カテゴリ:日常生活から
『ノーカントリー』2007年アメリカ映画 原作コーマック・マッカーシー
監督・脚本 ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン 第80回アカデミー賞で8部門にノミネートされ、作品・監督賞をダブル受賞した作品です。 殺し屋シガーを演じたハビエル・バルデムが助演男優賞を受賞しました。 原題は『No Country for Old Men』でして、トミー・リー・ジョーンズ演じるベル保安官がお話の語り手です。 私は殺し屋シガーが警官を殺して署から逃亡、ドラッグストアで微笑みながら店主にコイントスの賭けを勧めたのちいきなり殺してしまうという展開にまず大変驚きました。 シガーは映画の中で10人以上を殺すので、R-15指定です。 一方ブロンクホーン撃ちに出かけたモスは麻薬を巡る殺人現場に遭遇します。ヴェトナム帰還兵なので、銃撃戦で大勢の人が死ぬのを見ても動じる事はありません。 車の中に瀕死の男を見つけて話かけますが、「アクア」と水を求めるばかりです。廻りを調べてみると男の死体のそばに札束の詰まったブリーフ・ケースを発見します。 やっと男に水を持って行くと男達が現れてモスを捕まえようとしたので車で逃亡。 現金は総額200万ドル、車を見られたのでギャングが奪取に来るだろうと武装して対応する事にします。 ギャングの一味と対決した後にモスを追ってきたのはシガーでした。モスも一歩も譲らず銃撃戦となり双方負傷。 シガーは自分一人で傷の手当をする間モスはメキシコに入り現地の病院に入院。 シガーに部下を殺され、モスの事件も追っていたベル保安官は警察の介入が出来ない状況に思わず叔父に引退をほのめかします。叔父はこの土地はもともと暴力的なので、一人の力ではどうにもならないと慰めて思いとどまらせます。 賞金稼ぎが金と引き換えにモスの生命を保証すると持ちかけますが、モスはこれを拒否。 シガーは賞金稼ぎと依頼人のギャングのボスを殺します。 ボスを殺した直後にモスが部屋に電話したので、初めてシガーとモスは話をしました。 モスの妻は夫の言いつけどおりメキシコのモーテルで合流しようとしますが既にモスは殺されてお金は消えていました。シガーの仕業では無いように私には見えましたが? 母の葬儀の後モスの妻は部屋で待ち伏せしていたシガーと対面します。 シガーは彼女を殺さねばならないと言いますが、コイントスの賭けで勝てば見逃すと言います。 妻は「勝っても負けてもあなたは殺すと思う」と言って賭けを拒否します。 靴の裏を気にしながらシガーは部屋から出て「青信号を確認しながら」横断歩道を渡りますが信号無視の車にひき逃げされます。 通りかかった少年2人は「腕から骨が出ている」と指摘しますが一人から着ていたシャツを買って傷を隠すとそのまま車を運転して去って行きます。お尋ね者なので当然の行動です。 ベル保安官が妻に2つの夢の話をするシーンで映画は終わります。 長々とストーリーを紹介したのですが、このお話の教訓は一言で言えば「君子危うきに近寄らず」という事ではないでしょうか? モスが警察に連絡する事によって自分と家族の身を守る可能性はまだありました。 武装してギャングと直接対決すると決めた事から予想外の出来事にも対応しなければならなくなりました。 アメリカの国の状況を示唆した映画だと見るのが正しい解釈だそうですが、そう割り切ってしまうのはもったいないように私は考えています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[日常生活から] カテゴリの最新記事
|
|