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１９５９年３月１７日、ダライ・ラマ１４世テンジン・ギャツオがチベットからインドへ逃れました。

１９５１年以来中国共産党の支配下にあったチベットの中心都市ラサで、３月１０日に反中国・反共産主義の民衆暴動が勃発しました。

３月１２日にはラサの街頭に集まった抗議者達はチベットの独立を宣言し、街路にバリケードを築きました。

これをきっかけに人民解放軍の大砲はダライ・ラマ１４世の夏の離宮ノルブリンカを射程に収めました。

３月１５日には宮殿近くに２発の砲弾が着弾したので、１７日にダライ・ラマ１４世は亡命を決行しました。

３月１９日に人民解放軍とチベット軍の衝突が始まったので、ノルブリンカやラサの主な僧院も砲撃で破壊されました。

チベット軍は人民解放軍より人数・武器ともに貧弱だったので、戦闘２日で敗北してチベット全域は中華人民共和国に併合されました。

僧院や寺院は略奪・破壊され、何千人もの僧侶が処刑・逮捕されました。

インド北部ダラムシャラーにあるチベット亡命政権によれば、８万６千人ものチベット人が死亡したそうです。

またチベット亡命政府は、３月１０日を「チベット蜂起の日」として記念日としています。

亡命されたダライ・ラマ１４世は、チベット仏教の指導者としてばかりでなくガンデンボタン（チベット亡命政府）の長として、アメリカ・ヨーロッパ諸国・日本を始めとする世界各地をたびたび訪問して宗教に関する講演を行ってこられました。

１９８９年には世界平和とチベットの宗教・文化の普及に対する貢献が高く評価されて、ノーベル平和賞を受賞されました。

ダライ・ラマ１４世は、自らを活仏（化身ラマ）の天性制度によって幼児期に承認された最後のチベット仏教指導者と見なしておられます。

ダライ・ラマが転生制度によって承認した後継者パンチェン・ラマ１１世は、中華人民共和国当局によって連行されて行方不明のままだからです。

中華人民共和国チベット自治区内に留まっているパンチェン・ラマ１１世は、別人で中華人民共和国が認定した僧侶であるにすぎず、チベット仏教の宗教慣例によって承認された後継者とは言えません。

ダライ・ラマ１４世は、あえてチベット亡命政府に近い立場の高位の僧の中から、選挙又は指名で次の後継者を決めたいと発言してこられました。

２００８年３月１０日、チベット自治区ラサ市いおいてチベット独立を求めるデモをきっかけとして暴動が発生しました。

漢民族の流入が資源開発とインフラ建設に伴って進行しており、チベット族に危機感があるようです。

チベット亡命政府関係者によれば、チベット族人口約６００万人に対して漢民族は８００万人以上と既に人口が逆転し、今後１０年間で１００万人以上の漢民族が流入するとの予測もあるそうです。

漢民族とチベット族の所得格差が社会問題となっているそうです。

３月１１日配信の日経ネット版記事は、習指導部がチベット仏教僧侶にこれまでのような厳しい対応を続けていると報じています。

チベットでは中国共産党による圧政を世界に発信するための抗議の焼身自殺が相次いでおり、２００８年からの累計は今年２月で１００人を突破したそうです。