われたと考えると、当時の市場の凄まじさの端っこを理解出来たような気がしました。 ケヴィン・スペイシーのラストの行動はとても意味深長に見えました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.05.24 11:49:18
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