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2008年08月23日
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 数日前にはホーチミンの人民委員会幹部がODA案件がらみで賄賂を受け取っていたとする疑惑に関して書きましたが、それと関係するもう一つのベトナム公務員の一面です。

 昨日から特集しているTuoiTre紙に拠れば、2003年から2007年までに全国で16,000人が辞職し、特にホーチミンでは6400人もが辞職しているそうです。これも、どこまでを公務員としているかなど、細かく言えば色々ありますが、最近この次々と公務員が民間に転進しているという記事が多く見られます。

 最も大きな理由はその給料の安さ。これは誰も否定しないところです。記事の中でも、「若手で月給約100万ドン、これでは独身一人身でも生活ができない」、とか「200万ドンの給料で区人民委員会副委員長のアシスタントをやっていたが、民間に移ったら1000万ドンに給料が上がった」とか、民間との給与格差は確かに目を覆うばかりです。当然、それがゆえに「アルバイト」にせいが出る結果、本業の公共サービスの質は結局落ちるという構図です。

 また、給料が悪いけど仕事は楽、というのも実は公務員の実像ではないと言う記事も。住民も以前ほど「公」に甘い態度を示すことは無く、苦情は相次ぐし、会議は多いし・・・などなど。これもまあ報酬とのバランスなのでしょうが、仕事が忙しくなって、報酬が知れているんじゃあ、残れと言う方が無理がありますよね。また、上記6400人のうち、大学卒以上を対象としているのが約43%と、辞める人の高学歴化が指摘もされています。これには、人事ローテーションが合理的でなく、専門と違うことをやらされていることが、仕事に対する満足感と効率を低下させていると指摘されています。

 ホーチミン内務局(公務員の人事制度も担当)局長も、「経済が多様化(=民営化)してくる中、民間に良い人材が出てくること、それを公が育てていることはある程度は良いこと」と言いつつも、さすがに既に度を越して「ブレーンドレイン」、人材流出とサービス低下を招いているとして、給与改革の必要性を訴えています。

 ベトナム国内の有名大学の就職希望先でも、公務員は既に10%程度にしかならないそうです。確かに、民間に優秀な人材が流れることは悪いことばかりではありませんが、どれだけの、どういった人材が公務にも必要で、その人たちをひきつけるにはどうしたらいいかを考えるべきときに来ているようです。さもないと、汚職事件などはどんどんイメージを下げ、誰も公務員に見向きをしない時期が来てしまうかもしれません。

 ただ、その反面、こういった現象はハノイやホーチミン(今回のTuoiTre記事もホーチミンに関してです)に顕著にある反面、地方都市、農村では未だに公務員と言うのは数少ない安定した「サービス産業」のホワイトカラーであるとも言えます。(それでも、コミューンレベルではすずめの涙の報酬で主席をやりたがらない人もいるというケースも聞きます。)違い・格差の大きいベトナムの国土を跨る公務員改革は、難しいですが、大きな意義を持ちそうな気がします。






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最終更新日  2008年08月24日 02時08分46秒
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