カテゴリ:日常生活から
ゴスフォード・パーク 2001年イギリス映画 ロバート・アルトマン監督 ジュリアン・フェロズ脚本
クリスティン・スコット・トーマス、ヘレン・ハント 映画「ゴスフォード・パーク」は名匠ロバート・アルトマンの晩年の傑作で、アカデミー脚本賞・ゴールデン・グローブ監督賞に輝きました。 1932年の秋、ロンドン郊外のマナーハウス「ゴスフォード・パーク」で週末のハンティング・パーティーが開催されますが、殺人事件が発生します。主催の夫妻・招待客・使用人らの人間模様が英国の名優らによって演じられる大変豪華な群衆劇です。 ヒッチコック監督のトーキー初作品に出演した貴族出身の俳優・作曲家のアイヴァ・ノヴェロが登場したり、役作りのために俳優がプロデューサーの付き人になりすましたりの凝った設定もありますが、社交の場である泊まりがけのパーティーがどのように運営されて行くのかが要領良く紹介されていきます。 サービスと対価という視点のシーンや台詞もあり、お話を追う以外の見所も豊富です。 上流階級のサロンやパーティーと言えば主催者と来客の人間模様が中心となるのが普通ですが、そのシーンはあまり登場しません。社交界が使用人達に依存して成り立っている部分が大きいという考えの現れなのでしょうか。 階下の人々はたしかに雇われていますが、自分達の労働で食べてもいます。 そう考えると殺人事件の被害者と犯人の関係もステロタイプな見方だけで片付けられないようにも私は考えました。 私には20代の男女の行動がとても興味深かったです。 男性は若い俳優で、自分を売り込むためには相手が有力者と見れば何でもします。 映画の役を獲得する事は確実なようです。 女性は主催者の妻の叔母の付き人で、事件の真相に迫る探偵です。 パーティーに立ち会った事で彼女の人生がが変わる事はありませんでしたが、社会と人生に対する洞察を得て去って行きます。 その洞察は主人の老婦人を上回るようにも見えます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.06.30 18:46:02
コメント(0) | コメントを書く
[日常生活から] カテゴリの最新記事
|
|