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『ギルバート・グレイプ』1993年アメリカ映画 監督ラッセ・ハルストレム 原作・脚本ピーター・ヘッジス
ジョニー・デップ、ジュリエット・ルイス、レオナルド・ディカプリオ 『ギルバート・グレイプ』はハリウッドを代表するスターのデップ、ディカプリオの共演作品であり日本でも人気が高いようです。ディカプリオは重い知的障害のあるアーニーを演じてアカデミー助演男優賞にノミネートされました。 ラッセ・ハルストレム監督はスウェーデン出身で1970年代の代表作は『アバ ザ・ムービー』です。 日本とのつながりが深い作品です。 新藤兼人監督は『一枚のハガキ』で「家に火を放つ」事を重要なシーンと設定されました。 藁葺き屋根の家が炎に包まれて行く様子は、とても印象的です。 実はこの映画のグレイプ家の人間設定は、山田洋次監督の『馬鹿が戦車でやってくる』に似通ったところがあります。 山田作品では少年戦車兵出身のサブ(ハナ肇)が耳の遠い母親(飯田蝶子)おしで知的障害のある弟(犬塚弘)の面倒を見、養っています。 家族は小さな村の中で敬遠されており、侮った金持ちは母親の無知をいいことに土地の権利を奪ってしまいます。 ショックが引き金となって母が亡くなったのをきっかけに、怒ったサブは隠しておいた戦車で村の建物を壊してまわります。 兵六はそれを火の見櫓で見物していましたが落ちて死んでしまいます。 サブは兵六の遺体を戦車に乗せて去って行き、村には戦車の伝説だけが残ります。 ハルストレム作品ではギルバートは姉妹とともに夫の自殺後過食となり家に引きこもった母親、監視していないと町の給水塔に登ってしまう弟を養い、面倒を見ています。 24歳ですが一度も人口千人の町から出た事がありません。 母親は近所の子供達から化け物呼ばわりされますし、弟が給水塔に上がれば町中が見物します。 トレイラーの故障で町に滞在する事となったベッキーと一晩中デートして家に帰れば、アーニーは風呂に浸かりっぱなしのまま凍えています。 映画のクライマックスは母の葬儀を町の見せ物にしないために遺体を家ごと焼き払うシーンです。 アメリカの田舎の家が炎の中崩れていく様子はすさまじいものがあります。 1年後ギルバートはアーニーと共にベッキー母子のトレーラーに乗り込んで町を出て行きます。 映画の作り手は、色んな国の映画を見ては自分の考えを映画に反映させて行くようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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